薬剤師の履歴書、「中途退学」の正しい書き方と面接での伝え方
履歴書の学歴欄を作成する際、大学などを中途退学した経験があると、「この事実は正直に書くべきだろうか」「選考で不利になってしまうのではないか」と、その書き方に深く悩んでしまうことがあるかもしれません。しかし、中途退学もあなたの人生における経歴の一部です。大切なのは、その事実を隠さずに誠実に伝え、その経験を経て現在に至るまでの前向きな姿勢を示すことです。この記事では、履歴書における中途退学の正しい書き方と、採用担当者の懸念を払拭するための伝え方のポイントを解説します。
中途退学の事実は必ず正直に記載する
まず最も重要なことは、中途退学の事実は、必ず履歴書の学歴欄に正直に記載しなければならない、という点です。中退の事実を隠し、その学校に在籍していなかったかのように記載したり、あるいは卒業したかのように偽ったりする行為は、重大な「学歴詐欺」にあたります。これらの事実は、卒業証明書の提出を求められた際などに必ず発覚し、その場合は内定の取り消しや、入社後であれば懲戒解雇といった深刻な事態を招きかねません。特に、高い倫理観が求められる薬剤師という職業において、経歴を正直に記載することは、社会的な信頼を得るための第一歩です。
学歴欄への具体的な書き方と記入例
学歴欄には、まず入学した年月と学校名・学部名を記載し、その次の行に中途退学した年月と「中途退学」という事実を明記します。その際、退学理由を簡潔に書き添えるのが一般的です。理由を添えることで、採用担当者の疑問を事前に解消し、面接での説明もスムーズになります。
薬剤師を目指すために中退した場合の記入例
平成〇年 4月 〇〇大学 経済学部 入学
平成〇年 9月 〇〇大学 経済学部 中途退学(薬剤師を目指し、大学再受験のため)
やむを得ない事情があった場合の記入例
平成〇年 4月 〇〇大学 〇〇学部 入学
平成〇年 9月 〇〇大学 〇〇学部 中途退学(家庭の事情により)
病気療養が理由であった場合は、「(病気療養のため。現在は完治しており、業務に支障はありません)」のように、現在の健康状態を補足しておくと、採用担当者に安心感を与えることができます。
面接で退学理由を伝える際のポイント
採用担当者は、面接で退学理由を質問する際、「なぜ中退したのか」という過去の事実だけでなく、「その経験から何を学び、現在は仕事にどう向き合おうとしているのか」という、未来に向けたあなたの姿勢を知りたいと考えています。また、「私たちの組織でも、困難なことがあるとすぐに諦めてしまうのではないか」という、粘り強さに対する懸念を払拭することも目的の一つです。
したがって、どのような理由であれ、最終的には前向きな結論に結びつけて説明することが重要です。例えば、薬学部へ入り直すために中退したのであれば、「一度別の学問を学んだからこそ、より強い意志を持って薬剤師という目標を見つけることができました」と、主体的なキャリア選択であったことをアピールできます。
やむを得ない家庭の事情や経済的な理由であった場合も、「その困難な状況を乗り越えるために、自分なりに努力しました」という経験を語ることで、あなたの人間的な強さや責任感を示すことができます。大切なのは、過去の経験を反省しつつも、それを糧にして成長した現在の姿を、自信を持って伝えることです。