薬剤師の転職面接「質問集と解答例」。面接官の意図と回答のポイントを解説

薬剤師の皆様が転職活動で直面する、最大の難関の一つが「面接」でございます。面接対策として、事前に「よくある質問集」や、それに対する「解答例」を調べて準備される方も多いことでしょう。準備を万端にすることで、当日の緊張が和らぎ、ご自身の力を発揮しやすくなります。

しかし、最も大切なのは「解答例」をそのまま暗記することではなく、その質問の裏にある「面接官の意図」を理解し、ご自身の経験に基づいた「ご自身の言葉」で語ることでございます。

この記事では、薬剤師の転職面接で頻出する質問と、その解答のポイントについて、カテゴリーに分けて詳しく解説いたします。

経歴とスキルに関する質問（経験を確認する質問）

面接官がまず知りたいのは、皆様が「即戦力として、どのような経験を積んできたか」ということでございます。

ご自身のこれまでの職務経歴を教えていただけますか

面接官は、皆様の薬剤師としての歩みと、その概要を把握するためにこの質問をいたします。1分から2分程度で簡潔にまとめるのがよろしいでしょう。

解答例のポイントといたしましては、「〇〇薬局にて〇年間、主に〇〇科の処方箋を応需しておりました。その後、〇〇病院にて〇年間、病棟業務と〇〇（例：DI業務）を担当し、特に〇〇の分野での経験を積んでまいりました。」といった形で、ご自身のキャリアを時系列で明確に伝えます。

具体的な業務内容と応需枚数を教えてください

皆様の業務の「量」と「質」を具体的に知るための質問でございます。数字を用いて客観的に伝えることが重要です。

解答例のポイントといたしましては、「現職では薬剤師〇名体制で、1日平均〇〇枚の処方箋を応需しております。主な応需科目は〇〇と〇〇で、私は調剤・監査業務のほか、〇〇（例：在宅訪問）も担当しておりました。」など、具体的な数値を交えて説明します。

転職理由と志望動機（意欲と将来性を問う質問）

面接において、最も重要視されるのが、このカテゴリーの質問でございます。皆様の「仕事への価値観」や「将来性」が問われます。

転職（退職）をお考えになった理由は何ですか

面接官が最も注目する質問の一つでございます。ここで現職（前職）への不満など、否定的な理由を述べるのは避けるべきでございます。

解答例のポイントといたしましては、「現職では調剤業務を中心に経験を積んでまいりましたが、今後はより専門性の高い〇〇（例：がん化学療法、在宅医療）の分野に挑戦し、薬剤師としての知見を深めたいと考えるようになりました。」など、あくまで前向きなキャリアアップのための転職であることを伝えます。

なぜ、数ある薬局（病院）の中で当院（当社）を志望されたのですか

皆様が「ここでなくてはならない理由」を求めています。応募先の理念や特徴を深く理解していることを示す必要がございます。

解答例のポイントといたしましては、「御社（貴院）が特に〇〇（例：地域医療連携、教育研修制度）に力を入れていらっしゃる点に、深く共感いたしました。私のこれまでの〇〇の経験を活かしつつ、〇〇の分野で貢献できると考え、志望いたしました。」など、ご自身の経験と応募先の特徴とを結びつけて説明します。

人柄や仕事への姿勢に関する質問

スキルや経験だけでなく、皆様の「人柄」や「仕事への姿勢」が、薬剤師として、また組織の一員としてふさわしいかを見極めるための質問でございます。

薬剤師として、最も大切にしていることは何ですか

皆様の「医療人」としての信念や価値観を知るための質問でございます。

解答例のポイントといたしましては、「患者様の不安に寄り添うことを最も大切にしております。専門用語を使わず、分かりやすい言葉で説明することはもちろん、患者様が何を話しやすいか、その表情や声のトーンにも注意を払っております。」など、ご自身の信念を具体的な行動と共に述べます。

（もしあれば）困難だった業務経験と、それをどう乗り越えましたか

皆様の問題解決能力やストレス耐性を確認する質問でございます。

解答例のポイントといたしましては、「服薬アドヒアランスが著しく低い患者様がいらっしゃいました。単にお薬をお渡しするだけでなく、ご本人の生活背景やお薬への考えを時間をかけて傾聴し、〇〇（例：医師と連携して一包化を提案する）といった工夫をいたしました。結果、少しずつ服用していただけるようになりました。」など、困難な状況と、それに対するご自身の工夫・行動・結果をセットで伝えます。

最後の質問（逆質問）

最後に、何かご質問はございますか

皆様の入社意欲をアピールする最後の機会でございます。「特にありません」という回答は、関心が低いと受け取られる可能性がございます。

解答例のポイントといたしましては、「もしご縁をいただけた場合、入社までに特に準備・勉強しておくべきことがあれば、ご教示いただけますでしょうか。」など、入社を前提とした前向きな質問を用意しておくのがよろしいでしょう。

解答例は「参考」に過ぎません。本当の面接対策とは

ここまで、一般的な質問集と解答例をご紹介してまいりました。これらの準備は、面接に臨む上で確かに重要でございます。しかし、面接官が本当に知りたいのは、皆様の「お人柄」や「ご経験」そのものであり、暗記してきたような「模範解答」ではございません。

ご自身の経験の「どの部分」を「どのよう」に伝えれば、その応募先に最も響くのか。それは、皆様お一人ひとり、そして応募先一社一社によって、全く異なるものでございます。

転職エージェントが、皆様だけの「解答」を共に作成いたします

私たち転職エージェントは、薬剤師の皆様の転職活動を成功に導くため、求人のご紹介だけでなく、面接対策のサポートにこそ力を入れております。

私達は、応募先の薬局や病院が「どのような人物を求めているか」「過去の面接ではどのような質問が出たか」といった、表には出てこない情報も把握している場合がございます。

そうした情報に基づき、皆様のご経歴やお人柄を深く理解した上で、皆様だけの「解答例」を一緒に作り上げてまいります。

面接官役となって行う「模擬面接」を通じて、入退室のマナーから、回答の論理性、声のトーンに至るまで、客観的な視点でアドバイスをさせていただきます。

一般的な「質問集」をなぞるだけの準備ではご不安な方、ご自身の魅力を最大限に伝える「本当の面接準備」をご希望の方は、ぜひ一度、私達にご相談くださいませ。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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