薬剤師の転職面接、「ペーパーテスト」は何が出る?内容と対策を解説
面接だけではない?筆記試験への備え
薬剤師の転職活動といえば、まず面接対策に意識が向かうことでしょう。しかし、応募先の企業や病院によっては、面接と同時に、あるいはその前後に、ペーパーテスト、すなわち筆記試験が課されることがあります。「面接の準備は万全だったのに、筆記試験のことは全く考えていなかった」と、当日になって慌ててしまうことがないよう、事前にその可能性と、問われる内容について正しく理解しておくことが、転職成功への重要な鍵となります。
なぜペーパーテストが実施されるのか
企業が選考過程で筆記試験を行うのには、いくつかの明確な意図があります。最も大きな目的は、薬剤師としての業務を遂行する上で、最低限必要となる「基礎学力」を確認することです。特に、日々の業務に不可欠な計算能力や、薬学・法律に関する基本的な知識が身についているかを見ています。また、面接という主観的な評価に加えて、テストという客観的な評価指標を参考に、応募者をより多角的に、公平に評価したいという狙いもあります。
ペーパーテストの主な出題内容
薬剤師の転職活動で実施されるペーパーテストの内容は、大きく二つに分類できます。一つは、「専門知識に関する問題」です。中でも最も出題頻度が高いのが、調剤報酬の「点数計算」や、散薬・水剤の「薬学計算」です。その他、代表的な医薬品の作用機序や副作用、薬機法をはじめとする法律に関する基礎知識が問われることもあります。
もう一つは、「一般常識・適性検査」です。SPIに代表されるような言語能力・非言語能力を測るテストや、クレペリン検査のように、作業の正確性や持続力といった性格特性を測る検査が行われる場合もあります。
今からできる、ペーパーテスト対策
ペーパーテストの実施を知って、不安に感じる必要はありません。多くは、薬剤師としての基本的な知識と能力を問うものです。対策としては、まず薬剤師国家試験の対策本の中から、計算問題に関する部分を復習しておくのが効果的です。特に調剤報酬については、最新の情報に目を通しておくと安心でしょう。SPIなどの適性検査については、市販の対策本を一冊解き、問題の形式に慣れておくだけで、当日の対応が大きく変わります。
もし、テストの出来が悪くても
万が一、テストの出来が思わしくなかったとしても、それだけで合否が決定するわけではない、ということを心に留めておいてください。多くの場合、企業はペーパーテストの結果を、あくまで参考資料の一つとして捉えており、最終的には面接で示されたあなたの人柄や、仕事への熱意をより重視します。もし出来が悪かったと感じても、その後の面接で、「今回のテストで自身の勉強不足を改めて痛感しました。入社後は、一層自己研鑽に励んでまいります」と、正直さと前向きな姿勢を示すことで、かえって好印象に繋がる可能性さえあるのです。
薬剤師に求められる「生涯学習」の姿勢
医薬品や医療制度は、日々刻々と進化しています。薬剤師は、一度免許を取得すれば終わりではなく、生涯にわたって新しい知識を学び続けることが宿命づけられた職業です。ペーパーテストは、現時点でのあなたの知識レベルだけでなく、あなたが「新しいことを学ぶ意欲」や、「課題に対して真摯に取り組む姿勢」を持っているかどうかを見極めるためのものでもあるのです。
「情報戦」を制する、転職エージェントの活用
「応募を考えているこの薬局では、筆記試験は実施されるのだろうか」「もしあるとしたら、どのような問題が出るのだろうか」。こうした選考に関する具体的な情報は、個人で収集するには限界があります。薬剤師専門の転職エージェントは、企業の採用に関する詳細な情報を、過去の豊富な実績から蓄積しています。「こちらの病院は、一次面接で簡単な計算問題のテストがありますよ」といった、具体的な情報を事前に提供することで、あなたの転職活動を強力にサポートします。
まとめ
薬剤師の転職面接でペーパーテストが課されることは、もはや特別なことではありません。テストの有無やその傾向を事前に把握し、基本的な計算問題などを少し復習しておくだけで、当日は余計な心配をすることなく、落ち着いて臨むことができます。筆記試験も、あなたの薬剤師としての基礎能力と、学習意欲を示すためのアピールの一環と前向きに捉え、万全の準備で臨みましょう。