薬剤師の面接：自己紹介での「参りました」は正しい？言葉遣いのマナー

なぜ薬剤師の面接で言葉遣いが重要なのか

薬剤師の転職活動における面接は、ご自身の専門知識やこれまでの経験をアピールする重要な場面です。しかし、採用担当者はスキルと同時に、応募者の人柄や社会人としての基本的なマナー、特に「言葉遣い」にも厳しく注目しています。特に薬剤師は、日々、患者様やそのご家族、医師や看護師といった多くの人と接し、正確な情報を伝え、信頼関係を築くことが求められる職業です。そのため、面接での丁寧で適切な言葉遣いは、相手への敬意や誠実さを示すだけでなく、薬剤師としてのコミュニケーション能力を示すものとして、採用の可否を分ける重要な判断材料となるのです。

自己紹介で「参りました」は使うべきか？

面接の自己紹介や、その前後の挨拶の中で、「〇〇から参りました」といった表現を使うべきか迷う方もいらっしゃるかもしれません。「参る」は、「行く」「来る」の謙譲語であり、自分や身内の動作をへりくだって相手への敬意を示す言葉です。ビジネスシーンで使われること自体は間違いではありません。

しかし、面接の自己紹介という場面においては、必ずしも「参りました」を使う必要はありません。むしろ、状況によっては少し堅苦しく聞こえたり、他の表現の方がより自然だったりする場合もあります。大切なのは、言葉の形式にとらわれすぎず、相手への敬意が伝わる丁寧な言葉遣いを心がけることです。

自己紹介でのより自然で適切な表現：「伺いました」など

「参りました」の代わりに、より一般的で自然な表現を使うことも可能です。例えば、面接室に入室し、最初の挨拶をする際に、ご自身の氏名を名乗った上で、「本日は面接の機会をいただき、ありがとうございます」と感謝の言葉を述べるだけでも、十分に敬意は伝わります。

もし、どこから来たかを伝える文脈であれば、「〇〇（地名など）から伺いました」という表現も使うことができます。「伺う」も「行く」「来る」「聞く」「尋ねる」などの謙譲語であり、丁寧な表現です。

自己紹介全体の流れと言葉遣いのポイント

自己紹介は、多くの場合、面接室に入室し、挨拶をして着席した直後に促されます。その際の言葉遣いは、終始「です」「ます」調の丁寧語を基本とし、適切な場面で尊敬語や謙譲語を使い分けることが理想です。

例えば、自己紹介の冒頭では、「〇〇と申します」（「言う」の謙譲語）と名乗り、職務経歴については「〇〇薬局にて〇年間、薬剤師として勤務してまいりました」のように話します。面接官の話を聞く際は「拝聴します」（「聞く」の謙譲語）、相手の会社や病院については「御社」「御院」といった敬称を用います。

言葉遣いへの不安を解消するために

このように、面接では状況に応じた適切な言葉遣いが求められます。「参りました」を使うべきかどうかに限らず、正しい敬語の使い方や、丁寧な話し方に自信がないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。特に久しぶりの面接では、緊張から普段通りの言葉遣いが難しくなることもあります。

もし、こうした面接での言葉遣いや、自己紹介、その他の面接マナー全般に少しでも不安を感じるようであれば、転職の専門家である転職エージェントにご相談いただくのも一つの有効な手段です。転職エージェントでは、薬剤師の転職市場に精通したコンサルタントが、模擬面接などを通じて、あなたの言葉遣いや立ち居振る舞いを客観的にチェックし、改善点を具体的にアドバイスします。応募先に合わせた適切な言葉遣いも含め、万全の準備で面接に臨むために、ぜひ一度ご登録をご検討ください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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