薬剤師の転職、履歴書は手書き？パソコン？それぞれのメリットと作成マナー

薬剤師の転職活動を始めるにあたり、誰もが準備する応募書類の主役、履歴書。その作成方法について、「丁寧に手書きで仕上げるべきか、それとも効率的にパソコンで作成すべきか」と、多くの方が一度は悩むポイントではないでしょうか。どちらの作成方法にも、それぞれメリットと注意点が存在します。この記事では、現代の転職活動における履歴書の作成方法の主流と、それぞれの方法で作成する場合の正しいマナーについて詳しく解説します。

現代の転職活動ではパソコン作成が一般的

まず、現在の転職市場の傾向として、応募先から特に指定がない限り、履歴書は「パソコン作成」が主流であり、一般的にも推奨されています。その最大の理由は、誰が読んでも分かりやすい「可読性の高さ」にあります。整った活字で書かれた履歴書は、採用担当者が内容をスムーズに把握できるだけでなく、丁寧で知的な印象を与えます。

また、一度データを作成すれば、応募先の薬局や企業ごとに志望動機などを簡単に修正でき、複数の応募を効率的に進められるという大きなメリットもあります。電子薬歴や在庫管理システムなど、薬剤師の業務においてもパソコンスキルは不可欠です。体裁の整ったビジネス文書を自ら作成できることは、基本的なPCスキルがあることの証明にも繋がります。

手書きの履歴書が評価される場面とは

パソコン作成が主流である一方で、手書きの履歴書が持つ価値が完全に失われたわけではありません。特に、応募先の企業や医療機関から「手書きの履歴書を提出してください」という明確な指定がある場合は、必ずその指示に従わなければなりません。

また、文字には人柄が表れると考える採用担当者もおり、丁寧に書かれた手書きの文字からは、応募者の真摯な姿勢や温かみ、入社への熱意が伝わると、好意的に評価されることもあります。伝統を重んじる個人経営の薬局や、手書きの記録文化が残る一部の医療機関などでは、手書きの履歴書が好まれる可能性も考えられます。

手書きで履歴書を作成する際の基本マナー

もし手書きで履歴書を作成すると決めた場合は、パソコン作成以上に、細心の注意を払う必要があります。まず、筆記用具は、黒色の油性またはゲルインクのボールペンを選びましょう。にじみやかすれが少なく、長期保存にも適しています。ペンの太さは、0.5mmから0.7mm程度のものが、文字が潰れず、かつ読みやすいためおすすめです。消せるボールペンや鉛筆、シャープペンシルは、改ざんの可能性があるため公的な書類である履歴書への使用は絶対に認められません。

文字を書く際は、字の上手い下手よりも、一文字一文字、心を込めて丁寧に、誰にでも読める楷書で書くことを心がけましょう。

書き間違えた場合の絶対的なルール

手書きで最も注意すべき点が、書き間違えた際の対処法です。ボールペンでの清書は緊張が伴いますが、もし一文字でも書き間違えてしまった場合、修正テープや修正液、二重線による訂正は絶対に行わないでください。修正の跡は書類の見栄えを著しく損ない、準備不足や丁寧さに欠けるという、極めてネガティブな印象を与えてしまいます。

たとえ最後の項目で間違えてしまったとしても、手間を惜しまず、必ず新しい履歴書用紙に最初から書き直すことが、唯一の正しい対処法です。その誠実で真摯な姿勢こそが、あなたの信頼性を伝えることに繋がります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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