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薬剤師の給料は本当に安い?現状と給与アップのポイントを解説

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「薬剤師の給料は安い」という声を耳にすることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。この記事では、薬剤師の給与に関する現状を様々な角度から分析し、なぜ「安い」と言われることがあるのか、そして給与アップを目指すための具体的な方法について詳しく解説します。

薬剤師の平均給与の現状

薬剤師の給与について一概に「安い」と断言することはできません。実際には、勤務先の種類(調剤薬局、病院、ドラッグストア、製薬会社など)、地域、経験年数、役職、雇用形態(正社員、パート、派遣など)によって大きく異なります。

一般的に、薬剤師の平均年収は他の職種と比較して低くはありません。6年制の薬学部を卒業し、国家資格を取得する必要がある専門職であるため、初任給も比較的高い水準にあると言われています。

しかし、個々の状況によっては、「仕事内容や責任の重さに見合っていない」「昇給の幅が小さい」と感じる薬剤師がいるのも事実です。特に、長年同じ職場で働いていても、期待するほど給与が上がらないというケースも聞かれます。

なぜ「薬剤師の給料は安い」と言われるのか?

薬剤師の給料が「安い」と感じられる背景には、いくつかの要因が考えられます。

業務内容と責任の重さとのギャップ

薬剤師は、患者さんの健康や命に直接関わる重要な役割を担っています。調剤業務はもちろんのこと、服薬指導、副作用のモニタリング、在宅医療への関与など、業務は多岐にわたり、高い専門性と倫理観が求められます。また、夜間や休日の救急対応など、不規則な勤務が必要となる場合もあります。こうした業務の負担感や責任の重さに対して、給与が見合っていないと感じる方がいるのは自然なことかもしれません。

昇給のしにくさ

薬剤師の職場によっては、勤続年数に応じた定期昇給の幅が小さかったり、管理薬剤師や薬局長といった役職に就ける人数が限られていたりする場合があります。そのため、経験を積んでもなかなか給与が上がらず、将来的な給与アップに不安を感じる方もいるようです。特に、小規模な薬局などでは、キャリアパスが描きにくいという声も聞かれます。

働き方による差

正社員として働くか、パート・アルバイト、あるいは派遣社員として働くかによって、給与体系は大きく異なります。特にパートタイムで働く薬剤師の場合、時給は他の職種と比較して高い傾向にありますが、賞与や退職金がない場合も多く、年収ベースで考えると正社員との差を感じることがあるかもしれません。

薬価改定の影響

定期的に行われる薬価改定は、薬局の収益に直接的な影響を与えます。薬価が引き下げられると、薬局の経営が厳しくなり、その結果として薬剤師の人件費にしわ寄せが及ぶ可能性も否定できません。こうした外部環境の変化が、給与の伸び悩みの一因となっていると指摘する声もあります。

初任給は比較的高めだが、その後の伸びが鈍い

薬剤師は専門職であるため、初任給は他の一般的な大卒の職種と比較して高い傾向にあります。しかし、その後の給与の伸び率が他の専門職や一部の業種と比較して緩やかであるため、キャリアを重ねるにつれて「給料が安い」と感じ始める人もいるようです。

薬剤師が給料を上げるための具体的な方法

現状の給与に満足していない場合でも、薬剤師が収入を増やすための方法はいくつか考えられます。

キャリアアップを目指す

現在の職場でキャリアアップを目指すのは、給与を上げるための一つの確実な方法です。

  • 管理薬剤師や薬局長などの役職に就く: 役職に就くことで、役職手当などが付与され、給与アップが期待できます。リーダーシップやマネジメント能力を磨くことが重要です。
  • 認定薬剤師・専門薬剤師の資格を取得する: 特定の分野における高度な知識や技能を持つことを証明する資格を取得することで、専門性を高め、資格手当やより専門性の高い業務への配置による昇給の可能性があります。がん専門薬剤師、精神科専門薬剤師、感染制御専門薬剤師など、様々な分野の認定・専門資格があります。

働く場所・業種を変える(転職)

思い切って働く場所や業種を変えることも、給与アップの有効な手段となり得ます。

  • 給与水準の高い職場へ転職する: 一般的に、大手チェーンの調剤薬局やドラッグストア、製薬会社のMR(医薬情報担当者)や研究開発職、病院薬剤師の中でも規模の大きな病院などは、給与水準が高い傾向にあります。ただし、業務内容や求められるスキルも異なるため、自身のキャリアプランと照らし合わせて慎重に検討する必要があります。
  • 地域差を考慮する: 都市部や薬剤師が不足している地域では、比較的高い給与が提示されることがあります。地方での勤務も視野に入れることで、好条件の求人が見つかる可能性があります。

スキルアップ・副業

専門性を高めたり、新たなスキルを身につけたりすることも、収入増につながる可能性があります。

  • 専門分野の知識・スキルを深める: 在宅医療、漢方、スポーツファーマシスト、栄養サポートなど、特定の分野での専門性を高めることで、活躍の場が広がり、それが給与に反映されることもあります。
  • 薬剤師の知識を活かせる副業を始める: 近年では、薬剤師の専門知識を活かした副業も増えています。メディカルライターとして記事を執筆したり、セミナー講師を務めたり、健康相談に応じたりするなど、本業に支障のない範囲で取り組むことで、収入アップを目指せます。

交渉力を高める

自身のスキルや経験、実績を客観的に評価し、それを基に給与交渉を行うことも重要です。転職時にはもちろんのこと、現在の職場でも、昇進や資格取得などのタイミングで交渉の機会があるかもしれません。日頃から自身の市場価値を高める努力を怠らないことが大切です。

まとめ

薬剤師の給料は、様々な要因によって変動するため、一概に「安い」と結論づけることはできません。しかし、「業務内容や責任に見合わない」「昇給しにくい」といった理由から、給与に不満を感じる薬剤師がいることも事実です。

もし現在の給与に満足していないのであれば、キャリアアップを目指したり、専門性を高めたり、あるいは働く環境を変えたりするなど、主体的に行動することで状況を改善できる可能性があります。薬剤師としての専門性を活かしながら、自身が納得できる働き方と収入を得るために、様々な選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。

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黒岩満(くろいわみつる)
黒岩満(くろいわみつる)
キャリアアドバイザー
専門職の就職・転職活動を支援しています。求職者に対して、求人情報の提供、応募書類の添削、面接対策、キャリアプランの作成など、様々なサポートを行っています。好きな漫画は、ブラック・ジャック。
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