薬剤師の転職面接、身内の不幸でキャンセルする場合の連絡メールとマナー

転職活動を進める中で、ご身内にご不幸があるという、予期せぬ、そして大変辛い出来事が起こる可能性は、誰にでもあり得ることです。大切な面接の約束が迫る中で、「企業には、どのように連絡をすれば良いのだろうか」「詳しい事情まで話すべきなのだろうか」と、心身ともに落ち着かない中で、その対応に深く悩まれることと存じます。この記事では、このような緊急かつデリケートな状況において、応募先企業に対して、最大限の誠意を伝え、失礼なく対応するための、正しい連絡方法とマナーについて詳しく解説いたします。

まずやるべきこと：迅速な連絡

ご身内の不幸により、面接への出席が困難であると判明した時点で、あなたがまず行うべきことは、一刻も早く応募先企業にその旨を連絡することです。連絡手段は、緊急性が高く、確実に相手に伝える必要があるため、まずは「電話」で行うのが最も誠実な対応です。メールでは、採用担当者がすぐに確認できない可能性もあります。まずは電話で直接お詫びと状況を伝え、もし担当者が不在であったり、営業時間外であったりして繋がらない場合に限り、メールで一報を入れる、という手順を踏みましょう。できるだけ早く連絡を入れることが、面接のために時間を確保してくれていた相手への、最大限の配慮となります。

伝えるべき内容と、理由の説明範囲

企業に連絡をする際、ご不幸の詳細について、どこまで詳しく説明すべきか迷われるかと存じます。故人との続柄や、ご不幸に至った経緯といった、極めてプライベートな情報までを、ご自身から詳細に説明する必要は一切ありません。ほとんどの常識ある企業の担当者は、「身内の不幸のため」あるいは「急な弔事のため」という理由だけで、あなたの状況を十分に察してくださいます。電話やメールで伝えるべきなのは、ご自身の氏名と面接の予定日時、お詫びの言葉、そして「身内の不幸のため」という簡潔な理由、最後に、今後の選考に関するご自身の希望（選考を辞退するか、日程変更を希望するか）です。

【状況別】誠意が伝わるメールの書き方と例文

電話で連絡がつかない場合や、電話での連絡を補完するためにメールを送る際の、具体的な文例を二つの状況別にご紹介します。

まず、選考の継続を希望し、日程の変更をお願いしたい場合の例文です。件名は、「【〇月〇日 面接日程変更のお願い】薬剤師 〇〇 〇〇」のように、要件と氏名を明確に記載します。本文は、宛名に続き、「お世話になっております。〇月〇日〇時より面接のお約束をいただいております、〇〇 〇〇です。誠に申し訳ございませんが、急な弔事のため、明日の面接にお伺いすることが困難となってしまいました。直前のご連絡となり、多大なるご迷惑をおかけいたしますこと、心よりお詫び申し上げます。誠に勝手なお願いで大変恐縮なのですが、もし可能でございましたら、後日改めて面接の機会をいただくことは可能でしょうか。日程につきましては、改めてこちらからご相談させていただきたく存じます。何卒ご配慮いただけますと幸いです」と記し、最後に署名を記載します。

次に、これを機に選考を辞退する場合の例文です。今後の希望の部分を、「つきましては、誠に残念ではございますが、この度の選考を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。貴重な選考の機会をいただいたにもかかわらず、誠に申し訳ございません」といった形に差し替えます。

ご自身の心を大切に

ご身内の不幸という、心身ともに大変な状況の中で、転職活動のことを考えるのは、精神的に非常につらいことです。企業への連絡という、社会人としての責任を果たした後は、どうかご自身の心を休ませ、ご家族と過ごす時間を最優先にしてください。転職活動は、あなたの心と体の準備が整ってから、いつでも再開することができます。今は無理をせず、ご自身を大切にすることが、何よりも重要です。

最も困難な時に、あなたを支えるパートナーとして

このような最も辛い状況の中で、企業に対して、冷静に、かつマナーを守って連絡や交渉を行うことは、応募者にとって計り知れないほどの大きな負担となります。転職エージェントは、あなたの代理人として、そして精神的な支えとして、このような緊急事態においてこそ、大きな力になります。あなたは、担当のキャリアアドバイザーに状況を伝えるだけで構いません。あとは、キャリアアドバイザーが、あなたのプライバシーに最大限配慮しながら、企業側へのお詫びと、日程変更の交渉、あるいは辞退の連絡を、全て代行いたします。あなたが本当に向き合うべき大切なことに集中できる環境を守る。そのための心強いパートナーとして、ぜひ私たち専門家にご相談ください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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