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薬剤師会の事務求人とは?地域医療を支える縁の下の力持ち

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「薬剤師会ってどんなところ?」「そこで働く事務スタッフはどんな仕事をするの?」薬剤師の活動を支え、地域医療の向上に貢献する「薬剤師会」。その運営を円滑に進めるために欠かせないのが、事務局のスタッフです。

この記事では、薬剤師会の事務職員という仕事に関心をお持ちの方に向けて、薬剤師会の役割から事務局の具体的な仕事内容、働く魅力、求められるスキル、そして求人の探し方まで、詳しくご紹介します。

そもそも「薬剤師会」とは?役割と活動内容

薬剤師会は、主に各都道府県や市町村単位で組織されている、薬剤師の職能団体です。多くは公益社団法人や一般社団法人として運営されており、その目的は薬剤師の資質向上、薬学・薬業の進歩発展、そして地域住民の健康な生活の確保・向上に寄与することにあります。

主な活動内容としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 薬剤師の生涯研修・学術大会の開催: 最新の医薬品情報や医療制度に関する研修会、学術大会などを企画・運営し、会員薬剤師のスキルアップを支援します。
  • 地域医療への貢献:
    • 学校薬剤師活動の推進(学校環境衛生の維持改善、薬物乱用防止教育など)
    • 休日・夜間急対応薬局の運営支援
    • 在宅医療への薬剤師派遣調整
    • 地域住民向けの健康相談会や啓発イベントの実施
  • 薬事衛生の普及啓発: 医薬品の適正使用に関する情報提供や、ドーピング防止活動、災害時の医薬品供給体制の整備など。
  • 行政機関との連携・協力: 国や地方自治体の医療・薬事行政に協力し、意見具申なども行います。
  • 会員への情報提供・福利厚生: 会報誌の発行、最新情報の提供、福利厚生事業など。

これらの多岐にわたる活動をスムーズに進めるために、薬剤師会の事務局は非常に重要な役割を担っています。

薬剤師会を支える事務局の仕事:多岐にわたる業務内容

薬剤師会の事務局スタッフは、薬剤師会の組織運営に関わる事務業務全般を担当します。会員である薬剤師や薬局、行政機関、関連団体、そして地域住民の方々など、多くの人と関わりながら仕事を進めていきます。具体的な仕事内容は、薬剤師会の規模や人員体制によって異なりますが、一般的には以下のような業務があります。

  • 一般事務・庶務:
    • 電話応対、来客対応
    • 各種書類作成(Word, Excel, PowerPoint等を使用)、資料整理、ファイリング
    • 郵便物・メールの仕分け、発送業務
    • 事務所内の備品管理、発注、環境整備
  • 会員管理:
    • 会員の入退会手続き、会員情報のデータベース管理・更新
    • 会費の請求・徴収、入金管理
    • 会員名簿の作成・管理
  • 経理・会計業務:
    • 日常的な経費処理、伝票作成、入出金管理
    • 予算案・決算報告書の作成補助
    • 会計ソフトへの入力作業
  • 広報業務:
    • 会報誌やニュースレターの企画・編集・発行補助
    • ウェブサイトのコンテンツ更新、お知らせ掲載
    • SNS等を活用した情報発信
    • 各種イベントや研修会の告知、案内状作成
  • 研修会・イベント運営サポート:
    • 研修会、講演会、セミナーなどの企画立案補助
    • 会場の手配、講師との連絡調整
    • 参加者募集、申込受付、名簿作成
    • 配布資料の準備、印刷
    • 当日の会場設営、受付業務、運営補助
  • 各種事業の事務局業務:
    • 学校薬剤師関連事業の連絡調整、資料作成
    • 薬物乱用防止キャンペーンなどの地域啓発活動のサポート
    • 休日夜間薬局の運営に関する事務連絡
    • 災害時医療救護活動に関する準備・連絡調整
  • 関係機関との連絡調整:
    • 行政機関(厚生労働省、都道府県の薬務課、保健所など)との連絡、書類提出
    • 日本薬剤師会や他の都道府県薬剤師会との情報交換
    • 医師会、歯科医師会など他の医療関連団体との連携事業における事務作業
  • 会議運営補助:
    • 理事会、委員会などの会議の準備、資料作成
    • 会議当日の設営、議事録の作成・保管

このように、薬剤師会の事務局の仕事は非常に幅広く、組織運営の根幹を支える重要な役割を担っています。

薬剤師会の事務職員として働く魅力とやりがい

薬剤師会の事務職員として働くことには、他では得難い魅力ややりがいがあります。

  • 社会貢献性の高さ: 薬剤師の活動を支えることを通じて、地域医療の発展や公衆衛生の向上に間接的に貢献できます。「人の役に立っている」という実感を持ちやすい仕事です。
  • 専門知識に触れる機会: 薬剤師や医療関係者と日常的に接するため、医療や薬事に関する専門的な知識に触れる機会が多く、知的好奇心を満たせます。
  • 幅広い事務スキルが身につく: 総務、経理、広報、企画運営サポートなど、多岐にわたる業務を経験することで、オールラウンドな事務スキルを磨くことができます。
  • 安定した組織での勤務: 公益性の高い団体であるため、比較的安定した基盤の上で働くことができる場合が多いです。
  • 地域との繋がり: 地域のイベントや啓発活動に関わることで、地域社会との繋がりを感じながら仕事に取り組めます。

求められるスキルと人物像:どんな人が活躍できる?

薬剤師会の事務局で活躍するためには、以下のようなスキルや資質が求められます。

  • 基本的なPCスキル: Wordでの文書作成、Excelでの表計算やデータ管理、PowerPointでの資料作成など、オフィスソフトを使いこなす能力は必須です。
  • 高いコミュニケーション能力: 会員である薬剤師、行政担当者、関連団体、一般市民など、様々な立場の人と円滑にコミュニケーションを取る能力が重要です。丁寧な言葉遣いや対応も求められます。
  • 正確かつ迅速な事務処理能力: 書類作成やデータ入力、経理処理など、正確さが求められる業務が多いため、丁寧かつスピーディーに仕事を進める能力が必要です。
  • 協調性とチームワーク: 少人数の事務局で運営されている場合も多く、他のスタッフと協力して仕事を進める協調性が不可欠です。
  • 責任感と主体性: 任された業務を最後まで責任を持ってやり遂げる力や、指示待ちではなく自ら考えて行動できる主体性が求められます。
  • 柔軟な対応力: 多様な業務や、時には突発的な依頼にも臨機応変に対応できる柔軟性が役立ちます。
  • 医療・薬事への関心: 必須ではありませんが、医療や薬事行政に関する知識や関心があると、業務への理解が深まり、よりスムーズに仕事に取り組めるでしょう。

資格は必要?有利になるスキルについて

薬剤師会の事務職員になるために、**法律で定められた必須の資格はありません。**未経験者でも応募可能な求人が出ることもあります。

しかし、以下のような資格や経験があると、採用選考で有利になったり、入職後に業務をスムーズに進めたりする上で役立つことがあります。

  • 簿記検定(日商簿記2級・3級など): 経理業務を担当する場合に活かせます。
  • 秘書技能検定: 電話応対や来客対応、文書作成などのビジネスマナーが身につきます。
  • MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト): Word、Excelなどのスキルを客観的に証明できます。
  • 医療事務関連の資格: 医療保険制度や診療報酬に関する知識は、薬剤師会の業務にも間接的に役立つ場合があります。
  • 広報・編集関連の経験: 会報誌作成やウェブサイト運営の経験があれば、広報業務で力を発揮できます。
  • イベント企画・運営の経験: 研修会やセミナーの運営サポートに活かせます。

気になる給与や待遇は?一般的な傾向

薬剤師会の事務職員の給与や待遇は、勤務する薬剤師会の規模(都道府県単位か、郡市区単位かなど)、地域、本人の経験やスキル、雇用形態(正職員、契約職員、パートタイムなど)によって大きく異なります。

一般的には、地方公務員や他の公益法人の事務職員と同程度の給与水準となることが多いようです。大幅な高給を期待するのは難しいかもしれませんが、その分、比較的安定した雇用環境や、整った福利厚生(社会保険完備、交通費支給、有給休暇など)が提供される傾向にあります。賞与や昇給の制度も、各薬剤師会の規定によります。

具体的な条件は、個別の求人情報をよく確認することが大切です.

「薬剤師会 事務」の求人、どうやって探す?

薬剤師会の事務職員の求人は、常時募集があるわけではなく、欠員が出た場合や事業拡大などに伴い、不定期に募集されることが多いです。そのため、根気強く情報をチェックする必要があります。

主な探し方は以下の通りです。

  1. 各薬剤師会の公式サイト: 都道府県薬剤師会や、市区町村の薬剤師会のウェブサイトに、「採用情報」「職員募集」といった形で求人情報が掲載されることがあります。これが最も直接的で確実な方法です。日本薬剤師会のウェブサイトには、各都道府県薬剤師会へのリンクが掲載されていることが多いので、そこから辿るのも良いでしょう。
  2. ハローワーク: 公益性の高い団体である薬剤師会の求人は、ハローワークを通じて募集されることもあります。地元のハローワークの求人情報をこまめにチェックしてみましょう。
  3. 一般的な求人サイト: まれに「Indeed(インディード)」や「リクナビNEXT」といった一般的な求人サイトに掲載されることもありますが、専門性の高い職種であるため、掲載数は少ない傾向にあります。
  4. 縁故など: 薬剤師会内部や関係者からの紹介というケースも稀にあるかもしれません。

求人を探す際は、「〇〇県薬剤師会 事務 募集」や「一般社団法人 △△市薬剤師会 採用」といった具体的な名称とキーワードで検索すると、情報が見つかりやすいかもしれません。

まとめ:地域医療に貢献する薬剤師会の事務という選択

薬剤師会の事務職員は、薬剤師の活動を多方面からサポートし、地域医療や公衆衛生の向上に貢献するという、大きなやりがいを感じられる仕事です。幅広い事務スキルを身につけながら、社会貢献を実感したいと考える方にとって、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

求人の機会は限られているかもしれませんが、関心のある方はぜひアンテナを張り、情報収集を続けてみてください。この記事が、あなたのキャリア選択の一助となれば幸いです。

ABOUT ME
ライト
ライト
キャリアアドバイザー
人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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