面接会場が「スライドドア」だった時。薬剤師の「丁寧さ」が伝わる入退室マナー
薬剤師の転職活動において、面接会場が大手企業のオフィスビルとは限りません。特に、調剤薬局やクリニック、小規模な病院などが面接場所の場合、一般的な「開き戸(押す・引くドア)」ではなく、「スライドドア(引き戸)」に直面するケースも少なくありません。
いざスライドドアを前にした時、「ノックはどうすればいいのか?」「開ける時や閉める時の音は大丈夫か?」「どう振る舞えばスマートか?」と、一瞬戸惑ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
スライドドアは、開き戸以上に「音」や「所作」が目立ちやすく、皆様の「丁寧さ」や「落ち着き」が如実に表れてしまう場面でもあります。この記事では、スライドドア特有の、正しい入退室マナーについて詳しく解説いたします。
「スライドドア」でも、ノックは必要か?
結論から申し上げますと、スライドドアであっても、入室前のノックは必要です。基本的な作法は、開き戸と変わりません。
「コン、コン、コン」と3回、強すぎず、しかし室内に聞こえる程度の音量でノックします。もし、ドアの材質がガラス張りなどでノックする場所に迷った場合は、ドアの「枠(木の部分)」などを選んでノックするとよいでしょう。
【入室編】「音」を立てない、スライドドアのスマートな開け方
ノックをした後、室内から「どうぞ」という声が聞こえたら、入室の動作に移ります。
1. 挨拶と、開ける動作
まずは「失礼いたします」と室内に聞こえる声で述べ、軽く一礼(会釈)します。
次に、スライドドアの取っ手(引き手)に手をかけ、開け始めます。
2. 開け方と閉め方(最重要)
ここが最大のポイントです。スライドドアは、勢いよく開けると「ガラガラ!」と大きな音が出たり、壁に「ドン!」とぶつかったりしがちです。
- 開け方:一度に全開にしようとせず、ご自身が通れる分だけ(3分の1程度)、静かに、ゆっくりと開けます。
- 入室:開けたスペースから、面接官の方を向き、お辞儀をした体の向きのまま、静かに入室します。
- 閉め方:入室したら、**面接官に完全に背中を向けず、ドアの方に「斜め」に向き直ります。**そして、取っ手(引き手)に手を添え、「ガラガラ!」と音が立たないよう、**最後までゆっくりと丁寧に閉めます。**いわゆる「後ろ手」で閉めるのは厳禁です。両手を使うと、より丁寧な印象になります。
【退室編】最後の印象を決める、スライドドアの閉め方
面接が無事に終了し、退室する際も、スライドドアの扱いで気を抜いてはいけません。
1. 挨拶と、ドアを開ける動作
椅子の横で立ち上がってのお礼、ドアの前まで進んで「失礼いたします」と最後の一礼をするまでは、開き戸の場合と同じです。
2. 開け方と閉め方(最重要)
- 開け方:取っ手(引き手)に手をかけ、ご自身が通れる分だけ、入室時と同様に静かに開けます。
- 退室:室外に出ます。
- 閉め方:室外に出た後、面接官に完全に背中を向けず、部屋の中にいる面接官の方に軽く会釈(えしゃく)をするくらいの気持ちで、ドアの方に向き直ります。そして、入室時以上に、音が立たないよう最後までゆっくりと丁寧にドアを閉めます。
なぜスライドドアの開閉で「丁寧さ」が問われるのか
スライドドアは、開き戸に比べて、どうしてもレールの音や、戸当たり(戸が壁や枠に当たる)の音が響きやすい構造になっています。
雑に扱うと「ガラガラ!」「ピシャ!」という大きな音や振動が、面接という緊張感のある空間に響き渡り、面接官に「雑な人」「落ち着きがない」「周囲への配慮が足りない」という強いマイナス印象を与えてしまいます。
薬剤師という職業は、調剤室での静かで集中力を要する作業や、患者様のプライバシーへの配
慮、他職種との円滑な連携など、常に「丁寧さ」と「周囲への配慮」が求められる仕事です。スライドドアの開閉という、ほんの数秒の所作の中にも、皆様のそうした薬剤師としての基本的な資質が表れる、と面接官は見ているのです。
転職エージェントが「細かな不安」もサポートします
「今度の面接場所、ドアはスライドドアだろうか…」
「模擬面接で、スライドドアを想定した動きもチェックしてほしい」
こうした、当日の会場の状況や、ご自身の細かな所作に関する不安は、一人で抱えていても解消が難しいものです。
私たち転職エージェントは、皆様の面接対策をサポートする際、応募先の雰囲気や過去の選考情報を基にしたアドバイスも可能です。また、「模擬面接」では、皆様の受け答えの内容はもちろんのこと、こうした「入退室」の細かな所作(スライドドアを想定した動き)まで、面接官の視点で客観的に確認し、アドバイスをさせていただくことができます。
どのような状況でも自信を持って「丁寧な」振る舞いができるよう、面接に関するどんな些細な不安も、どうぞお気軽に私達にご相談ください。







