薬剤師の職務経歴書、適切な枚数は?経験を伝えるまとめ方
薬剤師の皆様が転職活動を行う際、ご自身のスキルや経験を詳細にアピールするための職務経歴書は、履歴書と並んで非常に重要な書類です。キャリアを重ねてきた方ほど、これまでの実績や経験をまとめると、A4用紙1枚では収まりきらないことも少なくありません。その際に、「職務経歴書は何枚にまとめるのがベストなのだろうか」「枚数が多いと、かえってマイナスの印象になるのではないか」と、その適切なボリュームについて悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。この記事では、経験豊富な薬剤師の皆様が、ご自身のキャリアを効果的に伝えるための、職務経歴書の適切な枚数とまとめ方のポイントについて詳しく解説します。
職務経歴書の枚数はA4用紙1枚から2枚が基本
まず、一般的なビジネスマナーとして、職務経歴書はA4用紙で作成し、枚数は1枚から2枚にまとめるのが基本とされています。採用担当者は日々多くの応募書類に目を通しているため、長すぎる書類は敬遠される傾向にあります。要点が簡潔にまとめられており、短時間であなたのキャリアの概要と強みを把握できることが、読みやすい職務経歴書の絶対条件です。
1枚にまとめるのが望ましいケース
薬剤師としての社会人経験がまだ浅い方や、初めての転職で、これまでの勤務先が一社のみといった場合は、A4用紙1枚にまとめるのが望ましいでしょう。限られたスペースの中で、ご自身の経験やスキルを要領よくアピールすることで、簡潔に物事を伝える能力の高さを示すことができます。ただし、1枚に収めることを意識するあまり、伝えるべき重要な経験や実績を省略してしまわないように注意が必要です。
経験豊富な薬剤師は2枚でも全く問題ない
キャリアが5年以上あり、複数の薬局や病院での勤務経験がある方や、管理薬剤師などの役職経験、あるいは在宅医療や特定領域での専門的な経験を持つ方であれば、職務経歴書がA4用紙2枚になることは全く問題ありません。むしろ、豊富な実務経験を持つ薬剤師の方であれば、その内容を分かりやすく、かつ具体的に記述するためには、2枚程度になるのが自然です。
伝えたい情報を無理やり1枚に詰め込むために、文字のサイズを極端に小さくしたり、余白のないレイアウトにしたりする方が、かえって読みにくく、採用担当者に配慮が足りないという印象を与えてしまう可能性があります。大切なのは枚数そのものよりも、あなたのキャリアが分かりやすく整理され、強みが明確に伝わることです。
3枚以上になる場合は内容を精査する
職歴が非常に長い方や、多くの実績を持つ方であっても、職務経歴書が3枚以上になるのは、情報過多と見なされる可能性が高いため、原則として避けるべきです。もし3枚以上になってしまう場合は、記載内容を見直し、応募先の業務内容との関連性が低い経験は簡潔にまとめるなど、情報の優先順位をつける作業が必要となります。
応募するポジションで求められているスキルや経験は何かを改めて考え、それに合致するご自身の経歴を重点的にアピールするように内容を再構成しましょう。すべての経験を平等に詳しく書くのではなく、アピールしたいポイントに強弱をつけることが、読みやすく、かつ説得力のある職務経歴書を作成する上での鍵となります。
枚数以上に重要なのは「職務要約」の質
職務経歴書が1枚であれ2枚であれ、採用担当者が最初に目を通し、その後の内容を読み進めるかどうかを判断する最も重要な項目が、冒頭に記載する「職務要約」です。ご自身のキャリアのハイライトや、応募先で最も活かせると考えるスキルを、ここで200字から300字程度で簡潔にアピールすることが、書類選考を突破するための最大のポイントです。枚数にこだわる前に、まずはこの職務要約の質を高めることに、最も多くの時間を費やすことをお勧めします。