働きながらの転職活動、面接は平日…どうする?薬剤師のための日程調整術
転職活動の壁、「平日の面接」
現在のお仕事と並行して、新たなキャリアへの一歩を踏み出そうとする薬剤師の多くが、最初に直面する大きな壁。それが、応募先企業から「平日の日中」に指定される、面接時間の確保です。多くの企業の営業時間が平日である以上、これは避けられない現実です。特に、シフト制勤務であったり、人員が限られていたりする医療現場では、希望通りに休みを取ること自体が難しい場合も少なくありません。しかし、いくつかの工夫と、誠実な対応を心がけることで、この壁は乗り越えることが可能です。
基本は「有給休暇」の活用
働きながら転職活動を進める上で、最も確実で、気兼ねのいらない方法が、有給休暇を取得することです。労働者の正当な権利である有給休暇の取得理由を、会社側が不当に詮索することはできません。もし、上司や同僚に休暇の理由を尋ねられた場合でも、正直に「転職の面接のため」と答える必要は全くなく、「私用のため」あるいは「家庭の都合のため」といった理由で十分です。大切なのは、ご自身の不在が職場の業務に支障をきたさないよう、できるだけ早めに休暇を申請し、必要な引き継ぎをきちんと行っておく、という社会人としての配慮です。
企業への「時間外・土日面接」の相談方法
どうしても平日の日中に休みを取ることが難しい場合は、応募先企業に、面接時間について相談するという選択肢もあります。近年、企業側も優秀な人材を確保するために、在職中の応募者の事情に柔軟に対応してくれるケースが増えています。その際は、志望度が低いと誤解されないよう、伝え方に工夫が必要です。まずは「ぜひ御社(御院)の面接を受けさせていただきたい」という強い意欲を示した上で、「大変恐縮なのですが、現職の都合で、どうしても平日の日中の調整が難しく…」と、やむを得ない事情であることを丁寧に説明します。そして、「もし可能でございましたら、平日の夕方以降や、土曜日などにお時間をいただくことはできますでしょうか」と、あくまで謙虚な姿勢でお願いすることが大切です。
効率的な面接スケジュールの組み方
貴重な休暇を何度も取得しなくて済むように、転職活動を効率的に進める工夫も重要です。もし複数の企業の選考が同時に進んでいるのであれば、可能な限り、同じ日の午前と午後、あるいは近い日程で複数の面接をセッティングできないか、調整してみましょう。また、一次面接などでWeb面接(オンライン面接)を提案された場合は、移動時間のかからないこの方法を積極的に活用することも、効率化の大きな助けとなります。
薬剤師の事情を理解した、転職エージェントの調整力
働きながら、複数の応募先企業と個別に連絡を取り、日程を調整していく作業は、想像以上に手間と時間がかかり、大きな精神的負担となります。特に、ご自身からは言い出しにくい「時間外・土日面接」の交渉は、かなりの勇気が必要でしょう。薬剤師専門の転職エージェントは、こうした転職活動における、あらゆるコミュニケーションをあなたに代わって行う、強力なパートナーです。あなたの希望の休日や勤務後の時間帯を伝えるだけで、専門のキャリアアドバイザーが、すべての応募先企業との面接日程調整を代行します。個人では難しい時間外の面接交渉も、エージェントが企業との良好な関係性を活かして、うまく進めてくれる可能性が高まります。
まとめ
働きながらの転職活動において、「平日の面接」という課題に直面するのは、避けては通れない道です。大切なのは、現在お勤めの職場にも、そして新たな可能性のある応募先にも、常に誠実な姿勢で向き合うこと。そして、ご自身一人ですべてを抱え込まず、効率化できる部分はプロの力を賢く借りることです。スムーズな日程調整で心に余裕を持ち、万全の態勢で、面接本番に臨みましょう。