薬剤師の転職、職務経歴書に書くべき具体的な内容とは
薬剤師の皆様が転職活動を行う際、履歴書とあわせて提出を求められる「職務経歴書」。履歴書がご自身のプロフィールを証明する公的な書類であるのに対し、職務経歴書は、これまでのキャリアで培ってきたスキルや経験、そして実績を具体的にアピールするための、いわば「プレゼンテーション資料」です。採用担当者はこの書類から、あなたが即戦力として自社で活躍できる人材かどうかを判断します。この記事では、あなたの価値を最大限に伝え、転職を成功に導くための、職務経歴書に書くべき具体的な内容について詳しく解説します。
まずは基本の構成を理解する
職務経歴書に決まった形式はありませんが、採用担当者にとって読みやすく、あなたのキャリアが伝わりやすい構成で作成することが重要です。一般的には、まず冒頭にキャリア全体の概要を伝える「職務要約」を記載します。次に、具体的な業務内容を記す「職務経歴」。そして、これまでの経験から得た強みをまとめる「活かせる経験・知識・スキル」。最後に、仕事への熱意や将来のビジョンを伝える「自己PR」で締めくくります。この基本構成を意識することで、情報が整理され、論理的な書類を作成することができます。
職務経歴欄で差がつく具体的な内容
職務経歴のセクションでは、単に「調剤、服薬指導」と書くだけでなく、あなたがどのような環境で、どのような役割を果たしてきたのかを具体的に示すことが、他の応募者との差別化に繋がります。まず、勤務していた薬局や病院の基本的な情報(応需処方箋枚数、主な診療科、病床数など)を客観的な数字で示しましょう。これにより、採用担当者はあなたの経験の規模感を具体的にイメージできます。
次に、担当した業務内容を箇条書きなどで分かりやすく記載します。「在宅医療における訪問服薬指導」「抗がん剤の混合調製業務」「後輩薬剤師のOJT指導」「医薬品の在庫管理および発注業務」といったように、基本的な業務に加えて、ご自身が担ってきた役割やプラスアルファの経験を具体的に示します。さらに、「業務フローの見直しを提案し、患者様の待ち時間を平均で5分短縮した」「在庫管理システムを導入し、不動在庫を前年比で10%削減した」など、あなたの主体的な行動によってもたらされた成果を具体的に記述することで、あなたの課題解決能力や貢献意欲を強くアピールすることができます。
活かせる経験・知識・スキル欄の具体的な内容
この項目では、これまでの経験から得たスキルを、応募先の求人内容に合わせて整理し、あなたが即戦力として貢献できることを具体的にアピールします。スキルは、「専門知識」「業務スキル」「PCスキル」などに分類すると、より分かりやすくなります。
「専門知識」としては、がんや糖尿病、精神科といった特定の診療科領域に関する深い知識や、関連する認定資格などが挙げられます。「業務スキル」としては、管理薬剤師としてのマネジメント経験や、DI業務、多職種連携の経験などを具体的に記載します。「PCスキル」としては、使用経験のある電子薬歴のメーカー名や、Word、Excelといった基本的なオフィスソフトのスキルレベルを記載すると、あなたの対応能力が伝わります。
自己PRで伝えるべき具体的な内容
自己PR欄は、職務経歴だけでは伝えきれない、あなたの仕事に対する姿勢や熱意、そして将来性を伝えるためのスペースです。職務経歴で示した実績の背景にある、あなた自身の考えや行動原理を具体的に記述しましょう。「なぜその行動をとったのか」「その経験から何を学んだのか」をあなた自身の言葉で語ることで、人物像に深みが出ます。そして、その強みを活かして、入社後にどのように貢献していきたいのかという、未来に向けたビジョンで締めくくります。なぜこの応募先でなければならないのかという、志望動機と繋がる内容にすることで、あなたのアピールはより一貫性と説得力を持つものになります。