面接の「カバン」はどこに置く? 入退室で差がつく、薬剤師の所作マナー
薬剤師の転職活動において、面接はご自身の経験や熱意を伝える最も重要な場面です。多くの方が「何を話すか」という問答の準備に集中されますが、面接官は、皆様が面接室に入室する瞬間から、退室してドアを閉める最後の瞬間まで、その一連の所作(しょさ)にも厳しく注目しています。
特に、ご自身の「カバン(ビジネスバッグ)」を、入退室の際にどのように扱い、面接中はどこに置くか。この一連の流れは、皆様の「丁寧さ」や「配慮」を無言のうちに伝えてしまう、非常に重要なマナーの一つです。
この記事では、薬剤師の皆様が面接本番で慌てず、スマートな印象を与えるための、正しい「入退室」と「カバン」の扱い方について、詳しく解説いたします。
「カバン」の扱いで、なぜ印象が変わるのか
薬剤師という職業は、患者様の命と健康に関わる医薬品を扱うため、日常業務において何よりも「丁寧さ」「正確性」「清潔感」そして「周囲への配慮」が求められます。
面接官が、入退室の際の「カバン」の扱い方を見た時、それがもし雑であったり、不適切な場所に置かれたりした場合、「この人は、もしかしたら調剤業務や衛生管理においても、どこか配慮が足りないのではないか」と、無意識のうちに皆様の薬剤師としての資質と結びつけて判断してしまう可能性も、ゼロではないのです。
「カバン」の扱い方一つで、皆様の「丁寧さ」や「落ち着き」をアピールする機会にもなれば、その逆にもなり得るのです。
【入室編】入室から着席まで。「カバン」のスマートな扱い方
入室時は、これからお世話になる面接官への最初の「ご挨拶」の場面です。カバンの扱いで慌てないよう、流れを確認しましょう。
- ノックから入室までドアを3回ノックし、室内から「どうぞ」の声が聞こえたら、「失礼いたします」と一礼して入室します。この時、カバンは利き手と反対の手(例えば、右利きなら左手)で持っておくと、ドアの開閉や、その後の動作がスムーズになります。
- ドアを閉めて、椅子の横へドアを静かに閉めたら、面接官の方に向き直り、用意された椅子の横(ドアに近い側)まで進みます。
- 挨拶は「カバンを持ったまま」椅子の横に立ったら、カバンは利き手と反対の手に持ったまま、あるいは床に置いても構いませんが、まずは立ったままの姿勢で、面接官の目を見てハキリと挨拶をします。「(ご自身の氏名)と申します。よろしくお願いいたします」と挨拶し、深く一礼します。
- 着席と「カバン」を置くタイミング面接官から「どうぞ、おかけください」と着席を促されてから、「失礼いたします」と再び軽く一礼し、着席します。カバンを置くのは、この「着席するタイミング」です。
面接中の「カバン」の正しい置き場所
面接中、カバンはどこに置くのが正解でしょうか。
正解は、**「ご自身が座る椅子の、脚元(あしもと)」**です。
- 利き手と反対側の脚元に、倒れないように自立させて置きます。
- カバンが自立しないタイプの場合は、倒れても邪魔にならないよう、椅子の脚にそっと立てかけるように置きます。
ここで絶対にやってはいけないのが、**「空いている隣の椅子」や「面接用のテーブルの上」**にカバンを置くことです。それらは皆様のものではなく、応募先(会社側)の備品です。ご自身の私物であるカバンを、許可なく置くことは、重大なマナー違反と見なされます。
【退室編】最後の印象を決める、「カバン」の扱い
面接が無事に終了し、退室する瞬間は、最後の印象を決める大切な場面です。
- お礼と立ち上がる準備面接終了を告げられたら、まずは座ったまま「本日はお忙しい中、誠にありがとうございました」とお礼を述べます。その後、床に置いたカバンを手に取る準備をします。
- 椅子の横で一礼カバンを手に持ち、立ち上がります。そして、入室時と同様に、再び椅子の横に立ち、面接官の方をしっかりと見て、「本日は、誠にありがとうございました。よろしくお願いいたします」と述べ、深く一礼します。
- ドアの前で一礼し、退室カバンを持ったまま、ドアの前まで進みます。退室する直前に、もう一度面接官の方に向き直り、「失礼いたします」と述べ、丁寧に一礼してから、静かにドアを開けて退室します。
転職エージェントが、皆様の「所作」の不安もサポートします
「入退室のマナー」や「カバン」の扱い方は、頭では分かっていても、面接本番の緊張状態では、無意識のうちにご自身の癖が出てしまうものです。
私たち転職エージェントは、皆様の薬剤師としてのキャリアプランに最適な求人をご紹介するだけでなく、面接本番で皆様の魅力が最大限に伝わるよう、総合的なサポートを行っております。
「模擬面接」の場では、皆様の受け答えの内容はもちろんのこと、こうした「入退室のマナー」「カバンの置き場所」といった細かな所作まで、客観的な視点で確認し、アドバイスをさせていただくことが可能です。
ご自身のマナーに自信が持てれば、面接本番でも余計な緊張をすることなく、本来の力を存分に発揮することができます。面接に関するどんな些細な不安も、どうぞお気軽に私達にご相談ください。







