病院薬剤師35歳の年収、その平均とキャリアによる違いとは

薬剤師としての経験を積み、中堅として現場を支える役割を担うようになる35歳。この年齢は、ご自身のキャリアと将来の生活設計を見つめ直し、現在の年収がご自身の経験やスキルに見合っているのかを考える、一つの大きな節目です。ここでは、病院薬剤師として働く35歳の方の平均的な年収と、その金額を左右する要因、そして今後のキャリアプランについて解説します。

35歳病院薬剤師の平均的な年収水準

一般的に、35歳の病院薬剤師の年収は、おおよそ450万円から600万円の範囲に収まることが多いと言われています。これは、あくまで一つの目安であり、実際には個々の薬剤師の経験年数やスキル、そして勤務する病院の状況によって大きな幅があります。新卒の頃に比べると、同年代のドラッグストア勤務の薬剤師との年収差は縮まってくる傾向にありますが、依然として病院の給与水準は、専門性の高い業務内容や責任の重さと比較すると、必ずしも高いとは言えないと感じる方もいるかもしれません。

年収を大きく左右する「役職」と「経験」

35歳という年齢になると、年収を決定づける上で「役職」の有無が大きな要素となります。一般の薬剤師として勤務しているか、あるいは主任などの役職に就いているかによって、給与や手当に明確な差が生まれてきます。また、これまでにどのような臨床経験を積んできたかも重要です。例えば、がん専門薬剤師や感染制御認定薬剤師といった資格を取得し、専門性の高い分野で実績を上げてきた薬剤師は、そのスキルが評価され、より高い年収を得ていることが一般的です。

勤務先の「経営母体」と「地域」による違い

勤務する病院の経営母体や所在地も、年収に影響を与えます。国公立の病院では、公務員に準じた給与体系が適用されるため、35歳時点での年収は勤続年数に応じて安定的に決まってきます。一方、民間の病院では、その施設の経営状況や個人の評価が給与に反映されやすいため、同じ年齢でも年収に差が出ることがあります。また、薬剤師が不足している地方の病院では、人材確保のために都心部よりも高い給与水準を提示しているケースも少なくありません。

35歳からのキャリアプランと将来の年収

35歳は、今後のキャリアと年収を大きく方向づける重要な転換期です。ここから先の年収アップを目指すには、これまで以上に明確なキャリアプランが求められます。管理職である薬剤科長や薬剤部長を目指すのか、あるいは特定の領域で誰にも負けない専門性を磨き、スペシャリストとしての道を歩むのか。ご自身の目標を定め、それを実現できる環境に身を置くことが、将来の年収に繋がっていきます。

適正な評価と年収を実現するための転職

もし、ご自身の現在の年収が、これまでの経験や実績に見合っていないと感じるのであれば、それは現在の職場の給与体系や評価制度に起因しているのかもしれません。転職は、ご自身の市場価値を客観的に見つめ直し、能力を正当に評価してくれる新しい環境を見つけるための有効な手段です。薬剤師専門の転職エージェントは、あなたの経験やスキルを基に、適正な年収水準を提示し、その実現が可能な病院を紹介してくれます。専門家への相談が、あなたのキャリアを新たなステージへと導くきっかけになるかもしれません。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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