薬剤師の転職、オンライン面接（Web面接）で好印象を与える基本マナー

近年、薬剤師の転職活動においても、一次選考などを中心に、ZoomなどのWeb会議システムを利用したオンライン面接がすっかり定着しました。ご自宅など、場所を選ばずに面接に参加できるという利便性がある一方で、対面での面接とは異なる機材の準備や、画面越しのコミュニケーションには、特有のマナーと注意点が存在します。「カメラの目線はどこに合わせれば良いのか」「背景はどうすれば良いのか」「面接が終わったら、いつ退出ボタンを押せば良いのか」など、その一つひとつの作法に、戸惑いや不安を感じる方も少なくないでしょう。この記事では、準備から退室まで、オンライン面接の一連の流れにおける正しいマナーを理解し、画面越しでもあなたの誠実な人柄とプロ意識を最大限に伝えるためのポイントを詳しく解説いたします。

【準備編】差がつく！面接前の環境設定と事前準備

オンライン面接の成否は、面接が始まる前の準備段階で、その8割が決まると言っても過言ではありません。まず、最も重要なのが、安定したインターネット回線が確保できる、静かな環境を準備することです。面接中に家族の声やペットの鳴き声、外部の騒音などが入らないよう、プライベートな空間を確保しましょう。

背景は、あなたの印象を左右する重要な要素です。最も理想的なのは、白やアイボリーといった、無地の壁を背景にすることです。生活感のあるものが映り込まないよう、カメラに映る範囲は事前に必ず確認し、整理整頓しておきましょう。適切な場所がない場合は、無地のシンプルなバーチャル背景を使用するのも一つの手です。

服装や身だしなみは、対面の面接と全く同じです。画面に映らない下半身も、万が一の事態に備えて、きちんとスーツを着用しましょう。画面越しでは顔色が悪く見えがちなため、特に女性は、普段より少しだけ明るめのメイクを意識すると、健康的な印象になります。

【入室・面接中編】画面越しに信頼感を伝えるコミュニケーション術

面接開始時刻の5分前には、指定されたURLにアクセスし、カメラやマイクの最終チェックを済ませて待機します。面接官が入室したら、まずは、明るくはきはきとした声で「〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします」と挨拶しましょう。その際、座ったままで構いませんので、背筋を伸ばし、丁寧に一礼します。

面接中のアイコンタクトは、相手の顔が映る画面ではなく、「カメラのレンズ」を見て話すことを意識してください。これにより、相手からは、あなたとしっかりと目が合っているように見え、誠実な印象を与えることができます。また、音声は対面よりも伝わりにくいため、普段より少し大きめの声で、一語一語をはっきりと、そしてゆっくり話すことを心がけましょう。画面越しでは、あなたの細かな表情や反応が伝わりにくいものです。相槌を打つ際は、少し大きめに頷いたり、穏やかな表情を意識したりと、対面での面接以上に、豊かな表情で反応することが、円滑なコミュニケーションの鍵となります。

【退室編】最後の印象を美しく締めくくる「抜け方」のマナー

面接官から終了の合図があったら、面接の総仕上げである退室の作法に移ります。まずは、座ったままの姿勢で、「本日は、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました」と、はっきりと感謝の言葉を伝えます。そして、画面から頭が見切れないよう、丁寧に、かつゆっくりとお辞儀をします。

その後、ご自身ですぐに「退出」ボタンを押すのは避けましょう。原則として、「相手（面接官）が先に退出するのを待つ」のが、最も丁寧で安全なマナーです。面接官がミーティングを終了させるまでの短い間は、決して気を抜かず、穏やかな表情を保ち、正しい姿勢のまま静かに待機します。もし、面接官から「それでは、ご退出ください」と促された場合は、「失礼いたします」と再度軽く一礼してから、ご自身で退出ボタンを押しましょう。

【トラブル編】もしもの時の冷静な対処法

オンライン面接では、時に、通信が途切れたり、音声が聞こえなくなったりといった、機材トラブルが発生することもあります。その際は、決して慌てる必要はありません。まずは、「申し訳ございません、音声が聞こえにくくなってしまったようです」と、チャット機能を使うなどして、正直に状況を伝えます。もし接続が完全に切れてしまった場合は、速やかに再接続を試み、それでも復旧しない場合は、事前に知らされている緊急連絡先（電話番号）に連絡し、状況を説明してお詫びしましょう。このようなトラブル時の冷静な対応力もまた、あなたの問題解決能力として、評価の対象となっているのです。

オンラインでの振る舞いも、プロと一緒なら万全

オンライン面接は、対面面接のスキルに加えて、ITリテラシーや、非対面での高度なコミュニケーション能力といった、現代的なスキルが問われる場です。ご自身一人で、適切な機材の準備から、カメラ映りの客観的なチェック、そしてトラブル対応のシミュレーションまで、完璧に行うのは非常に難しいものです。そのような時は、転職の専門家であるキャリアアドバイザーにご相談ください。オンラインでの模擬面接を通じて、あなたの視線や声のトーン、背景設定までを客観的にチェックし、具体的な改善点を指導することで、あなたが自信を持って本番に臨めるよう、力強くサポートいたします。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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