薬剤師の面接、印象を左右する「座り方」の基本マナー
転職活動の面接は、質疑応答の内容だけでなく、会場に入室してから退室するまでの一連の立ち居振る舞い全てが、評価の対象となります。特に、面接時間の大半を占める「座っている時の姿勢」は、応募者の自信や誠実さ、そして品格を無言のうちに伝える、極めて重要な要素です。美しい座り方は、それだけで相手に安心感と信頼感を与えます。ここでは、男女別に、面接官に好印象を与える正しい椅子の座り方と、それに関連するマナーについて詳しく解説いたします。
椅子に座るまでの流れ
美しい座り方は、椅子に腰を下ろすまでのスムーズな流れから始まります。入室後、面接官の方へ向き直って挨拶と一礼を済ませたら、指定された椅子の横まで進みます。そこで再び面接官の方を向き、「〇〇 〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします」と挨拶をした後、面接官から「どうぞ、お掛けください」と着席を勧められるのを待ちます。勧められる前に勝手に座ってしまうのはマナー違反です。着席を促されたら、「失礼いたします」と軽く会釈をしてから、丁寧に腰を下ろしましょう。
【男性編】自信と安定感を示す座り方
男性が椅子に座る際は、背もたれに寄りかかることなく、背筋をまっすぐに伸ばした姿勢を保つことが基本です。椅子の半分から3分の2程度の位置に深く腰掛け、安定感のある印象を与えましょう。足は組まずに肩幅程度に軽く開き、両足を床にしっかりとつけます。手は軽く握り、左右それぞれの太ももの上に自然に置くと、落ち着きのある堂々とした姿勢に見えます。猫背になったり、逆に胸を張りすぎたりせず、あくまで自然でリラックスした状態を心がけることが大切です。
【女性編】品格と誠実さを表す座り方
女性の場合も、背もたれには寄りかからず、背筋をすっと伸ばした美しい姿勢が基本となります。両膝と両かかとをぴったりと揃え、足を正面にまっすぐ下ろすか、少しだけ左右どちらかに流すと、上品で洗練された印象になります。面接の場で足を組むのは避けましょう。手は、両手を指を伸ばして重ね、膝の中央に置くのが最も丁寧で、美しい所作とされています。指先まで意識を配ることで、細やかな気配りができる人物であるという印象に繋がります。
意外と見られているカバンの置き方
着席する際、意外と迷うのが手荷物であるカバンの置き場所です。カバンは、ご自身が座る椅子の横の床に、倒れないようにきちんと置くのが基本的なマナーです。書類などを取り出すことを考え、利き手側に置くとスムーズです。空いている隣の椅子の上や、テーブルの上、あるいはご自身の膝の上に置くのはマナー違反とされていますので、注意しましょう。コートなどの上着がある場合は、きれいにたたんでカバンの上に置くのがスマートです。
良い姿勢がもたらす心理的効果
正しい姿勢を保つことは、見た目の印象を良くするだけでなく、ご自身にも良い影響を与えます。背筋を伸ばし、胸を軽く開くことで呼吸が深くなり、声が通りやすくなります。その結果、はきはきとした明瞭な受け答えができるようになり、自信のある堂々とした印象を与えることができます。丁寧な所作の一つひとつが、ご自身が真摯に面接に臨んでいるという誠実な姿勢の表れとなり、薬剤師として患者様と接する際の丁寧な態度をも連想させるのです。
立ち居振る舞いの練習はプロの視点で
ご自身の座り方や入退室のマナーが、客観的にどのように見えているのかを自分自身で把握するのは、なかなか難しいものです。薬剤師の転職を専門とする転職エージェントが提供する模擬面接では、質疑応答の内容だけでなく、入室から退室までの一連の立ち居振る舞いについて、プロの視点から具体的なフィードバックを受けることができます。細やかな所作まで洗練させることで、より一層自信を持って本番に臨むことができるでしょう。