薬剤師の転職面接で「手応えなし」と感じた時に考えるべきこと

転職活動における重要な面接を終えた後、「うまく話せなかった」「面接官の反応が薄かった気がする」と、全く手応えを感じられずに、重い足取りで帰路につく。真剣に準備をして臨んだからこそ、その落胆は大きく、「今回の面接は、もう不合格かもしれない」という失望感が、次の活動への意欲さえも削いでしまうことがあります。しかし、応募者ご自身が感じる主観的な「手応え」と、実際の選考結果は、必ずしも一致するものではありません。この記事では、「手応えなし」と感じた時に、過度に落ち込むことなく、その経験を次への貴重なステップに変えるための、冷静な分析方法と考え方について詳しく解説いたします。

なぜ「手応えなし」と感じてしまうのか

面接後に「手応えがなかった」と感じてしまうのには、いくつかの典型的な状況が考えられます。例えば、面接官の相槌が少なかったり、表情が硬かったりして、「自分の話に関心がないのではないか」と感じるケースです。しかしこれは、応募者の反応を見るために、あえてポーカーフェイスを貫く面接官のスタイルである可能性も十分にあります。また、予定されていた時間よりも早く面接が終了した場合も、興味を持たれなかったサインだと捉えがちですが、逆に、提出された応募書類の時点で既に評価が高く、確認程度の短い面接で済んだ、というポジティブな可能性も否定できません。ご自身の厳しい自己評価から、「うまく話せなかった」と感じることも多いですが、あなたが思う「完璧な受け答え」と、面接官が求める「合格ライン」は、必ずしも同じではないのです。

「手応え」と「合否」は必ずしも一致しない

面接を経験した多くの転職者が口にするのが、「手応えがあったと感じた面接ほど不合格で、もうダメだと思った面接で合格した」という経験です。応募者の主観的な「手応え」は、ご自身の自己評価が厳しすぎたり、逆に希望的観測が入り混じったりするため、残念ながら、合否を判断する上で、非常のあてにならない指標であると言えます。面接官が終始にこやかで、気持ちよく話させてくれたとしても、それは単に、応募者に不快な思いをさせないという、企業の丁寧な姿勢の表れであるに過ぎない場合もあります。大切なのは、ご自身の主観的な手応えに一喜一憂することなく、正式な結果が通知されるまでは、冷静に次の準備を進めるという、前向きな姿勢を保つことです。

手応えがなかった面接の後に、できること

ただ落ち込んでいるだけでなく、今できる具体的なアクションを起こすことで、気持ちを切り替え、状況を好転させられる可能性もあります。まず、面接の機会をいただいたことへの感謝を伝えるお礼メールを送ってみましょう。その中で、「面接では緊張のあまり十分にお伝えすることができませんでしたが」と一言前置きをした上で、あなたが伝えきれなかった入社への強い意欲や、貢献できる点を簡潔に補足することで、これが最後の一押しとなって、評価が変わる可能性もゼロではありません。そして何よりも、今回の面接を冷静に振り返ることが重要です。「あの質問には、もっとこう答えれば良かった」「企業研究のこの点が甘かった」など、感情を排して事実だけを分析し、具体的な改善点を次の面接のために書き出しておきましょう。

次の面接へ向けて、気持ちを切り替える方法

一つの面接結果に、心を縛られすぎないようにしましょう。今回の面接は、数ある選考の中の一つであり、たとえご縁がなかったとしても、あなた自身の薬剤師としての価値が否定されたわけでは決してありません。今回の反省点を一つでも次に活かすことができれば、それは失敗ではなく、「価値ある経験」となります。転職活動のことばかりを考えず、趣味や好きなことに没頭する時間を作り、意識的に気持ちをリフレッシュさせることも、長い転職活動を乗り切る上では非常に大切です。

客観的な「手応え」を、専門家と共に

面接の「手応え」という、曖昧で主観的な感覚に一喜一憂し、一人で悩み続けることは、転職活動において大きな精神的消耗を伴います。個人での応募の場合、面接官があなたのことを本当にどう評価したのか、その客観的な事実を知る術はなく、ただ不安な時間を過ごすしかありません。このような時、転職エージェントはあなたの心強い味方となります。キャリアアドバイザーは、面接後に、企業の採用担当者から、あなたの評価や面接の感触について、客観的なフィードバックをヒアリングすることが可能です。「今回は〇〇の点が非常に高く評価されていましたよ」といったポジティブな情報や、「次は△△の点をもう少し具体的に話せると良いでしょう」といった、次につながる具体的なアドバイスを得ることで、あなたは曖昧な「手応え」に悩むことなく、確かな戦略を持って、次のステップへ進むことができるのです。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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