薬剤師の履歴書、「通勤経路」は書くべき?正しい書き方を解説
薬剤師の転職活動で履歴書を作成する際、「通勤時間」や「最寄り駅」といった項目はよく見かけますが、「通勤経路」を具体的にどこまで書けば良いのか、そもそも記載は必要なのかと、その扱いに迷うことがあるかもしれません。この記事では、薬剤師の転職活動における、履歴書の通勤経路に関する正しい考え方と、関連情報の適切な書き方について詳しく解説します。
そもそも履歴書に詳細な通勤経路の記載は必要か
まず結論から申し上げますと、現代の一般的な履歴書のフォーマットには、自宅から応募先までの詳細な通勤経路(例:「〇〇駅で△△線に乗り換え、□□駅で下車後、徒歩5分」など)を記入する専用の欄は設けられていません。したがって、応募先の企業や医療機関から特に指示がない限り、詳細な通勤経路を自ら記載する必要は原則としてありません。
採用担当者が知りたいのは、通勤の具体的なルートそのものよりも、あなたが無理なく、かつ安定して事業所に通うことができるかどうかです。その判断材料となるのが、「通勤時間」や「利用する交通機関」といった情報になります。
採用担当者に伝えるべき通勤に関する情報
通勤経路の詳細を記載する必要はありませんが、それに代わる情報として、以下の項目は正確に記載するのがマナーです。
一つ目は「通勤時間」です。これは、自宅のドアを出てから応募先の入口に到着するまでの、徒歩や乗り換えの待ち時間もすべて含めた「片道の所要時間」を、5分単位のおおよその時間で記載します。
二つ目は「最寄り駅」です。ご自宅から最も近い駅の名称を、「JR鹿児島本線 博多駅」のように、路線名もあわせて記載するとより親切です。これらの情報から、採用担当者はあなたの通勤環境を大まかに把握します。
複数の交通手段を利用する場合の書き方
電車とバスを乗り継ぐ場合や、自家用車と電車を組み合わせて通勤する場合など、複数の交通手段を利用する方もいらっしゃるでしょう。もし履歴書のフォーマットに「利用交通機関」といった欄があれば、そこに「電車、バス」や「自家用車、電車」のように、利用する手段を簡潔に記載します。
もし専用の欄がなければ、無理に書き加える必要はありません。最も重要な「通勤時間」の計算に、これらの乗り継ぎ時間が正しく反映されていれば、採用担当者はあなたの通勤状況を十分に理解できます。
採用担当者が通勤情報から知りたいこと
採用担当者が通勤時間や交通手段に注目する背景には、「継続勤務の可能性」を測りたいという意図があります。通勤時間が極端に長い場合、「日々の通勤による身体的な負担が大きく、長期的に勤務することが難しいのではないか」「交通遅延による遅刻のリスクが高いのではないか」といった懸念を抱く可能性があります。
特に、薬剤師の業務はシフト制であったり、急な残業が発生したりすることもあるため、安定して通勤できる環境にあるかどうかは、無視できない評価ポイントの一つなのです。
特記事項がある場合のスマートな伝え方
もし、採用が決まった際には転居を予定しているなど、現在の通勤情報だけでは伝わらない特記事項がある場合は、履歴書の「本人希望記入欄」を活用するのが有効です。
例えば、「採用いただきました際には、速やかに貴社(貴院・貴局)へ通勤可能な範囲へ転居する所存です。」といった一文を書き添えておけば、遠方からの応募であっても、入社意欲の高さと計画性を示すことができます。同様に、自動車通勤を希望する場合も、「自家用車での通勤を希望いたします。」と記載しておくことで、あなたの希望を正確に伝えることができます。