2025.11.03

管理薬剤師と一般薬剤師の「違い」とは？役割、責任、待遇で比較するキャリアパス

kusuri0530

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

薬剤師として数年のご経験を積まれる中で、ご自身のキャリアプランについて考える機会も増えてくるかと存じます。その際、多くの方が意識するのが「管理薬剤師」という責任あるポジションです。

調剤薬局やドラッグストアで働く薬剤師は、大きく「管理薬剤師」と「一般薬剤師（勤務薬剤師）」に分けられますが、この二つの立場には、具体的にどのような「違い」があるのでしょうか。この記事では、管理薬剤師と一般薬剤師の「違い」について、その役割、責任、待遇、そしてキャリアパスの観点から詳しく解説いたします。

Contents

最も大きな「違い」：法的な責任の所在
具体的な業務内容の「違い」
待遇（年収・手当）の「違い」
キャリアパスとしての「違い」とやりがい
転職市場における「違い」
「管理薬剤師」へのキャリアアップを考えるなら
最適なポストを見つけるための転職エージェント活用

最も大きな「違い」：法的な責任の所在

管理薬剤師と一般薬剤師の最も本質的な「違い」は、その「法的な責任の重さ」にあります。

一般薬剤師は、管理薬剤師の指導・監督の下で、調剤業務や服薬指導といった薬剤師業務を遂行します。一方、管理薬剤師は、薬剤師法に基づき、その薬局や営業所（店舗）に原則として一人必置とされる「医薬品管理の最高責任者」です。その薬局における医薬品の管理全般、そして従業員の監督といった、運営に関わる法的な責任を一身に負う立場となります。

具体的な業務内容の「違い」

この法的な責任の「違い」は、そのまま日々の具体的な業務内容の「違い」にも直結してまいります。

一般薬剤師の主な業務内容は、処方箋監査、調剤、鑑査、患者様への服薬指導、そして薬歴管理といった、薬剤師としての専門業務が中心となります。

管理薬剤師は、これらの業務に加えて、店舗の「管理業務」全般を担う必要があります。具体的には、麻薬や向精神薬、毒薬・劇薬といった、特に厳格な管理が求められる医薬品の法的な管理・記録、医薬品の品質管理や在庫管理全般（発注、棚卸し）、そして同じ職場で働く他の薬剤師や調剤事務スタッフへの業務指導・監督、シフト管理といった労務管理も含まれます。

さらに、保健所への各種届出や、立入検査（査察）時の対応窓口となるなど、その薬局の「顔」として行政機関との対応を行うのも、管理薬剤師の重要な業務です。

待遇（年収・手当）の「違い」

管理薬剤師は、一般薬剤師と比較して背負う責任が重くなるため、その対価として待遇面でも「違い」が設けられているのが一般的です。

多くの薬局や企業では、基本給に加えて「管理薬剤師手当」や「役職手当」といった形で、毎月の給与に手当が上乗せされます。そのため、同じ職場で働く一般薬剤師と比較した場合、年収ベースで高くなる傾向にあります。

キャリアパスとしての「違い」とやりがい

一般薬剤師は、例えば「がん専門薬剤師」や「研修認定薬剤師」の資格を取得して特定の分野の専門性を高めたり、あるいはワークライフバランスを重視してパートタイム勤務を選択したりと、多様なキャリアパスを選ぶことが可能です。

一方、管理薬剤師のキャリアは、店舗運営の中核を担い、ご自身の判断で薬局を動かしていくという、大きな「やりがい」があります。このポジションで培われるマネジメント能力やリーダーシップは、将来的に複数の店舗を統括する「エリアマネージャー」や、本社の管理部門（人事、教育、運営企画など）といった、さらなるキャリアアップを目指す上での登竜門となります。