面接の印象を格上げする「礼(お辞儀)」のタイミング。薬剤師の入退室マナー
薬剤師の転職活動において、面接はご自身の経験や熱意を伝える最も重要な場面です。多くの方が「何を話すか」という問答の準備に集中されますが、実は面接官は、皆様が面接室に入室する瞬間から、退室してドアを閉める最後の瞬間まで、その一連の所作、特に**「礼(お辞儀)」**のタイミングと美しさに注目しています。
どれほど素晴らしい経歴をお持ちでも、入退室のマナーが乱雑であったり、お辞儀が不適切なタイミングであったりすると、「落ち着きがない」「相手への配慮が不足している」といった、意図しないマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。薬剤師として求められる「丁寧さ」や「誠実さ」は、まさにこうした細かな「礼」の作法に表れるのです。
この記事では、面接本番で慌てず、ご自身の「信頼感」をしっかりと伝えるための、正しい「入退室」と「礼(お辞儀)」のマナーについて、具体的な流れに沿って詳しく解説いたします。
【入室編】入室時のお辞儀、3つのタイミング
面接の第一印象は、皆様が面接室に入室する最初の数十秒で決まります。お辞儀は、適切なタイミングで丁寧に行うことが重要です。
1. ドアを開けて入室する時の「会釈」
まず、ドアを3回ノックし、室内から「どうぞ」という声が聞こえたら、ドアを開けます。この時、「失礼いたします」と室内に聞こえる声で述べ、軽く一礼(会釈・15度程度)してから入室します。
2. 椅子の横での、最も丁寧な「お辞儀」
ドアを静かに閉めたら、用意された椅子の横(ドアに近い側)まで進みます。ここで初めて面接官にまっすぐ向き直り、ご自身の氏名をハキリと名乗ります。
「(ご自身の氏名)と申します。本日は、面接のお時間をいただき、誠にありがとうございます。よろしくお願いいたします」
この挨拶が、その日の「第一声」となります。挨拶を言い終えたら、背筋を伸ばしたまま、最も丁寧なお辞儀(敬礼・30度~45度)を、心を込めて行います。
3. 着席を促された時の「会釈」
面接官から「どうぞ、おかけください」と着席を促されてから、ご自身の判断で先に座ってはいけません。声をかけられたら、「失礼いたします」と再び軽く一礼(会釈)し、着席します。
【退室編】最後の印象を決める、退室時の「お辞儀」
面接がどれほど上手くいったと感じても、最後の「退室」マナーで気を抜いてはいけません。感謝の気持ちを込めて、最後まで丁寧な所作を心がけましょう。
1. 面接終了時、座ったままの「お辞儀」
面接官から「本日はこれで終了です」といった言葉があったら、まずは座ったままの姿勢で、「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました」と、感謝の気持ちを伝えます。この時も、言葉を述べた後に軽く一礼(会釈)します。
2. 立ち上がって、椅子の横での「お辞儀」
荷物をまとめ、立ち上がります。そして、入室時と同様に、再び椅子の横に立ち、面接官の方をしっかりと見て、改めて感謝の言葉を述べます。
「本日は、誠にありがとうございました。よろしくお願いいたします」
言葉を言い終えたら、入室時と同様に、最も丁寧なお辞儀(敬礼)を深く行います。
3. ドアの前で、最後の「会釈」
ドアの前まで進み、退室する直前に、もう一度、必ず面接官の方に向き直ります。「失礼いたします」と述べ、丁寧に最後の一礼(会釈)をしてから、静かにドアを開けて退室します。
お辞儀を美しく見せる「語先後礼(ごせんごれい)」
お辞儀をより丁寧に、落ち着いた印象にするための重要なポイントが「語先後礼(ごせんごれい)」です。これは、「言葉」と「礼(お辞儀)」の動作を分けるマナーです。
「よろしくお願いいたします」といった挨拶の言葉を、まず相手の目を見て言い切ります。そして、一呼吸置いてから、背筋を伸ばしたまま頭を下げ、元に戻します。
言葉と頭を下げる動作を同時に行う「同時礼」は、慌ただしく、雑な印象を与えてしまいがちです。
薬剤師として求められる「落ち着き」と「丁寧さ」を示すためにも、ぜひこの「語先後礼」を意識してみてください。
転職エージェントが「お辞儀」のマナーもサポートします
頭では分かっていても、面接本番の緊張した状態では、こうした一連の流れをスムーズに行うのは難しいものです。ご自身の「お辞儀」が、相手にどう映っているかを客観的に知る機会も、なかなかないことでしょう。
私たち転職エージェントは、皆様の薬剤師としてのキャリアプランに最適な求人をご紹介するだけでなく、面接本番で皆様の魅力が最大限に伝わるよう、総合的なサポートを行っております。
「模擬面接」の場では、皆様の受け答えの内容はもちろんのこと、こうした「入退室のマナー」や「礼(お辞儀)」のタイミングや角度、「語先後礼」が正しくできているかといった細かな所作まで、客観的な視点で確認し、アドバイスをさせていただくことが可能です。
ご自身のマナーに自信が持てれば、面接本番でも余計な緊張をすることなく、本来の力を存分に発揮することができます。面接に関するどんな些細な不安も、どうぞお気軽に私達にご相談ください。







