薬剤師の転職面接、筆記試験の例題と対策|これだけは押さえたい4分野
転職活動の選考プロセスにおいて、面接と共に「筆記試験」の実施を案内され、「一体どんな問題が出るのだろうか」「学生時代から時間が経ち、知識に自信がない」と、急に不安を感じてしまう薬剤師の方は少なくありません。事前に出題の傾向や問題の例を知っておくだけで、心の準備ができ、当日落ち着いてご自身の本来の実力を発揮することができます。この記事では、薬剤師の転職活動で実施されることが多い筆記試験の分野別に、具体的な「例題」を挙げながら、それぞれの対策ポイントを分かりやすく解説していきます。
なぜ筆記試験が行われるのか?
まず、企業側がなぜ面接に加えて筆記試験を行うのか、その目的を理解しておきましょう。筆記試験は、面接という主観的な評価だけでは測ることが難しい、あなたの「客観的な基礎能力」を確認するために行われます。具体的には、社会人としての基礎学力や、薬剤師としての専門知識のレベル、そして物事を論理的に考える力などを、客観的な指標で評価したいという意図があります。
【例題と対策1】薬剤師としての「専門知識」
薬剤師の採用選考で最も特徴的なのが、専門知識を問う問題です。薬物計算や薬機法・保険制度などの法規、基本的な薬理・病態に関する知識など、薬剤師として働く上で必須となる基礎力が問われることが多くあります。
特に、薬物計算は頻出するテーマの一つです。例題として、「体重50kgの患者様に、〇〇(薬剤名)を5mg/kg/day、1日2回に分割して経口投与する場合、1回あたりの投与量は何mgになりますか」といった、臨床現場で日常的に行うような基本的な計算問題が考えられます。対策としては、学生時代に使っていた参考書や、薬剤師国家試験の過去問題集などを改めて見直し、基本的な公式や単位換算などを復習しておくことが有効です。
【例題と対策2】社会人としての「一般常識・時事問題」
社会人としての基礎教養を問う、一般常識や時事問題が出題されることもあります。漢字の読み書きや簡単な四字熟語、社会・経済・文化に関する基本的な知識、そして最近のニュースに関する問題などがこれにあたります。
時事問題の例題としては、「日本の現在の総理大臣の名前を答えなさい」といった基本的なものから、「2025年4月から施行された〇〇法の改正について、薬剤師の業務にどのような影響があると考えられますか」といった、医療関連のニュースについての見解を問われる可能性があります。これらの対策は、付け焼き刃では難しいため、日頃から新聞やニュースサイトに目を通し、社会の動きに関心を持つ習慣をつけておくことが最も大切です。
【例題と対策3】思考力と表現力を問う「小論文・作文」
特定のテーマについて、ご自身の考えを文章で記述する、小論文や作文が課されることもあります。これは、あなたの論理的思考力や文章構成力、そして仕事に対する価値観などを知るためのものです。
テーマの例題としては、「あなたが考える『理想の薬剤師像』とは何か、自身の経験を交えて800字以内で述べなさい」や、「地域医療において、今後薬剤師が果たすべき役割について、あなたの考えを述べなさい」といったものが考えられます。対策としては、応募先企業の理念や方針を事前に深く理解し、それとご自身の考えを結びつけて書くことが、高評価を得るための鍵となります。
【例題と対策4】基礎能力を測る「適性検査(SPIなど)」
Webテストやマークシート形式で実施されることが多いのが、SPIに代表される適性検査です。これは、文章の読解力や語彙力を測る「言語分野」と、計算能力や論理的思考力を測る「非言語分野」からなる「能力検査」、そしてあなたの性格特性を分析する「性格検査」で構成されています。能力検査は、問題の形式に慣れ、スピーディーに解くための訓練が必要です。市販の問題集を1冊購入し、一通り解いておくことが、最も効果的で確実な対策と言えるでしょう。
的を射た対策で、自信を持って臨む
筆記試験は、事前にどのような問題が出るかの傾向を知り、対策を立てておけば、決して怖いものではありません。しかし、応募先企業が、これらの中からどのタイプの試験を、どの程度の難易度で実施するのか、その具体的な情報を個人で入手するのは極めて困難です。そのような時は、転職の専門家であるキャリアアドバイザーにご相談ください。過去の膨大な選考データに基づき、「この企業では、計算問題がよく出題されます」「昨年は、〇〇に関する小論文が出題されました」といった、非常に価値の高い情報を提供することが可能です。的を射た対策を効率的に行い、筆記試験への不安をなくし、本来注力すべき面接対策に集中するために、ぜひ私たち専門家のサポートをご活用ください。