2025.11.03

薬剤師の「開発職」とその「仕事内容」：専門性を活かすキャリアパス

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薬剤師の皆様がご自身のキャリアプランを考える際、その活躍の場は調剤薬局や病院での臨床業務だけに限られるものではありません。皆様が薬学部で培った高度な専門知識と科学的思考は、「企業」における「開発職」（研究開発）という分野においても、人々の健康や医療の未来に貢献するための、非常に重要な役割を担っています。

しかし、臨床業務とは大きく異なる「開発職」の「仕事内容」は、具体的にどのようなものなのか、イメージが湧きにくいと感じられている方も少なくないでしょう。この記事では、薬剤師が企業の「開発職」として活躍する際の、その具体的な「仕事内容」やキャリアの可能性について解説します。

Contents

なぜ「開発職」に薬剤師が求められるのか
「開発職」の主な「仕事内容」（製薬会社）
「開発職」の主な「仕事内容」（化粧品・食品メーカー）
調剤経験から「開発職」への転職は可能か
「開発職」の求人探しと転職エージェント

なぜ「開発職」に薬剤師が求められるのか

薬剤師の業務は、調剤薬局や病院において、既に生み出された医薬品を「適正に使用する」ことが中心です。これに対し、「企業」における「開発職」の業務は、まだ世にない新しい価値（新薬や新しい治療法、高機能な化粧品や食品）を「創出する」ことを目指します。

その活躍の場は、製薬会社をはじめ、化粧品メーカー、食品メーカーなど多岐にわたります。これらの分野では、皆様が持つ薬理学、製剤学、毒性学、皮膚科学といった深い専門知識が不可欠であり、薬剤師資格を持つ人材への「開発職」としてのニーズが存在するのです。

「開発職」の主な「仕事内容」（製薬会社）

製薬会社における「開発職」と一口に言っても、その「仕事内容」は様々です。新しい医薬品の「種」を見つけ出す「基礎研究（創薬研究）」、動物などでその有効性や安全性を評価する「非臨床試験（安全性研究）」などがあります。

また、薬剤師の専門性が特に活きる分野の一つに「製剤開発（製剤研究）」があります。見出された有効成分（原薬）を、患者様が安全かつ効果的に使用できる形（錠剤、カプセル剤、注射剤など）にするための処方設計を行う「仕事内容」です。

さらに、「臨床開発（CRAなど）」も重要な「開発」プロセスの一部です。これは、新薬の「臨床試験（治験）」をサポートする「仕事内容」で、医療機関との連携や医学・薬学知識が求められます。

「開発職」の主な「仕事内容」（化粧品・食品メーカー）

製薬会社以外でも、薬剤師の「開発職」としての「仕事内容」は広がっています。例えば、化粧品メーカーや食品メーカーにおいても、「研究開発」部門は重要な役割を担います。

サプリメントや機能性表示食品、薬用化粧品などの新製品を「開発」するために、新たな機能性成分の探索や、その安全性・有効性の評価、処方設計（製剤開発）といった「仕事内容」があり、薬学部で学んだ知識が求められます。

調剤経験から「開発職」への転職は可能か

「開発職」への転職を考える際、「調剤薬局や病院での臨床経験しかないが、転職できるのだろうか」という不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、基礎研究や製剤「開発」といった部門では、薬学部での研究経験、あるいは大学院（修士・博士課程）での研究実績が応募条件となるケースが多く、ハードルが高いのが実情です。

しかし、「臨床開発モニター（CRA）」や、医薬品の安全性情報を収集・評価する「ファーマコビジランス（PV）」といった職種は、薬剤師としての臨床的な視点や医薬品知識が強みとなり、調剤経験からでも挑戦できる可能性のあるキャリアパスです。また、化粧品・食品メーカーの品質保証や薬事といった部門から、キャリアをスタートする道も考えられます。

「開発職」の求人探しと転職エージェント

「開発職」の求人は、その専門性の高さから、調剤薬局などに比べて求人数自体が限定的です。また、企業の将来の戦略に関わる重要なポジションも多いため、一般の求人サイトには掲載されず、「非公開求人」として扱われることが非常に多くあります。

個人でこうした質の高い「開発職」の求人情報にアクセスし、ご自身の経験（調剤経験、あるいは学生時代の研究経験）が、各企業の「仕事内容」とどのようにマッチするのかを判断することは容易ではありません。

薬剤師専門の転職エージェントは、こうした一般には公開されていない企業（製薬、化粧品、食品メーカー）の「非公開求人」を多数保有している場合があります。また、各企業がどのような人材（スキル、経験、学位）を求めているかという詳細な背景や、職場の雰囲気、キャリアパスといった内部事情も把握しております。

「調剤経験しかないが、『開発』関連の仕事に挑戦できるか」「ご自身の研究経験が、企業でどう活かせるか」といった、個別の具体的なご相談にも対応が可能です。薬剤師としての新たな可能性を広げ、専門性を活かしたキャリアを築くための一歩として、まずは転職エージェントに登録し、専門家の視点からアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。

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