薬剤師転職：「給与交渉」後の内定。「断り方」で気をつけたいマナー

薬剤師として転職活動を行い、無事に内定を獲得できたとしても、最終的な条件、特に「給与」に関するすり合わせがうまくいかず、「給与交渉」の結果、残念ながらその内定を辞退する（断る）という決断に至るケースも考えられます。ご自身のキャリアにとって重要な選択ですが、その際の「断り方」には、社会人としてのマナーと配慮が求められます。

なぜ内定辞退の「断り方」が重要なのか

内定を辞退するという決断は、応募者にとっても企業側（病院・薬局側）にとっても、残念な結果です。企業側は、多くの時間とコストをかけて選考を行い、あなたを採用したいと判断してくれたわけですから、その期待に応えられないことに対する誠意ある対応が不可欠です。丁寧な「断り方」を心がけることは、たとえ今回はご縁がなかったとしても、将来的に別の形で関わる可能性のある企業や担当者との良好な関係を保つため、ひいては狭い薬剤師業界の中でのご自身の評判を守るためにも、非常に重要な意味を持ちます。

「給与交渉」の結果、内定を断るという判断

「給与交渉」の結果、提示された条件がご自身の希望や、ご自身の市場価値に見合わないと感じることはあり得ます。その場合、給与以外の条件（業務内容、勤務地、スキルアップ環境、福利厚生など）も総合的に考慮した上で、それでもなお給与条件が譲れない、納得できないという結論に至るのであれば、内定を辞退するという判断もやむを得ません。大切なのは、その決断に至った理由を整理し、それを相手に失礼なく伝えることです。

内定辞退（断り方）の基本的なマナー

内定を辞退する際の「断り方」には、いくつかの基本的なマナーがあります。

タイミング：できるだけ早く連絡する

まず最も重要なのは、辞退を決意したら「できるだけ早く」連絡することです。企業側は、あなたが入社することを前提に、他の候補者への連絡を保留したり、受け入れ準備を進めたりしています。連絡が遅れれば遅れるほど、企業側にかける迷惑は大きくなります。遅くとも、企業から指定された入社承諾の回答期限までには、必ず連絡を入れるようにしましょう。

連絡方法：まずは電話で直接伝える

連絡方法としては、「電話で直接伝える」のが最も丁寧で誠意が伝わる方法です。メールでの連絡は、担当者が不在の場合や、電話で伝えた内容の補足として送るのが良いでしょう。メールだけで済ませてしまうのは、相手によっては不誠実な印象を与えかねません。

伝えるべき内容：感謝とお詫び、そして理由

電話で伝える際は、まず内定をいただいたことへの「感謝」を述べます。その上で、「大変申し上げにくいのですが、今回の内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました」と、辞退の意思を明確に伝えます。理由については、「給与条件が、自身の希望と合わなかったため」と正直に伝えて構いませんが、その際に企業側を一方的に非難するような言い方は避けるべきです。「貴社（貴院）の規定も理解しておりますが、自身の希望とは残念ながら乖離がございました」といった形で、相手の事情も慮る表現を心がけましょう。最後に、選考に時間を割いてもらったことへのお詫びの言葉を添えるのがマナーです。

転職エージェント経由の場合の「断り方」

もし、転職エージェントを介して応募していた場合は、ご自身で直接企業に連絡する必要はありません。担当のコンサルタントに、内定を辞退する意思とその理由（給与条件が合わなかったことなど）を伝えてください。エージェントが、あなたに代わって企業への連絡と説明を適切に行ってくれます。これも、エージェントを利用する大きなメリットの一つです。

誠意ある「断り方」が、次のご縁につながる

「給与交渉」がうまくいかなかったとしても、感情的にならず、最後まで誠意を持って対応することが、社会人としての信頼を保つ上で非常に重要です。丁寧な「断り方」を心がけることで、たとえ今回は残念な結果に終わったとしても、将来的にまた別の良いご縁につながる可能性を残すことができるかもしれません。

条件交渉や辞退の連絡に不安がある方へ

「給与交渉」そのものや、万が一、内定を辞退する場合の「断り方」に不安を感じる方は、転職エージェントのサポートを活用することも有効な手段です。エージェントは、条件交渉の代行だけでなく、こうしたデリケートなコミュニケーションにおいても、皆様の立場に立って円滑なやり取りをサポートします。納得のいく転職活動のために、専門家への相談を検討してみてはいかがでしょうか。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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