面接が1時間だったのに落ちた…考えられる理由と、次へ繋げるための思考法

「手応えがあったはずなのに」そのショックと向き合う

採用担当者と1時間にもわたってじっくりと話し込み、会話も弾んだ。面接官も熱心にメモを取り、笑顔も見せてくれた。「これはきっと、良い結果が期待できる」。そんな確かな手応えを感じていただけに、届いた不採用の通知は、あまりにも大きなショックと、納得できない気持ちを残します。しかし、転職活動において、面接時間の長さと合否の結果は、必ずしも比例するものではありません。その事実を冷静に受け止め、今回の悔しい経験を次に活かすための、前向きな振り返りを行うことが何よりも大切です。

面接時間が長くても「落ちる」理由

なぜ、1時間もかけて丁寧に対話をしたにもかかわらず、不採用となってしまうのでしょうか。その背景には、いくつかの理由が考えられます。一つは、あなたの経歴やスキルに対して、面接官が何らかの懸念を抱いており、それを払拭できるかどうかをじっくりと見極めるために、多くの質問を重ねた結果、最終的に不安が解消されなかったというケースです。また、話している時間は長くても、質問の意図を的確に捉えられていなかったり、話が冗長で要点が伝わっていなかったり、といったコミュニケーションの質の問題も考えられます。あるいは、長く話す中で、あなたの仕事に対する価値観や人柄が、企業の求める人物像や社風と合わないと判断された可能性もあります。

「話が弾んだ」という手応えの落とし穴

応募者自身が感じる「手応え」と、面接官が下す評価が、必ずしも一致しないことは、転職活動においてよくあることです。面接官がにこやかに、そして親身にあなたの話を聞いてくれたとしても、それは応募者の素の姿を引き出すための、プロフェッショナルな面接技術の一つかもしれません。あなたが気持ちよく話せている時、それは面接官が「聞き出す」のが上手いだけであり、話の内容そのものが高く評価されているとは限らない、という冷静な視点を持つことも時には必要です。

今回の経験を「次」に活かすための振り返り

落ち込んだ気持ちのままで終わらせず、この貴重な経験を次に繋げるために、今回の面接を客観的に振り返ってみましょう。質問に対して、まず結論から簡潔に答えることができていたでしょうか。ご自身の強みをアピールする際に、具体的なエピソードを交えて、説得力のある話ができていたでしょうか。そして、ご自身のスキルをアピールするだけでなく、その力を入社後にどう活かして企業に貢献したいか、という未来志向の話ができていたでしょうか。面接官が特に頷いていたのはどの話だったか、逆に、表情が曇ったのはどの部分だったかを思い出すことも、重要な手がかりとなります。

薬剤師として、長い面接で試されること

1時間という長い面接の中で、薬剤師として特に見られているのは、専門知識の深さだけではありません。長時間にわたり、集中力を切らさずに丁寧な対話を続けられるかという「コミュニケーションの持続力」。そして、長く話す中で話に矛盾が生じないか、一貫して誠実な態度を保てるかという「人間性」。こうした点が、患者様や他職種と長期的な信頼関係を築ける人物かどうかを判断する上で、じっくりと見られているのです。

客観的な「敗因分析」が、次への最短ルート

ご自身一人で面接を振り返っても、感情的になったり、思い込みで判断したりして、本当の不採用理由を見つけ出すのは非常に困難です。そんな時、薬剤師専門の転職エージェントは、あなたの強力な味方となります。エージェント経由の応募であれば、面接後に企業側から「〇〇様のこの点が、今回は当社の求める要件と少し異なりました」といった、不採用理由に関する具体的なフィードバックを得られることがあります。これは、次の面接に向けた、何物にも代えがたい貴重な情報となります。

まとめ

面接時間が長かったにもかかわらず不採用だったという経験は、ショックが大きい反面、それだけあなたが最終候補に近い、魅力的な人材であったことの裏返しでもあります。大切なのは、その悔しさをバネに、今回の経験から何を学び、どう成長するかです。落ちた理由を明確にし、次への具体的な改善点とすることで、あなたの転職活動は、より確実な成功へと近づいていきます。一人で抱え込まず、プロの力を借りて、その悔しさを必ず次に繋げていきましょう。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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