病院薬剤師のあるある|チーム医療の最前線で働く魅力と実態
調剤薬局やドラッグストアとは一線を画す、専門的でダイナミックな環境が魅力の「病院薬剤師」。チーム医療の一員として、医師や看護師と肩を並べて患者様の治療に深く関わるこの仕事には、そこで働く薬剤師だけが共感できる、数多くの「あるある」な瞬間が存在します。この記事では、現役の病院薬剤師の方はもちろん、これから病院薬剤師を目指す方にも、その仕事のリアルな魅力と実態が伝わるような、様々な「あるある」をご紹介します。
【連携編】ドクターやナースとの日常あるある
病院薬剤師の日常は、他職種との連携なくしては成り立ちません。病棟からひっきりなしにかかってくる薬に関する問い合わせの電話や、処方提案が採用されて患者様の容態が改善した時の達成感は、まさに病院薬剤師ならではの経験です。特に、夜間の当直中に若手のドクターから頼りにされたり、緊急時に的確な情報提供でチームを支えたりした瞬間は、薬剤師としての専門性を実感できる、やりがいに満ちた場面といえるでしょう。時には、多忙な医療現場ならではの厳しい言葉のやり取りもありますが、それも全ては患者様のため。共に乗り越えた時の連帯感は格別です。
【業務編】病棟と調剤室を駆け巡る日々あるある
院内をPHS片手に颯爽と歩き、病棟と薬剤部を何度も行き来するうちに、一日の歩数が驚くほどの距離になるのは、多くの病院薬剤師が経験することです。静かで集中力が求められる抗がん剤の混合調製業務と、院内全体に緊張が走る緊急コードの発令対応との目まぐるしい緩急も、この職場ならではの特徴です。一人きりで病院全体の薬剤を一手に担う夜勤の静寂と、それに伴う重い責任感は、病院薬剤師の精神を鍛え、成長させてくれる貴重な経験となります。
【患者さん編】深く関わるからこその喜びと悩みあるある
薬局とは異なり、入院から退院まで、一人の患者様と長期間にわたり関わることができるのも、病院薬剤師の大きな魅力です。ベッドサイドでの服薬指導を通じて、日々の容態の変化を目の当たりにし、回復していく姿を見届けられた時の喜びは、何物にも代えがたいものです。患者様やそのご家族から、直接「ありがとう」と感謝の言葉をいただいた時には、これまでの苦労が報われるような気持ちになります。もちろん、治療が思うように進まない患者様を前に、自身の無力さを痛感するような、辛い経験をすることもありますが、それら全てが薬剤師としての深みを形作っていきます。
【キャリア編】専門性と給与の理想と現実あるある
病院薬剤師は、最先端の医療に触れる機会が多く、常に新しい知識の習得が求められる、自己研鑽が欠かせない仕事です。学会発表や専門・認定薬剤師の資格取得など、キャリアアップの道筋が明確である一方、日々の業務に追われ、勉強時間の確保に苦労するのも、よくある悩みの一つです。また、その専門性の高さとは裏腹に、特に若手のうちは、調剤薬局やドラッグストアに勤務する同年代の薬剤師と比べて、給与が控えめであることも、現実として受け止めなければならない点かもしれません。
自身のキャリアを見つめ直すために
これらの「あるある」な経験は、病院薬剤師という仕事の多面性を示しています。チーム医療に貢献する大きなやりがいがある一方で、高い専門性やコミュニケーション能力、そして時には体力も求められる、決して楽ではない仕事です。だからこそ、ご自身がどのような病院で、どのような薬剤師になりたいのか、キャリアの方向性をじっくりと考えることが非常に重要になります。今の職場環境に疑問を感じている方、あるいはこれから病院薬剤師という道へ進むことを検討している方は、一度立ち止まってご自身のキャリアプランを見つめ直してみてはいかがでしょうか。
まとめ
病院薬剤師の日常は、緊張感と達成感、喜びと悩みが交錯する、非常に濃密な時間です。ご紹介した「あるある」に共感された現役の病院薬剤師の方も、未来の自分の姿を想像された方もいらっしゃるかもしれません。このやりがい深く、専門性に満ちたキャリアをより充実させるためには、ご自身の価値観や目標に合った職場環境を見つけることが不可欠です。専門のキャリアコンサルタントに相談することは、そのための確かな一歩となるでしょう。