薬剤師の転職面接：「貴社」と「御社」の正しい使い分けマナー

面接における応募先の呼び方

薬剤師の転職活動における面接は、ご自身の経験やスキルを伝える場であると同時に、社会人としての基本的なマナーが評価される場でもあります。特に、応募先をどのように呼ぶかという言葉遣いは、面接官が注目するポイントの一つです。一般的に「御社（おんしゃ）」や「貴社（きしゃ）」といった敬称が使われますが、これらの正しい使い分けや、薬剤師の転職先特有の呼び方について、不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「貴社」と「御社」の基本的な違い

まず、ビジネスマナーの基本として、「貴社」と「御社」は使われる場面によって明確に区別されています。

「貴社（きしゃ）」は、履歴書や職務経歴書、メールや手紙といった「書き言葉」で使用する敬称です。文章の中で相手の会社を敬う際に用います。

一方、「御社（おんしゃ）」は、面接や電話といった「話し言葉（口語）」で使用する敬称です。面接官と直接対話する場面では、「御社」を使うのが正しいマナーとなります。

なぜ面接で「貴社」は避けるべきか

面接という話し言葉の場で「貴社」を使ってしまうと、面接官によっては「書き言葉と話し言葉の区別がついていない」「ビジネスマナーの基本を知らない」という印象を与えてしまう可能性があります。「きしゃ」という音は、「記者」や「汽車」など他の言葉も連想させ、聞き取りにくい場合があるため、話し言葉では「御社」が定着したとも言われています。

薬剤師の転職先別：正しい呼び方

薬剤師の転職先は、一般企業（製薬会社、ドラッグストア運営会社など）だけではありません。応募先が病院や薬局、医療法人の場合、呼び方にはさらに注意が必要です。

応募先が病院・クリニックの場合

応募先が病院やクリニックといった医療機関の場合、「御社」や「貴社」は使用しません。面接などの話し言葉では「御院（おんいん）」と呼ぶのが適切なマナーです。同様に、書き言葉（履歴書など）では「貴院（きいん）」となります。

応募先が薬局や法人の場合

調剤薬局の場合、その運営母体によって対応が分かれます。もし運営母体が株式会社（多くのチェーン薬局など）であれば、一般企業と同様に、面接では「御社」と呼んで問題ありません。

応募先が「医療法人」や「社会福祉法人」などの場合は、面接では「御法人（おんほうじん）」と呼ぶのがより丁寧です。もし呼び方に迷った場合は、「こちらの薬局（施設）では」といった具体的な表現を用いても失礼にはあたりません。

面接マナーの不安は専門家にご相談を

このように、応募先の形態によって適切な敬称は異なります。面接では緊張のあまり、うっかり「貴社」と言ってしまうこともあるかもしれませんが、事前に正しいマナーを理解しておくことで、自信を持って臨むことができます。

もし、こうした細かな面接マナーや、応募先ごとの適切な対応について不安を感じるようであれば、転職の専門家である転職エージェントにご相談いただくのも一つの有効な手段です。転職エージェントでは、求人のご紹介だけでなく、薬剤師の転職市場に精通したコンサルタントが、応募先に合わせた面接対策やマナーについても丁寧にアドバイスを行います。万全の準備で転職活動を成功させるために、ぜひ一度ご登録をご検討ください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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