薬剤師の転職面接、お礼の連絡で「質問」はしても良いのか

薬剤師の皆様が転職活動で面接を受けられた後、その感謝の意を伝える「お礼」の連絡は、皆様の誠実なお人柄を印象付ける上で非常に有効な手段でございます。しかし、面接が終わった後に、「あの点を質問し忘れてしまった」と疑問点が浮かんでくることも少なくありません。その際、お礼のメールなどに乗じて「質問」をしても良いものか、悩まれる方もいらっしゃるかと存じます。ここでは、面接のお礼と「質問」に関する適切な対応マナーについて解説いたします。

面接後のお礼と「質問」の基本的な考え方

まず前提として、面接後のお礼は、あくまでも貴重な時間を割いていただいたことへの「感謝」と、面接を通じて高まった「入社意欲」を伝えることが主目的でございます。薬剤師という、患者様や多職種との丁寧なコミュニケーションが求められる職種において、この感謝の姿勢は高く評価されます。原則として、このお礼の連絡の場で、新たな「質問」を付け加えることは、ビジネスマナー上、避けるべきとされております。

なぜお礼のメールで「質問」を避けるべきか

採用担当者様は、日々多くの業務と並行して面接を行っております。お礼のメールに新たな「質問」が記載されていると、「なぜ面接の場（逆質問の時間）で聞かなかったのか」という疑問を持たれたり、追加の対応に負担を感じさせたりしてしまう可能性がございます。特に、待遇面や労働条件に関する詳細な「質問」を、お礼のメールで唐突に行うことは、ご自身の印象を損ねてしまう懸念すらございます。

面接で聞き忘れた「質問」への最善の対処法

では、面接で聞き忘れた「質問」は、どのように解消すればよいのでしょうか。最も望ましい方法は、皆様の転職活動をサポートしている「転職エージェント」を通じて確認することございます。薬剤師専門の転職エージェントは、応募先の企業や病院、薬局との緊密な連携窓口を持っております。皆様に代わって、担当コンサルタントが失礼のない形で応募先に「質問」を行い、皆様の疑問点を正確に解消いたします。

転職エージェントを介して「質問」する利点

給与や休日、残業時間といった、応募者ご本人からは直接聞きにくいデリケートな「質問」も、転職エージェントを介することで円滑に確認することが可能となります。応募者ご自身は、応募先へは純粋な「お礼」と「熱意」のみを伝え、疑問点の解消はエージェントに任せる、という役割分担が、選考をスムーズに進める上で最も賢明な方法と申えます。

面接の場での「質問」（逆質問）とお礼

面接の最後には、多くの場合、「何か質問はありますか」と尋ねられる「逆質問」の時間が設けられます。この機会こそ、皆様の疑問を解消する本来の場でございます。この「質問」を始める前に、「本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。一点、質問させていただいてもよろしいでしょうか」と、まず「お礼」の言葉を前置きすることは、非常に丁寧で好印象です。また、「質問」が特にない場合も、「十分にご説明いただきましたので、疑問点はございません。ありがとうございました」と、最後を感謝の「お礼」で締めくくることが大切なマナーとなります。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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