薬剤師の面接：自己紹介での「会社名」の正しい伝え方

なぜ自己紹介で会社名の伝え方が重要か

薬剤師の転職活動における面接の冒頭、多くの場合「自己紹介をお願いします」と促されます。この自己紹介は、ご自身の第一印象を決定づける重要な場面です。その中で、ご自身がこれまで所属してきた（あるいは現在所属している）「会社名（薬局名・病院名など）」や、応募先の「会社名」をどのように伝えるかは、社会人としての基本的なマナーや敬意を示す上で、採用担当者が注目しているポイントの一つです。特に薬剤師は、正確な情報伝達が求められる職業であり、こうした細やかな言葉遣いが、その人の信頼性にもつながります。

前職（現職）の会社名は言うべき？

自己紹介では、ご自身の職務経歴を簡潔に伝える必要があります。その際、前職（あるいは現職）の正式な会社名（法人名）、または薬局名、病院名を具体的に述べるのが一般的です。「〇〇株式会社（〇〇薬局）にて〇年間、薬剤師として勤務してまいりました」といった形です。具体的な名称を伝えることで、面接官はあなたの経歴をより正確に把握することができます。ただし、長々と説明する必要はありません。あくまで簡潔に、正式名称で伝えることを心がけましょう。

応募先の会社名の呼び方マナー

自己紹介や面接中の会話で、応募先の会社（薬局・病院・企業）について言及する際の呼び方には、明確なマナーがあります。これは、相手への敬意を示すための重要なルールです。

まず、話し言葉（面接中）と書き言葉（履歴書など）で敬称を使い分ける必要があります。応募先が一般企業（製薬会社やドラッグストアの運営会社など）であれば、面接では「御社（おんしゃ）」と呼びます。書き言葉では「貴社（きしゃ）」となります。

応募先が病院やクリニックの場合は、「御社」ではなく「御院（おんいん）」と呼ぶのが正しいマナーです。同様に、書き言葉では「貴院（きいん）」となります。

応募先が薬局の場合、その運営母体によって対応が分かれます。もし運営母体が株式会社（多くのチェーン薬局など）であれば、面接では「御社」と呼んで問題ありません。応募先が「医療法人」や「社会福祉法人」などの場合は、「御法人（おんほうじん）」と呼ぶのがより丁寧です。もし呼び方に迷った場合は、「こちらの薬局（施設）では」といった具体的な表現を用いても失礼にはあたりません。

自己紹介での自然な使い方

自己紹介の中で応募先の名称に触れる際は、例えば「御社（御院）の〇〇という理念に共感し…」や、「〇〇薬局様（あるいは御社）でこれまでの経験を活かしたいと考えております」といった形で、適切な敬称を用いて自然に組み込むと良いでしょう。

会社名の伝え方や面接マナーに不安がある方へ

このように、面接では「会社名」の伝え方一つをとっても、状況に応じた細かなマナーが存在します。特に久しぶりの転職活動などで、こうした言葉遣いや立ち居振る舞いに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。そのような時は、転職の専門家である転職エージェントにご相談いただくのも一つの有効な手段です。転職エージェントでは、薬剤師の転職市場に精通したコンサルタントが、求人のご紹介だけでなく、応募先に合わせた面接対策やマナーについても具体的にアドバイスをさせていただきます。模擬面接などを通じて、客観的な視点からご自身の自己紹介や言葉遣いをチェックすることも可能です。万全の準備で自信を持って面接に臨むために、ぜひ一度ご登録をご検討ください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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