面接会場に「ドアなし」? パーテーションやオープンスペースでの入退室マナー
薬剤師の転職活動において、面接はご自身のキャリアを左右する重要な局面でございます。多くの方が、個室の会議室で行われる面接を想定し、「ドア」のノックやお辞儀のタイミングなど、一般的な入退室マナーを準備されていることでしょう。
しかし、面接会場は必ずしも「ドア」のある個室とは限りません。応募先が小規模な薬局やクリニックであったり、あるいは合同説明会や企業のオープンスペースであったりする場合、**「ドアなし」**の空間(パーテーションやカーテンでの仕切り、あるいはフロアの一角)で面接が行われるケースも少なくないのです。
いざ「ドアなし」の空間を前にした時、「ノックはどうすれば?」「いつ、何と言って入ればいいの?」と、一瞬戸惑ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、「ドアなし」という特殊な状況下での、正しい入退室マナーについて詳しく解説いたします。
「ドアなし」の場合、「ノック」はどうする?
まず、皆様が最も悩まれるのが「ノック」の有無でしょう。
結論から申し上げますと、叩くべき「ドア」そのものがないため、ノックは不要でございます。
しかし、ノックが不要だからといって、無言で入室してよいわけでは決してありません。ノックという「訪問を告げる合図」の代わりに、**「声による合図(挨拶)」**が、より一層重要になります。
【入室編】「ドアなし」面接の、スマートな入室方法
「ドアなし」の空間では、どこからが「入室」なのか、その区切りが曖昧になりがちです。だからこそ、皆様の「丁寧さ」と「配慮」が問われる場面となります。
1. 声をかける「位置」と「タイミング」
通常、担当者から「こちらでお待ちください」と案内されるか、あるいは「あちらのブースへどうぞ」と促されます。
ご自身で入室する場合は、そのパーテーションや仕切りの「入り口」の手前で、まず立ち止まります。
そして、中にいる面接官と視線が合うか、あるいは面接官がこちらに気づいたタイミングで、ハキリとした声で挨拶をします。
「失礼いたします」
2. お辞儀と入室
「失礼いたします」と述べたら、その場で面接官の目を見て、丁寧に一礼(会釈・15度程度)します。
面接官から「どうぞ」という返事や、手振りでの合図があったら、静かに入室します。
3. 椅子の横への移動と、着席までの流れ
入室後の流れは、通常の「ドア」がある面接と変わりません。
- 用意された椅子の横(通常は入り口に近い下座側)まで進みます。
- 椅子の横でまっすぐ立ち、面接官の目を見て、「(ご自身の氏名)と申します。本日は…」とハキリと挨拶し、深く一礼します。
- 面接官から「どうぞ、おかけください」と促されてから、「失礼いたします」と軽く一礼し、着席します。
【退室編】最後の印象を決める、「ドアなし」面接の退室方法
「ドア」がない空間での退室は、皆様の後ろ姿が、最後まで面接官に見送られているという意識を持つことが非常に重要です。
1. 面接終了の挨拶と起立
面接官から「本日はこれで終了です」といった言葉があったら、まずは座ったまま、「本日はお忙しい中、誠にありがとうございました」と、感謝の気持ちを伝えます。
その後、荷物をまとめ、立ち上がります。椅子の横に立ち、改めて「本日は、誠にありがとうございました」と述べ、深く一礼します。
2. 退室の「最後の挨拶」
入り口(パーテーションや仕切りの手前)まで進みます。
ここで、すぐに退出するのではなく、必ず、もう一度面接官の方にまっすぐ向き直ります。
そして、面接を締めくくる最後の挨拶として、
「失礼いたします」
とハキリと述べ、丁寧に最後の一礼(会釈)をしてから、静かに退出します。
ドアを閉める動作がない分、この「最後のお辞儀」が、皆様の感謝と丁寧さを示す、最後の重要な所作となります。
なぜ「ドアなし」の所作が薬剤師の評価につながるのか
「ドアなし」のオープンスペースでの面接は、周囲に他の社員の方々の気配があるなど、個室よりもかえって緊張感が高い場合がございます。
そのような状況下で、慌てずに、落ち着いて、上記のような丁寧な所作(声掛けやお辞儀)ができるかどうか。面接官は、その振る舞いの中に、皆様の「薬剤師としての資質」を見ております。
薬剤師の業務は、時に患者様やスタッフが行き交う慌ただしい空間(調剤室や病棟など)で、正確な判断と丁寧な対応を求められる場面も少なくありません。「ドアなし」の空間で見せる皆様の「落ち着き」と「配慮」は、そうした現場での適応力を示す、無言のアピールにもなるのです。
転職エージェントが「会場の様子」もお伝えします
「今度の面接場所は、個室だろうか、それともパーテーションだろうか」
こうした当日の会場の状況に関する細かな不安は、ご自身で応募先に確認しにくいものでございます。
私たち転職エージェントは、応募先の社風や、過去の面接が行われた「会場の様子」といった情報(「こちらの企業様は、オープンスペースでの面接が多いです」など)を把握しているケースも少なくございません。
「模擬面接」の場では、皆様の受け答えの内容はもちろんのこと、こうした「ドアなし」の状況を想定した入退室マナーまで、面接官の視点で客観的に確認し、アドバイスをさせていただくことが可能です。
どのような状況の面接でも自信を持って臨めるよう、面接に関するどんな些細な不安も、どうぞお気軽に私達にご相談ください。







