薬剤師の転職面接、「性格(長所・短所)」を問われた時の答え方
転職活動の面接において、「あなたの性格について教えてください」あるいは「ご自身の長所と短所は何ですか」という質問は、自己PRや志望動機と並んで、必ずと言っていいほど尋ねられる定番の質問です。しかし、定番であるがゆえに、その答え方には応募者の自己分析能力や、仕事への適性が如実に表れるため、準備に悩まれる方も少なくありません。この記事では、ご自身の性格を客観的に分析し、それを薬剤師としての強みとして面接官に伝え、信頼感を勝ち取るためのポイントについて詳しく解説いたします。
企業が「性格」について質問する意図
まず、なぜ面接官が応募者の性格について質問するのか、その背景にある意図を理解することが大切です。企業側が知りたいのは、主に「仕事への適性」「社風との相性」、そして「自己分析能力の高さ」です。薬剤師の業務には、高い正確性や注意力、そして患者様と真摯に向き合うコミュニケーション能力が求められます。あなたの性格が、そうした薬剤師に不可欠な資質と合致しているかを見極めたいのです。また、チームの一員として、既存の社員と円滑な人間関係を築き、企業の文化に馴染めるかという点も、長く活躍してもらう上で重要な要素となります。
「長所」の答え方:具体的なエピソードで裏付ける
ご自身の長所をアピールする際は、ただ単に「私の長所は責任感が強いことです」と述べるだけでは、説得力に欠けてしまいます。その長所が、実際の業務の中でどのように発揮されたのかを、具体的なエピソードを交えて語ることが、面接官の心に響かせるための鍵となります。まず、結論としてご自身の長所を簡潔に述べ、次に、その長所を発揮して課題を解決したり、成果を出したりした経験を具体的に話します。そして最後に、その長所を、入社後に応募先企業でどのように活かして貢献していきたいかを伝えることで、一貫性のある力強いアピールとなります。薬剤師の仕事に結びつく、「真面目で責任感が強い」「粘り強い」「協調性がある」といった長所を選ぶと良いでしょう。
「短所」の答え方:改善意欲をセットで伝える
多くの方が最も悩むのが、「短所」の伝え方です。短所を正直に話すことで、マイナスの評価に繋がるのではないかと不安に感じるかと存じます。しかし、短所に関する質問で面接官が見ているのは、短所そのものの内容よりも、ご自身がそれを客観的に認識し、改善しようと前向きに努力しているか、その姿勢です。まず、薬剤師としての適性を根本から否定するような短所(例えば「大雑把」「時間にルーズ」など)を挙げるのは絶対に避けましょう。「慎重すぎるあまり、時に判断に時間がかかることがある」というように、長所の裏返しとなるような短所を選ぶのが一般的です。そして、その短所を正直に認めた上で、「その短所を克服するために、現在〇〇という工夫を心がけております」というように、具体的な改善努力をセットで伝えることが、あなたの誠実さと成長意欲を示す上で非常に重要です。
長所と短所の答えに「一貫性」を持たせる
長所と短所について答える際は、その両方に一貫性を持たせることが、自己分析が深くできていることを示す上で効果的です。例えば、「私の長所は、一度決めたことは最後までやり遂げる責任感の強さです」と述べたのであれば、その裏返しとして、「一方で、時に一人で仕事を抱え込みすぎてしまう点が短所だと認識しております。そのため、現在は意識的に周囲に進捗を報告し、協力を仰ぐことで、チームとして成果を最大化することを学んでおります」というように繋げると、話に説得力が生まれます。
客観的な視点で、あなたの魅力を引き出す
「性格」に関する質問は、ご自身のキャリアを客観的に見つめ直し、それを応募先企業への貢献意欲へと繋げる、自己PRの集大成ともいえる重要な質問です。しかし、ご自身の性格を客観的に分析し、数あるエピソードの中から最も効果的なものを選び出し、それを説得力のある言葉で表現するのは、一人では非常に難しい作業です。そのような時は、転職の専門家であるキャリアアドバイザーにご相談ください。プロの視点からあなたの職務経歴や人柄を分析し、アピールすべき「長所」や、誠実に伝えるべき「短所」とその改善策を、一緒に見つけ出すお手伝いをいたします。