病院での面接、「何分前」に到着するのが正解? 薬剤師の訪問マナー
薬剤師の転職活動において、「病院」での面接は、調剤薬局やクリニックとはまた異なる緊張感があるものです。特に、総合病院のような大きな施設の場合、「どの受付に行けばよいのか」「一体、何分前に到着するのが適切なのか」と、当日の訪問マナーに不安を感じる方も少なくないでしょう。
病院は「患者様が第一」の場所であり、そこで働く薬剤師として、皆様の訪問時の振る舞いは厳しく見られています。この記事では、病院での面接に臨む際の、適切な到着時間とマナーについて詳しく解説いたします。
病院特有の事情:「早すぎる訪問」がなぜ迷惑になるか
面接への熱意を示すために「できるだけ早く行こう」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、病院において「早すぎる訪問」は、かえってマイナスの印象を与えてしまう可能性が高いため、特に注意が必要です。
その最大の理由は、病院の最優先事項が「患者様の診療」であるためです。皆様が約束の15分も20分も前に訪問してしまうと、総合受付は患者様やそのご家族の対応で混雑しているかもしれません。また、面接官である薬剤部長や人事担当者も、面接の直前まで診療支援業務や管理業務、あるいは他の会議を行っていることがほとんどです。
準備が整っていない中での早すぎる訪問は、多忙なスタッフの業務を妨げ、患者様がいらっしゃる待合室で、スーツ姿の皆様が長時間待機することになり、双方にとって望ましくない状況を生んでしまいます。「配慮に欠ける」という印象を与えかねないため、早すぎる訪問は厳に慎むべきです。
「遅刻」が薬剤師として致命的になる理由
もちろん、だからといって時間にルーズで良いわけでは決してありません。言うまでもなく、面接への遅刻は厳禁です。
特に「薬剤師」という職業は、患者様の命と健康に関わるため、時間の正確性が厳しく問われます。薬の投与時間、スケジュールの管理など、時間に対する厳格な姿勢は、薬剤師としての信頼の根幹です。面接への遅刻は、その時点で「時間管理ができない人」「信頼性に欠ける人」という、取り返しのつかない評価に直結してしまうのです。
理想は「10分前に建物到着、5分前に受付」
では、病院への面接訪問は、「何分前」が最適なのでしょうか。
私たちは、**「約束の10分前に病院の建物(あるいは指定された棟)に到着し、5分前に受付に声をかける」**という行動を推奨しています。
病院は建物が大きく、総合受付から薬剤部まで距離がある、あるいは建物が複数に分かれていて分かりにくい、といったケースも想定されます。道に迷う可能性も考慮し、余裕を持って移動し、「10分前」には目的の建物の入り口に到着するようにします。もしそれよりも早く着きすぎた場合は、近隣で時間を調整し、心を落ち着けましょう。
10分前から5分前までの「最終準備」
建物に入る直前のこの時間は、ご自身の最終準備の時間です。もう一度、スーツの乱れや髪型などをチェックし、身だしなみを整えます。携帯電話の電源は、マナーモードではなく、このタイミングで完全に切っておくのが万全です。
「5分前」に受付へ声をかける
そして、約束の時間の「5分前」になったら、いよいよ受付に向かいます。この「5分前」というタイミングは、病院側も(直前まで業務をしていたとしても)心の準備ができており、かつ、業務に与える支障を最小限にできる、最も適切な時間です。
病院の受付では、どう声をかけるべきか
事前に「総合受付にお越しください」「直接、薬剤部までお越しください」など、訪問すべき受付の指示があるはずです。必ずそれに従ってください。
総合受付の場合は、患者様の対応が優先されます。受付スタッフの手が空いたタイミングを見計らい、落ち着いて声をかけます。
「恐れ入ります。本日○時より、薬剤部の(担当者名)様と面接のお約束をいただいております、薬剤師の(ご自身の氏名)と申します」
このように、ご自身の身元と要件をハキリと、しかし穏やかな声で伝えることが大切です。
細かな不安もエージェントがサポートします
「この病院は受付が複雑で分かりにくい」「薬剤部長はどのような方だろうか」といった内部事情は、ご自身で調べることは困難です。
転職エージェントは、こうした応募先の病院の特性や雰囲気、面接官の傾向まで把握しているケースも少なくありません。面接の受け答えの対策はもちろん、こうした当日の細かなマナーに関する不安まで、事前に解消できるのがエージェントを活用する大きなメリットです。
万全の準備で自信を持って面接に臨むために、ぜひ私達のような専門家をご活用ください。







