薬剤師の履歴書、「通勤時間」の正しい書き方と採用担当者が見るポイント
履歴書を作成する際、基本情報を記入する欄の中に設けられている「通勤時間」。単なる事務的な情報のように思えるこの項目ですが、実は採用担当者があなたの就労意欲や継続勤務の可能性を判断する上で、意外と注目している重要なポイントの一つです。この記事では、薬剤師の転職活動において、採用担当者に安心感を与える、通勤時間の正しい書き方と、その背景にある評価の視点について詳しく解説します。
「通勤時間」の正しい計算方法と書き方
履歴書に記載する通勤時間は、自宅のドアを出てから、応募先の薬局や病院の入口に到着するまでの、乗り換え時間や待ち時間、駅から事業所までの徒歩の時間などもすべて含めた「片道の所要時間」を記入するのが基本です。いわゆる「ドアツードア」でかかる時間を想定してください。
時間を算出するには、インターネットの路線検索サイトや地図アプリなどを活用するのが最も正確で便利です。複数の通勤ルートが考えられる場合は、交通遅延のリスクが少なく、最も安定して利用できる現実的なルートの所要時間を参考にしましょう。算出された時間は、「48分」であれば5分単位に切り上げて「約50分」、「1時間13分」であれば「約1時間15分」というように、少し余裕を持たせた上で、おおよその時間を記載するのが一般的です。
「最寄り駅」と利用する交通機関の書き方
通勤時間と合わせて「最寄り駅」を記載する欄には、自宅から最も近い駅の名称を記入します。その際、「JR鹿児島本線 博多駅」や「福岡市地下鉄空港線 天神駅」のように、利用する路線名もあわせて記載すると、採用担当者にとってより親切で分かりやすい情報となります。もし、履歴書のフォーマットに利用する交通機関を記載する欄があれば、通勤で利用する主要な手段(例:「電車、バス」)を書きましょう。
通勤時間が長いと選考で不利になるのか
通勤時間が片道で1時間半を超えるなど、客観的に見て長距離である場合、採用担当者は「毎日の通勤による身体的な負担が大きく、長期的な勤務が難しいのではないか」「急なシフト変更や残業に対応できるだろうか」といった懸念を抱く可能性があります。
もし、ご自身の通勤時間が長いと感じる場合は、その懸念を払拭するための工夫が有効です。履歴書の「本人希望記入欄」に「通勤時間については問題なく、業務に支障はございません。」と一言添えたり、面接の場で、体力面や自己管理能力に自信があることを具体的にアピールしたりすると、採用担当者の不安を和らげることができます。
引っ越しを予定している場合のスマートな伝え方
現在の住まいから応募先までの通勤が現実的ではないものの、採用が決まった際には転居を考えている、というケースも少なくありません。その場合は、採用担当者が抱くであろう「遠方からの通勤は継続できるだろうか」という懸念を解消するために、その意思を明確に伝えておくことが非常に重要です。
履歴書の「本人希望記入欄」を活用し、「採用いただきました際には、速やかに貴社(貴院・貴局)へ通勤可能な範囲へ転居する所存です。」といった一文を書き添えておきましょう。これにより、あなたの入社意欲の高さと、仕事に対する真摯な姿勢を強くアピールすることができます。