薬剤師の転職、履歴書をネット提出する際の基本マナーと注意点
薬剤師の転職活動において、作成した履歴書をEメールに添付したり、企業の応募フォームからアップロードしたりする「ネット提出」は、今や標準的な方法となりました。郵送に比べて時間やコストを節約できる一方で、ネット提出には特有のビジネスマナーや注意すべき点が存在します。この記事では、採用担当者に好印象を与え、スムーズな選考に繋げるための、履歴書のネット提出に関する基本マナーと具体的な手順を詳しく解説します。
提出前に準備すべき履歴書データ
まず、ネット提出する履歴書データの形式を整えることが重要です。パソコンのWordやExcelで作成した場合でも、そのままの形式で送るのではなく、「PDF形式」に変換してから提出するのが基本マナーです。PDFファイルは、相手の閲覧環境に左右されず、作成時のレイアウトのまま表示されるため、文字化けやデザイン崩れを防ぐことができます。また、第三者による安易な編集・改ざんを防ぐ意味でも、ビジネス文書の送付に適した形式です。
次に、作成したファイルの名称にも配慮しましょう。採用担当者は日々多くの応募書類を受け取ります。ファイル名が「名称未設定」や「履歴書」だけでは、誰の書類か分からず、管理の手間をかけさせてしまいます。「履歴書(薬剤師太郎)_20251011.pdf」のように、【書類名(氏名)_提出年月日】といった情報をファイル名に含めることで、分かりやすく親切な印象を与えることができます。
Eメールで提出する場合の具体的なマナー
Eメールで履歴書を送る際は、件名、本文、添付ファイルのそれぞれに注意が必要です。件名は、「【薬剤師太郎】〇〇職応募の件(履歴書・職務経歴書送付)」のように、誰が何の目的で送ったメールなのかが一目で分かるように簡潔に記載します。
本文には、宛名(企業名・部署名・担当者名)、簡単な挨拶と自己紹介、どの求人に応募するのか、そして何を添付したのかを明記します。長文は避け、要点を簡潔にまとめることが大切です。
個人情報を含むファイルを添付するため、セキュリティ意識の高さを示すためにパスワードを設定すると、より丁寧な印象になります。その際は、履歴書を添付したメールとは別のメールでパスワードを通知するのが、情報漏洩リスクを低減させるためのビジネスマナーです。
企業の応募フォームから提出する場合
企業の採用サイトに設けられた専用の応募フォームから提出を求められるケースも多くあります。その場合は、サイト上の指示に丁寧に従って操作を進めましょう。特に、「ファイル形式はPDFのみ」「ファイルサイズは5MB以内」といった指定がされていることが多いため、あらかじめ募集要項をよく確認し、条件に合ったデータを用意しておくことが重要です。全ての項目を入力し、ファイルをアップロードした後も、最後の「応募を完了する」といったボタンを押すまで気を抜かず、応募が正常に完了したことを必ず確認してください。
送信する前の最終チェックを忘れずに
ネット提出は、一度送信ボタンを押してしまうと取り消しができません。メールを送る前、あるいはフォームの完了ボタンを押す前に、必ず全体を見直す習慣をつけましょう。宛名に間違いはないか、誤字脱字はないか、指定されたファイルは正しく添付されているかなど、一つひとつを指差し確認するくらいの慎重さが、思わぬミスを防ぎます。また、メールを送る時間帯は、企業の就業時間内である平日の午前9時から午後5時頃までを目安にするのが、相手への配慮として望ましいでしょう。