薬剤師の転職、履歴書とレジュメの違いとは?役割と書き分けのポイント
薬剤師の転職活動を進める中で、「履歴書」に加えて「レジュメ」の提出を求められることがあります。特に外資系の製薬企業などでは一般的ですが、この二つの書類の違いを正確に理解し、それぞれの役割に応じて書き分けることが、選考を有利に進めるための重要な鍵となります。「履歴書と同じもので良いのだろうか」「レジュメには何を書けば良いのか」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。この記事では、履歴書とレジュメの根本的な違いと、それぞれの作成ポイントについて詳しく解説します。
履歴書が持つ「公的な証明書」としての役割
まず、履歴書は、あなたの氏名や生年月日、学歴、職歴、そして薬剤師免許といった資格など、客観的な事実を証明するための「公的な書類」です。採用担当者は履歴書を通して、応募者が募集要件を満たしているか、どのような経歴を歩んできた人物なのかを正確に把握します。いわば、あなたのプロフィールを証明する「身分証明書」のような役割を担っており、フォーマットもある程度定型化されています。そのため、記載する内容は何よりも「正確性」が最優先されます。
レジュメが持つ「自己PR資料」としての役割
一方、レジュメは、ご自身の職務経験やスキル、実績を自由にアピールし、「自分がいかにそのポジションに適した人材であるか」を売り込むための「自己PR資料」です。特に決まったフォーマットはなく、アピールしたい内容を強調できるように、応募者自身が構成を工夫するのが一般的です。採用担当者が短時間であなたの能力や経験を把握できるよう、要点を簡潔に、かつ具体的にまとめる能力が問われます。日本の転職活動においては、一般的に「職務経歴書」がこのレジュメの役割に近いものとされています。
記載すべき内容と書き分けのポイント
それぞれの目的が異なるため、記載すべき内容もおのずと変わってきます。履歴書では、すべての項目において正確さが最優先されます。学歴や職歴の年月を間違えたり、資格の正式名称を略して書いたりすることがないよう、細心の注意を払って事実を記載します。
それに対してレジュメ(職務経歴書)では、これまでの職歴をただ羅列するのではなく、応募先のポジションで求められているスキルや経験に焦点を当てて、ご自身の強みを具体的に記述する必要があります。例えば、「〇〇薬局にて管理薬剤師として、後輩薬剤師2名の育成を担当し、チームの服薬指導レベル向上に貢献した」や、「△△病院のDI業務において、医薬品情報を収集・分析し、院内向けに月1回のDIニュースを発行した」など、具体的な行動と成果を示すことが重要です。
薬剤師の転職ではどちらを重視すべきか
日本の多くの薬局や病院、企業における薬剤師の中途採用では、まず「履歴書」と「職務経歴書」の提出を求められるのが一般的です。この場合、履歴書で基本的なプロフィールと経歴の概要を示し、職務経歴書(レジュメ)で、これまでの実務経験や専門スキルを詳細にアピールするという役割分担になります。特に、即戦力が求められる中途採用においては、あなたの具体的な実績や貢献できることを示す職務経歴書(レジュメ)の内容が、書類選考の合否を大きく左右すると言えるでしょう。履歴書は正確に、そして職務経歴書(レジュメ)は戦略的に作成することを心がけましょう。