面接で別の職種を勧められたら不採用？薬剤師が知るべき企業の意図と対処法

予期せぬ提案、「別の職種はいかがですか？」

薬剤師として応募したはずの面接で、採用担当者から思いがけず「あなたには、当社の〇〇という職種の方が向いているかもしれません」と、別の仕事を勧められる。そんな経験をしたら、あなたはどう感じるでしょうか。「応募した薬剤師職では評価されなかったのか」「これは遠回しな不採用のサインなのだろうか」と、頭が混乱し、不安な気持ちになるのは当然のことです。しかし、この予期せぬ提案は、必ずしもネガティブな意味だけを持つとは限りません。時には、あなたの潜在能力を高く評価した上での、前向きなものである可能性もあるのです。

企業が「別の職種」を勧める2つの意図

企業が面接の場で別の職種を提案する背景には、大きく分けて二つの意図が考えられます。一つは、あなたという「人材」そのものへの高い評価です。面接での対話を通じて、あなたのコミュニケーション能力や課題解決能力といった、薬剤師という専門職の枠を超えたポテンシャルに光るものを見出し、「もっと活躍できる場所が社内にある」と純粋に考えているケースです。これは、会社としてあなたという人材を何としても確保したいという、強い期待の表れと言えるでしょう。

一方で、残念ながら、応募した薬剤師職に求められる専門スキルや経験、あるいは人物像とは合致しない、という「ミスマッチ」を示唆しているケースもあります。その場合、角が立たないように不採用を伝えるための、丁寧な断り文句として、別の職種を提案するという形を取ることがあるのも事実です。

合否のサインを見極めるポイント

では、その提案がポジティブなものか、ネガティブなものか、どう見極めれば良いのでしょうか。一つの判断材料は、勧められた職種への「具体性」です。もし面接官が、「あなたの〇〇という強みは、〇〇という部署でこのように活かせます」と、具体的かつ熱意を持って説明してくれるのであれば、あなたへの評価が高い可能性があります。また、面接全体の雰囲気が和やかで、あなたの話に深く関心を示していたかどうかも重要なポイントです。

その場でどう対応すべきか？スマートな返答例

突然の提案には、まずは驚きと感謝の気持ちを伝えるのが、誠実な対応です。「大変光栄なご提案、ありがとうございます。そのような可能性があるとは考えておりませんでしたので、少し驚いております」と、正直な気持ちを伝えましょう。その上で、もしその職種に興味が持てるのであれば、「差し支えなければ、そのお仕事について、もう少し詳しくお聞かせいただけますでしょうか」と、前向きに情報収集する姿勢を見せます。あくまで薬剤師職にこだわりたい場合は、「大変ありがたいお話ですが、やはり私は薬剤師として、これまで培ってきた経験を活かしたいという思いが強くございます」と、丁寧にお断りし、改めて応募職種への熱意を伝えることが大切です。

薬剤師としてのキャリアを再考する機会に

たとえ今回の応募が不採用という結果に終わったとしても、この経験は決して無駄にはなりません。第三者である企業から、「薬剤師以外の適性」を客観的に指摘されたことは、ご自身のキャリアの可能性を広げる、またとない自己分析の機会です。本当に自分は調剤や服薬指導といった現場業務だけを続けたいのか、それとも学術や開発、教育といった別の分野に挑戦する道もあるのか、ご自身のキャリアプランを深く見つめ直すきっかけと捉えましょう。

客観的なキャリア相談なら転職エージェントへ

このような経験をすると、「自分の本当の適性は何だろう」「これからどの道に進むべきか」と、一人で深く思い悩んでしまいがちです。薬剤師専門の転職エージェントは、数多くの薬剤師の多様なキャリアパスを見てきたプロフェッショナルとして、客観的な視点から、あなたに最適なキャリアの道を一緒に探すお手伝いをします。あなた自身も気づいていない新たな可能性を提示したり、薬剤師資格を活かせる様々な職種を具体的に紹介したりすることも可能です。

まとめ

面接で別の職種を勧められることは、必ずしも不採用のサインではありません。それは、あなたの新たな可能性を示唆する、企業からの貴重なフィードバックです。その提案に真摯に向き合い、ご自身のキャリアを見つめ直す機会とすることで、より納得のいく、あなたらしい転職活動へと繋がっていくはずです。一人で悩まず、プロの視点を取り入れながら、あなたにとって最善の道を見つけていきましょう。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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