面接で「挫折経験はない」と答えるのはOK?困難を乗り越えた経験の伝え方
転職活動の面接で「これまでの挫折経験について教えてください」と質問された際、「特に思い当たるような大きな挫折はない」と感じ、どのように答えるべきか悩んでしまう方は少なくありません。正直に「ありません」と答えるべきか、あるいは何か話すべきか、その判断は難しいものです。しかし、この質問に対して正直に「ありません」と答えてしまうと、ご自身の意図とは裏腹に、面接官にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。ここでは、「挫折経験がない」と感じる方が、どのようにこの質問に向き合い、ご自身の強みをアピールする答え方を見つけるかについて解説いたします。
「挫折経験はない」という回答が与える印象
まず、なぜ「挫折経験はありません」という回答が避けるべきなのか、その理由を理解することが重要です。面接官は、応募者の大きな失敗談を聞きたいわけではありません。この質問を通して、困難な状況にどう向き合い、それを乗り越える力があるかを知りたいのです。そのため、「ない」という回答は、「新しいことや困難なことに挑戦してこなかった人物」「自身の経験を深く振り返ることができていない」といった印象を与えかねません。また、「打たれ弱いのではないか」という懸念を抱かせてしまう可能性もあります。
「挫折」の定義を広げて考えてみる
「挫折経験がない」と感じる方の多くは、「挫折」という言葉を非常に大きな失敗や、目標を完全に断念した経験と捉えているのではないでしょうか。しかし、面接官が聞きたいのは、必ずしもそのような大失敗の話ではありません。「高い目標に対して、壁にぶつかりながらも、それを乗り越えようと努力した経験」であれば、この質問の意図に十分応えることができます。「挫折」を「自分の力不足を痛感した経験」や「試行錯誤しながら困難な課題を乗り越えた経験」と言い換えて、ご自身のキャリアを振り返ってみましょう。
困難を乗り越えた経験を話す際の構成
「挫折」という言葉を使わなくても、ご自身の強みをアピールできるストーリーを組み立てることは可能です。まず、どのような状況で、どのような「目標」を立てたのかを説明します。次に、その目標達成の過程で、どのような「困難や課題」に直面したのかを具体的に話します。そして、その壁を乗り越えるために、ご自身がどのように考え、工夫し、「行動」したのかを述べます。最後に、その行動の結果と、経験を通じて何を得て、今後その「学び」をどう活かしていけるのかを伝えることで、面接官が求める「困難への対処能力」と「成長意欲」を示すことができます。
薬剤師の経験から見つける「困難を乗り越えた経験」
薬剤師としての日々の業務の中にも、アピールできる「困難を乗り越えた経験」は数多く隠されています。例えば、服薬アドヒアランスが著しく低い患者様に対し、根気強くコミュニケーションを取り、生活背景を理解することで、最終的に信頼関係を築き、服薬状況を改善させた経験。あるいは、未経験だった在宅医療の担当を任され、当初は戸惑いながらも、必死に勉強し、多職種と連携することで、一人の患者様の療養生活を支えることができた経験なども、立派なエピソードとなり得ます。
ポジティブな経験の言語化をプロに相談する
ご自身にとっては当たり前の業務としてこなしてきたことの中にこそ、実はアピールできる貴重な経験が眠っていることは少なくありません。しかし、その価値をご自身一人で客観的に見つけ出し、面接官に響くエピソードとして言語化するのは難しい作業です。薬剤師の転職を専門とする転職エージェントでは、専門のコンサルタントがキャリアカウンセリングを通じて、応募者のご経験を丁寧に深掘りします。対話を通じて、ご自身では「挫折経験はない」と思っていても、実は強みとしてアピールできる貴重な経験が数多くあることに気づくことができるでしょう。