薬剤師の履歴書、「特技」欄で人柄を伝える書き方【例文付き】
履歴書を作成する際、多くの項目の中でも特に「趣味・特技」の欄を前に、「どのようなことを書けば良いのだろう」「仕事とは関係ないことを書いても良いのだろうか」と、筆が止まってしまう方も少なくないのではないでしょうか。一見すると、業務とは直接関係ないように思えるこの項目ですが、実は採用担当者があなたのスキルや経歴だけでは伝わらない「人柄」や「個性」、そして潜在的な能力を知るための、非常に重要なアピールスペースなのです。この記事では、薬剤師の転職活動において、あなたの魅力を効果的に伝えるための「特技」欄の書き方を、具体的な例文とともに解説します。
採用担当者は「特技」から何を見ているか
採用担当者は、特技欄からあなたのプライベートな情報を深く知りたいわけではありません。その記述を通じて、あなたがどのような人物で、自社の社風に合うか、そして仕事にどのように取り組む姿勢を持っているかを推し量ろうとしています。例えば、長年続けている特技があれば、あなたの「継続力」や「探求心」が伝わります。チームで行うスポーツなどが特技であれば、「協調性」や「コミュニケーション能力」をイメージするでしょう。また、面接の場で会話を弾ませるための、アイスブレイクのきっかけとなることも少なくありません。
薬剤師の仕事に繋がる特技の選び方
特技を選ぶ際は、薬剤師という職業に求められる資質と、ご自身の特技を結びつけて考えることが、採用担当者の共感を得るための鍵となります。必ずしも特別な能力である必要はありません。
例えば、調剤業務や監査に不可欠な「正確性」や「集中力」は、「整理整頓」や「細かい作業(プラモデル作り、手芸など)」といった特技でアピールできます。患者様や医療スタッフとの円滑な関係構築に求められる「コミュニケーション能力」は、「人の顔と名前を覚えること」や「相手の話を丁寧に聞くこと」といった、日常的な得意なことから表現できます。また、日々更新される医薬品情報を学び続ける「向上心」は、「情報収集」や「知らないことを調べること」といった探求心を示す特技で伝えることができます。
説得力が増す書き方の構成とポイント
単に「特技は整理整頓です」とキーワードを提示するだけでは、あなたの魅力は十分に伝わりません。その特技が、どのようなレベルで、どのような経験に裏付けられているのかを簡潔に補足し、可能であれば仕事にどう活かせるかを一言添えることで、アピール度は格段に上がります。具体的なエピソードを簡潔に加えることで、あなたの人物像がより鮮明になります。
【タイプ別】特技の書き方と具体的な例文
正確性や緻密さをアピールする例文
「特技は整理整頓です。医薬品の在庫管理においても、常に5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を意識し、誰もがピッキングしやすい環境を維持することを得意としております。この強みを活かし、貴局の業務効率化と医療安全に貢献したいです。」
コミュニケーション能力をアピールする例文
「特技は、人の顔と名前を早く覚えることです。前職では、かかりつけの患者様のお顔とお名前はもちろん、ご家族の状況なども把握することで、よりパーソナルな服薬指導を心がけておりました。この記憶力を活かし、患者様との信頼関係を迅速に築いていきたいです。」
継続力や探求心をアピールする例文
「特技は、毎日30分のジョギングを5年以上続けていることです。目標達成のために地道な努力を継続する忍耐力には自信があります。この継続力を、薬剤師として常に最新の知識を学び続ける姿勢にも活かしていきたいと考えております。」
「特になし」と書くのは避けるべき
もし、これといった特技が思い浮かばなくても、「特になし」と記載するのは避けましょう。自己分析ができていない、あるいは入社意欲が低いと受け取られてしまう可能性があります。どんな些細なことでも構いません。「料理(特に作り置きのレシピを考えるのが得意です)」や「読書(月に5冊以上、様々なジャンルの本を読みます)」など、あなたらしさが伝わる内容を、具体的な補足とともに記載することが大切です。