雨の日の面接、「傘」の扱いで差がつく。入退室マナーと置き場所
薬剤師の転職活動において、面接はご自身のキャリアを左右する重要な場面です。しかし、当日の天候が「雨」だった場合、皆様は通常の面接準備に加えて、「濡れた傘の扱い」という、ビジネスマナーの試験にも直面することになります。
薬剤師という職業は、患者様の命と健康に関わる医薬品を扱うため、日常業務において何よりも「丁寧さ」「清潔感」「周囲への配慮」が求められます。雨の日に、濡れた傘をどのように扱うか。その所作(しょさ)一つで、皆様のそうした資質が、面接官に伝わってしまいます。
この記事では、雨の日の面接で慌てず、ご自身の「配慮深さ」をしっかりと伝えるための、正しい「入退室」と「傘」の扱い方について、詳しく解説いたします。
建物に入る前:最初の「配慮」が問われる瞬間
雨の日の面接マナーは、面接会場の建物に入る前から始まっています。
1. 水滴をしっかり落とす
まず、建物のエントランスに入る直前(軒下など)で、傘を閉じ、周囲に人がいないことを確認した上で、傘の水滴をしっかりと振り落とします。訪問先の床を、ご自身の傘の水滴で濡らさないようにする。これが、社会人としての最初の「配慮」です。
2. 傘袋に入れる(あるいは持参の袋で包む)
建物に傘立てや傘袋が備え付けられている場合は、必ずそれを利用します。
(折りたたみ傘の場合)
折りたたみ傘は、傘立てに入れられず、面接室まで持ち込むことになるケースがほとんどです。水滴を落とした後、その場で素早く畳み、備え付けの傘袋に入れます。
もし傘袋が備え付けられていない場合に備え、雨の日の面接では「折りたたみ傘を(濡れたまま)入れられる、少し大きめのビニール袋や、吸水性のあるタオル」をカバンに用意しておくと、非常にスマートです。
ここで絶対に避けたいのは、「濡れた折りたたみ傘を、そのままご自身のカバンに無理やり押し込む」ことです。カバンの中の大切な書類(履歴書のコピーなど)が濡れてしまうリスク管理ができていない、と見なされるだけでなく、単純に「清潔感に欠ける」という印象を与えてしまいます。
【入退室】面接室に「傘」を持ち込む場合の置き場所
無事に受付を済ませ、面接室に案内された場合、その「傘」はどこに置くべきでしょうか。(※長傘で、受付や待合室に傘立てがあり、そこに置くよう案内された場合は、持ち込む必要はありません)
1. 入室から着席まで
入室の際は、カバンを「利き手と反対の手」で持ちます。傘は、そのカバンと一緒に持つか、あるいはカバンに(濡れないように袋に入れた状態で)しまっておきます。
椅子の横に立ち、挨拶を済ませ、面接官から「どうぞ、おかけください」と着席を促されます。
2. 「傘」の正しい置き場所(面接中)
着席すると同時に、カバンをご自身の椅子の脚元(利き手と反対側)に置きますが、傘も、そのカバンと一緒に床に置くのが正解です。
- カバン(自立するもの)に、そっと寄り添わせるように立てかける。
- あるいは、カバンの横に、邪魔にならないよう寝かせて置く。
【絶対にやってはいけない置き場所】
- 面接用のテーブル:テーブルは書類などを広げる場所です。濡れた(あるいは、濡れている可能性のある)傘を置くのは、最も失礼にあたります。
- 椅子の背もたれ:ご自身の椅子であっても、背もたれに傘をかけるのは見苦しく、だらしない印象を与えます。
- 空いている隣の椅子:隣の椅子は、皆様のものではなく、応募先(会社側)の備品です。ご自身の私物であるカバンや傘を、許可なく置くことは、重大なマナー違反です。
あくまで、ご自身の足元(椅子の脚元)に、カバンとまとめてコンパクトに置く、というのが鉄則です。
【退室時】最後まで気を抜かない
面接が無事に終了し、退室する際も、「傘」の扱いで慌てないことが大切です。
面接終了のお礼を述べ、立ち上がる準備をする際に、床に置いたカバンと「傘」を、忘れずに一緒に手に取ります。
荷物が増えたことで動作が慌ただしくならないよう、落ち着いて行動します。退室の挨拶をし、ドアを閉めるまで、スマートな所作を心がけましょう。そして、建物の外に出るまでは、当然ながら傘を開かないようにします。
転職エージェントが「今さら聞けないマナー」もサポートします
「雨の日の傘の扱い方」一つとっても、これほど細かなマナーが存在します。こうした「知っていればできる」ことも、知らなければ、ご自身の評価を不用意に下げてしまう原因になりかねません。
「こういう細かなことは、今さら誰にも聞けない」と、一人で不安を抱えていらっしゃる薬剤師の方も多いのではないでしょうか。
私たち転職エージェントは、薬剤師の皆様の転職活動を成功に導くため、求人のご紹介や面接の問答対策はもちろんのこと、こうした「入退室のマナー」「傘や上着の扱い方」「身だしなみ」といった、第一印象を決定づける基本的なビジネスマナーについても、模擬面接などを通じてきめ細かくサポートいたします。
ご自身の振る舞いに自信が持てれば、面接本番でも天候に左右されず、余計な緊張をすることなく、本来の力を存分に発揮することができます。面接に関するどんな些細な不安も、どうぞお気軽に私達にご相談ください。







