薬剤師の転職面接、「最後に言いたいこと」で熱意を伝える締めの一言と例文
転職活動における面接の最終盤、全ての質疑応答が終わったと安堵した瞬間に、面接官から「最後に何か言いたいことはありますか?」と問いかけられることがあります。これは、面接の評価を決定づける、最後の、そして最も重要な自己アピールの機会です。多くの応募者が準備不足からこの貴重なチャンスを活かしきれていない中で、ここで何を伝えるかが、合否そのものを分ける可能性さえ秘めています。この記事では、ご自身の入社への強い思いと、薬剤師としてのポテンシャルを、面接官の心に深く刻み込むための「最後に言いたいこと」の考え方と、具体的な伝え方について詳しく解説いたします。
なぜ「最後に言いたいこと」を尋ねられるのか
まず、企業側がなぜ面接の最後にこのような機会を設けるのか、その意図を理解しておくことが大切です。第一に、応募者の「入社意欲の本気度」を最終確認するためです。この最後の機会を使ってまで、何を、どれだけの熱量で伝えたいのか、その姿勢から志望度の高さを測っています。第二に、面接の時間内では十分に引き出せなかった応募者の強みや魅力を、自らアピールする機会を与えるという、面接官からの「配慮」の側面もあります。そして、ご自身の考えを簡潔にまとめて、相手に分かりやすく伝える「コミュニケーション能力」を見ている、という意図も含まれています。
何を言うべきか?好印象を与える内容の組み立て方
好印象を与える「最後に言いたいこと」は、いくつかの要素で構成されています。まず、面接の機会を設けていただいたことへの「感謝」を改めて述べます。次に、面接での対話を通じて、その企業で働きたいという気持ちがより一層強くなったという「熱意」を表現します。そして、ご自身の強みが、入社後にどのように貢献できるかという「貢献イメージ」を再度強調し、最後に、改めて感謝の言葉で締めくくります。大切なのは、長々と話すのではなく、30秒から1分程度で、ご自身が最も伝えたい核心部分に絞って、情熱を込めて語ることです。
【例文】熱意と貢献意欲を伝える「最後に言いたいこと」
ここでは、ご自身の状況に合わせて応用できる、具体的な例文をいくつかご紹介します。
一つ目は、入社への熱意を前面に出して伝えたい場合の例文です。「はい、お時間をいただきありがとうございます。本日の面接を通じて、〇〇様から貴社の患者様第一の姿勢や、地域医療への熱い思いを伺うことができ、私が薬剤師として目指す姿と完全に一致すると感じ、入社への思いが確固たるものとなりました。もしご縁をいただけましたら、一日も早く貴社の一員として貢献できるよう、全力で取り組んでまいります。本日は誠にありがとうございました。」
二つ目は、面接中に伝えきれなかったスキルを補足してアピールしたい場合の例文です。「はい、一言だけ失礼いたします。面接の中では十分にお伝えしきれませんでしたが、私は前職で在宅医療における多職種連携の推進役を担った経験がございます。この経験は、今後在宅分野にさらに力を入れていかれる貴社において、必ずお役に立てるものと信じております。ぜひ、この経験を活かして貢献させていただきたく存じます。本日は貴重な機会をありがとうございました。」
最後の最後で評価を下げないための注意点
この貴重な機会を、かえってマイナスの印象で終えてしまわないよう、避けるべき発言もあります。最も避けるべきなのは、「特にありません」という回答です。これは、入社意欲がない、あるいは自己アピールへの積極性に欠けると見なされてしまいます。また、この場はご自身のアピールの時間ですので、新たに追加で質問をしたり、給与や休日といった待遇面の話を持ち出したりするのも不適切です。最後まで、前向きで意欲的な姿勢を貫きましょう。
締めの一言を、専門家と共に磨き上げる
面接の最後に何を言うかは、その面接全体の締めくくり方として、応募者の印象を決定づける非常に重要な要素です。ご自身のキャリアや熱意を、その企業に最も響く形で、かつ簡潔な言葉に集約する作業は、客観的な視点なくしては難しいものです。そのような時は、転職の専門家であるキャリアアドバイザーにご相談ください。応募先企業の求める人物像を深く理解した上で、最も効果的な「最後に言いたいこと」の作成を、マンツーマンでサポートいたします。模擬面接を通じて、最も熱意が伝わる話し方や表情まで、トータルでトレーニングすることで、自信を持って面接の最後の瞬間まで臨むことができるようになります。