薬剤師の転職面接：マナーの最終チェックリスト（当日の流れ編）

なぜ面接マナーのチェックが重要か

薬剤師の転職活動において、面接はご自身の専門知識や経験を伝える非常に重要な機会です。しかし、どれほど優れたスキルをお持ちであっても、社会人としての基本的なマナーに漏れがあれば、採用担当者に良い印象を与えることはできません。特に薬剤師は、患者様や医療関係者から高い信頼を得る必要がある職業です。そのため、面接での立ち居振る舞いや言葉遣いといった基本的なマナーが、採用の可否を分ける重要な判断材料となります。面接直前にご自身の準備に漏れがないか、改めてチェックすることが大切です。

面接前日のチェック：持ち物と身だしなみ

まず確認すべきは、身だしなみの基本である清潔感です。面接で着用するスーツやシャツ、ブラウスにしわや汚れがないか、アイロンはかかっているかをチェックしましょう。靴はきれいに磨かれているか、かかとはすり減っていないかも確認が必要です。髪型は顔周りをすっきりとさせ、爪は短く清潔に切りそろえておきます。また、応募書類（履歴書・職務経歴書）のコピーや筆記用具、応募先の資料、ハンカチといった持ち物が、A4サイズが折らずに入るビジネスバッグに揃っているかも確認しておきましょう。

当日の訪問・受付時のチェック

面接当日は、時間を厳守することが社会人としての最低限のマナーです。約束の時間の10分前から5分前には受付に到着しているかをチェックしましょう。早すぎる到着は、かえって先方の準備の妨げになるため注意が必要です。冬場などでコートを着用している場合は、建物に入る前に脱ぎ、きれいに畳んで腕にかけているかを確認します。受付では、ご自身の氏名と訪問の目的（面接の約束時間）を、明るくはっきりとした声で伝えられているかも重要なポイントです。

控室での待機中のチェック

受付を済ませ、控室（待機室）に案内された場合、その待機時間もすでにご自身の態度が見られていると意識することが大切です。待っている間、スマートフォンを操作したり、足を組んだりしていないか、背筋を伸ばして正しい姿勢で座れているかをチェックしましょう。持参したカバンは椅子の横の床に置き、畳んだコートはそのカバンの上に置くとスマートです。

面接室への入室時のチェック

名前を呼ばれ、面接室に入室する際は、第一印象を決める重要な場面です。まず、ドアを軽く3回ノックしているかを確認します。中から「どうぞ」と返事があったら、「失礼いたします」と一言述べて入室します。ドアを静かに閉めたら、面接官の方に向き直り、「〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします」と挨拶し、丁寧にお辞儀（敬礼）ができているかを意識しましょう。

着席時のチェック

挨拶が終わったら、椅子の横まで進みます。この時、すぐに椅子に座っていないか、面接官から「お掛けください」と促されるのを待てているかをチェックします。着席を勧められたら、「失礼いたします」と再度一礼し、カバンを椅子の横の床に置いてから着席します。座る際は、背もたれに寄りかかることなく、背筋を伸ばして正しい姿勢を保てているかを確認しましょう。

面接中のチェック：姿勢と言葉遣い

面接が始まったら、その受け答えの内容はもちろん、姿勢や言葉遣いも重要です。手は膝の上で軽く揃えられているか、視線は面接官の目や鼻のあたりに向けられているか（うつむいていないか）をチェックします。また、正しい敬語（応募先が企業なら「御社」、病院なら「御院」など）を使えているか、質問に対して結論から先に簡潔に答えられているかも、ご自身のコミュニケーション能力を示す上で重要です。

面接の最後（退室時）のチェック

面接の終わり方も、ご自身の印象を決定づける重要な場面です。面接官から終了の合図があったら、まずは座ったまま「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」とお礼を述べ、一礼しているかを確認します。その後、立ち上がって椅子の横に移動し、改めて「失礼いたします」と述べ、最も丁寧なお辞儀（最敬礼）をします。ドアまで進み、退室する直前に再度面接官の方へ向き直り、軽く会釈をしてから静かにドアを閉める、という最後の動作まで気を抜かないことが大切です。

マナーチェックリストに不安がある場合は

ここまで、面接における基本的なマナーを、当日の流れに沿ってチェックリスト形式で解説しました。このように、面接では準備段階から退室後の建物を出るまで、一連の流れのすべてが評価の対象となります。細かなマナーが多く、久しぶりの転職活動などで、ご自身の立ち居振る舞いが正しいか不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。そのような時は、転職の専門家である転職エージェントにご相談いただくのも一つの有効な手段です。転職エージェントでは、求人の紹介だけでなく、模擬面接などを通じて、こうした面接マナー全般を客観的にチェックし、的確なアドバイスを受けることが可能です。万全の準備で自信を持って面接に臨むために、ぜひ一度ご登録をご検討ください。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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