薬剤師の転職面接、日程変更をお願いするメールの書き方と例文

転職活動を進める中で、現職での急な業務の都合や、ご自身の体調不良といった、やむを得ない事情で、一度確定した大切な面接の日程を変更せざるを得ない、という事態は起こり得るものです。企業側に多大な迷惑をかけてしまうことへの申し訳ない気持ちや、「日程変更をお願いすることで、選考で不利になってしまうのではないか」という不安から、その伝え方に深く悩んでしまうことと存じます。しかし、誠意ある適切な対応をすれば、選考の機会を失うことなく、むしろあなたの真摯な姿勢を伝えることも可能です。この記事では、面接の日程変更を、失礼なく、かつ円満にお願いするための、正しいメールの書き方とマナーについて詳しく解説いたします。

日程変更を依頼する際の、まず守るべき3つの原則

面接の日程変更をお願いするメールを送る前に、まず、心構えとして最も重要な三つの原則を押さえておきましょう。一つ目は、「変更が必要だと分かった瞬間に、できるだけ早く連絡する」ことです。直前になればなるほど、面接官のスケジュール調整など、相手にかける迷惑は大きくなります。これが、相手への最大限の配慮です。二つ目は、「連絡はまず電話で行う」ことです。特に、面接の前日や当日といった直前の日程変更依頼は、緊急性が高いため、メールだけでは担当者が見逃す可能性があります。まずは電話で直接お詫びと相談をし、その後、改めて記録としてメールも送るのが、最も誠実な対応です。三つ目は、「謙虚な姿勢で『お願い』する」ことです。日程変更は、あくまでもこちらの都合です。相手に調整していただくことへの、深いお詫びと感謝の気持ちを忘れてはなりません。

日程変更メールの基本構成とポイント

日程変更をお願いするメールは、要件が簡潔に、かつ明確に伝わるように作成することが重要です。まず件名は、「【日程変更のお願い】〇月〇日の面接につきまして／薬剤師 〇〇 〇〇（氏名）」のように、一目で重要かつ緊急の要件であることが分かるように記載します。本文では、まずご自身の氏名と、元々お約束していた面接の日時を伝えます。続けて、日程の変更をお願いしたいという結論を明確に述べ、その理由を簡潔に添えます。そして、ご迷惑をおかけすることへのお詫びの言葉を丁寧に綴り、新たな候補日時を複数提示した上で、再度お詫びと結びの挨拶で締めくくります。

【理由別】丁寧さが伝わるメール例文

ここでは、日程変更をお願いする際の、理由別の具体的なメール例文をご紹介します。

まず、現職の業務の都合が理由の場合です。件名は、「【日程変更のお願い】〇月〇日の面接につきまして／薬剤師 〇〇 〇〇」とします。本文は、宛名に続き、「お世話になっております。〇月〇日〇時より面接のお約束をいただいております、〇〇 〇〇です。先日ご調整いただきました面接の件ですが、誠に申し訳ございません。現職にて急な対応が必要な業務が発生し、当初お約束しておりました日時に伺うことが困難となってしまいました。つきましては、誠に勝手なお願いで大変恐縮なのですが、もし可能でしたら、改めて面接の機会をいただくことは可能でしょうか。例えば、来週でしたら、〇月〇日以降は比較的調整がつきやすい状況です。多大なるご迷惑をおかけいたしますこと、重ねてお詫び申し上げます。何卒ご検討いただけますと幸いです。」と記し、最後に署名を記載します。

次に、体調不良が理由の場合は、理由の部分を「昨夜からの体調不良により、万全の状態で面接に臨むことが難しい状況となってしまいました。自己管理が至らず、誠に申し訳ございません。」といった形に差し替えます。詳細な病状まで説明する必要はありません。

新たな候補日を提示する際の配慮

日程の再調整をスムーズに進めるためには、新たな候補日を提示する際の配慮が重要です。相手が選びやすいように、最低でも三つ以上の候補日時を提示しましょう。その際、「〇月〇日（月）終日」や「〇月〇日（火）13時以降」というように、時間帯に幅を持たせると、相手はより調整しやすくなります。また、「上記日程でのご調整が難しいようでしたら、〇〇様のご都合の良い日時をいくつかお教えいただけますと幸いです」と、相手の都合を優先する一文を添えることも、あなたの謙虚な姿勢を示します。

デリケートな交渉は、プロに任せるという選択肢

面接の日程変更は、応募者にとって非常に言いにくく、精神的な負担も大きい、デリケートな交渉です。その伝え方一つで、あなたの評価を大きく下げてしまうリスクも伴います。このような時、転職エージェントを利用していれば、キャリアアドバイザーがあなたに代わって、企業への日程変更の交渉を全て代行いたします。あなたの事情を汲み取り、企業の採用担当者へ角が立たないように、かつ最も丁寧な形で日程の再調整を行います。あなたは、気まずい交渉のストレスから解放され、安心して本来の業務や面接準備に集中することができるのです。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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