薬剤師の転職面接：合否を分ける基本マナーの「まとめ」

なぜ薬剤師の面接でマナーが重要なのか

薬剤師の転職活動において、面接はご自身の専門知識やこれまでの経験をアピールする重要な場面です。しかし、採用担当者はスキルと同時に、応募者の人柄や社会人としての基本的なマナーにも厳しく注目しています。特に薬剤師は、日々、患者様やそのご家族、医師や看護師といった多くの人と接し、「信頼感」や「安心感」を与えることが求められる職業です。そのため、面接での立ち居振る舞いや言葉遣いといった基本的なマナーが、採用の可否を分ける重要な判断材料となるのです。

面接準備（前日まで）のマナー

面接マナーは、当日の服装選びから始まっています。基本は、清潔感のあるビジネススーツです。色は黒や紺などが無難でしょう。シャツやブラウスは白を選び、しわや汚れがないか事前に確認します。靴も汚れを落として磨いておきましょう。また、応募先の薬局や病院、企業の理念や特徴を事前にしっかりと研究し、ご自身の経験とどう結びつけられるかを整理しておくことも、熱意を示す上で不可欠なマナーです。

当日のマナー①：訪問・受付

面接当日は、時間を厳守することが社会人としての最低限のマナーです。約束の時間の10分前から5分前には受付に到着するのが理想的です。コートなどの上着は、建物に入る前に脱ぎ、きれいに畳んで腕にかけておきます。受付では、ご自身の氏名と訪問の目的（面接の約束時間）を、「〇〇と申します。本日〇時より、薬剤師の面接のお約束をいただいております」と、明るくはっきりとした声で伝えましょう。

当日のマナー②：控室での待機

受付を済ませ、控室（待合室）に案内された場合、その待機時間もすでにご自身の態度が見られていると意識することが大切です。待っている間、スマートフォンを操作したり、足を組んでリラックスしすぎたりする行為は避けましょう。背筋を伸ばして正しい姿勢で座り、持参した応募書類のコピーに静かに目を通すか、静かに待機するのがマナーです。

当日のマナー③：入室

名前を呼ばれ、面接室に入室する際は、第一印象を決める重要な場面です。まず、ドアを軽く3回ノックします。中から「どうぞ」と返事があったら、「失礼いたします」と一言述べて入室します。ドアは、面接官に背中を向けないよう少し斜めの体勢で、静かに閉めましょう。その後、椅子の横まで進み、面接官の方に向き直り、「〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします」と挨拶し、丁寧にお辞儀（敬礼）をします。

当日のマナー④：着席と面接中

挨拶が終わった後も、すぐに椅子に座ってはいけません。必ず、面接官から「お掛けください」と促されるのを待つのが社会人としての基本的なマナーです。着席を勧められたら、「失礼いたします」と再度一礼し、カバンを椅子の横の床に置いてから着席します。面接中は、背もたれに寄りかかることなく、背筋を伸ばして正しい姿勢を保ちます。面接官の目を見て、はっきりとした聞き取りやすい声で、正しい敬語（応募先が企業なら「御社」、病院なら「御院」など）を使いましょう。

当日のマナー⑤：退室

面接の終わり方も、ご自身の印象を決定づける重要な場面です。面接官から終了の合図があったら、まずは座ったまま「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」とお礼を述べ、一礼します。その後、立ち上がって椅子の横に移動し、改めて「失礼いたします」と述べ、最も丁寧なお辞儀（最敬礼）をします。ドアまで進み、退室する直前に再度面適官の方へ向き直り、軽く会釈をしてから静かにドアを閉めます。建物を出るまで気を抜かないよう心がけましょう。

面接マナーの「まとめ」と不安の解消法

ここまで、面接における基本的なマナーを、当日の流れに沿ってまとめて解説しました。このように、面接では準備段階から退室後の建物を出るまで、一連の流れのすべてが評価の対象となります。細かなマナーが多く、久しぶりの転職活動などで、ご自身の立ち居振る舞いが正しいか不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。そのような時は、転職の専門家である転職エージェントにご相談いただくのも一つの有効な手段です。転職エージェントでは、求人の紹介だけでなく、模擬面接などを通じて、こうした面接マナー全般を客観的にチェックし、的確なアドバイスを受けることが可能です。万全の準備で自信を持って面接に臨むために、ぜひ一度ご登録をご検討ください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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