薬剤師の履歴書、印鑑は必要?正しい押し方と基本マナーを解説
薬剤師の皆様が転職活動で履歴書を準備する際、ふと「印鑑を押す必要はあるのだろうか」と疑問に感じたことはないでしょうか。近年、社会全体のデジタル化の流れを受けて押印を省略する場面が増えていますが、正式な応募書類である履歴書においては、印鑑の取り扱いが応募者の印象を左右することもあります。この記事では、薬剤師の転職活動における履歴書の印鑑の必要性や、押印する場合の正しいマナーについて詳しく解説します。
履歴書の印鑑は「押印欄の有無」で判断する
まず結論として、履歴書に印鑑を押すべきかどうかの最も簡単な判断基準は、押印欄の有無です。履歴書の様式に氏名の横などに押印欄が設けられている場合は、必ず印鑑を押しましょう。押印欄があるにもかかわらず空欄で提出してしまうと、確認不足やマナー違反と受け取られる可能性があります。
一方で、近年、厚生労働省が推奨する履歴書の様式例から押印欄が削除されたことなどを背景に、押印欄のない履歴書も増えています。この場合は、基本的に印鑑を押す必要はありません。ただし、企業や医療機関の文化によっては、本人が確認し、提出したことの証明として押印を重視するところも依然として存在します。迷った際には、押印しておくとより丁寧な印象を与えることができるでしょう。
履歴書への押印に適した印鑑の種類
履歴書に使用する印鑑は、朱肉をつけて押すタイプの「認印」が最も一般的です。重要な契約などに使用する実印や、金融機関に届け出ている銀行印は、履歴書に用いるには重要度が高すぎるため適していません。
絶対に避けなければならないのが、「シャチハタ」に代表されるインク浸透印です。手軽で便利ですが、印影が変形しやすく、インクも経年劣化しやすいことから、公的な書類やビジネス文書への使用はマナー違反とされています。必ず朱肉を使うタイプの印鑑を用意してください。
印鑑を鮮明に、まっすぐ押すためのコツ
印鑑は、ただ押せば良いというものではありません。かすれたり、欠けたり、曲がったりすることなく、きれいに押印されていることは、丁寧な仕事ぶりをうかがわせる要素となります。きれいに押すためには、まず書類の下に捺印マットを敷きましょう。適度な弾力性が力を均等に分散させ、美しい印影を助けます。捺印マットがなければ、ティッシュペーパーを数枚重ねたものでも代用できます。
朱肉はつけすぎず、印面に均一に付着させることが大切です。押す際は、印鑑を垂直に持ち、真上からゆっくりと均等に力を加えます。ぶれないように、もう片方の手を添えると安定します。
押印に失敗してしまった場合の対処法
細心の注意を払っていても、印鑑がかすれたり、にじんだりして失敗してしまうこともあります。このような場合、失敗した印影の上から重ねて押したり、二重線で消して横に押し直したりするのは絶対にやめましょう。修正液や修正テープの使用も同様に不適切です。修正の跡は見栄えが悪く、採用担当者に雑な印象や準備不足という印象を与えかねません。
押印に失敗してしまったら、手間を惜しまず、新しい履歴書に一から書き直すのが最善の対応です。パソコンで作成している場合は、新しい用紙に印刷し直しましょう。この丁寧な姿勢こそが、あなたの真摯さや信頼性を伝えることに繋がります。