面接官の記憶に残る、薬剤師の「入退室の作法」。信頼感を伝えるマナーとは
薬剤師の転職活動において、面接はご自身の経験やスキル、熱意を伝える最も重要な場面です。多くの方が、自己PRや志望動機といった「話す内容」の準備に万全を期されますが、面接官は、皆様が「どのように振る舞うか」という、入室から退室までの一連の「作法(さほう)」にも、厳しく注目しています。
どれほど素晴らしい経歴や熱意をお持ちでも、入退室のマナーや作法が乱雑であったり、配慮に欠けていたりすると、「普段の業務も丁寧ではないかもしれない」「患者様やスタッフへの配慮が不足しているかもしれない」といった、意図しないマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
薬剤師として求められる「丁寧さ」「正確性」「落ち着き」といった資質は、まさにこうした細かな所作に表れるのです。この記事では、面接本番で慌てず、ご自身の「信頼感」をしっかりと伝えるための、基本的な「入退室の作法」について、具体的な流れに沿って詳しく解説いたします。
【入室の作法】第一印象を決める、入室から着席までの流れ
面接の第一印象は、皆様が面接室に入室する最初の数十秒で決まると言っても過言ではありません。一つひとつの動作を、落ち着いて丁寧に行うことを心がけましょう。
ノックから入室まで
まず、待合室などで担当者に名前を呼ばれたら、面接室のドアの前まで進みます。ドアを「コン、コン、コン」と3回、強すぎず弱すぎない音でノックします。(ビジネスシーンでは3回が丁寧な作法とされています)
室内から「どうぞ」「お入りください」という返事があったら、「失礼いたします」と室内に聞こえる声で述べ、軽く一礼(会釈)してからドアを開けて入室します。
ドアの閉め方と椅子の横への移動
入室したら、面接官の方に完全に背中を向けないよう、ドアの方に少し斜めに向き直ります。そして、ドアノブを持った手で、静かに、丁寧にドアを閉めます。「バタン!」と大きな音が立たないよう、最後まで手を添えて閉め切ることが、丁寧さを示す最初の作法です。(※いわゆる「後ろ手」で閉めるのは厳禁です)
ドアを閉めたら、面接官の方に向き直り、一礼した後、用意された椅子の横(通常はドアに近い側)まで進みます。
最初の「挨拶」と着席の作法
椅子の横に立ったら、面接官の目を見て、ハキリとした声で挨拶をします。
「(ご自身の氏名)と申します。本日は、面接のお時間をいただき、誠にありがとうございます。よろしくお願いいたします」
挨拶が終わったら、背筋を伸ばしたまま、最も丁寧なお辞儀(30度~45度)を、心を込めて行います。
ご自身の判断で先に座ることはせず、必ず面接官から「どうぞ、おかけください」と着席を促されてから、「失礼いたします」と再び軽く一礼し、着席します。カバンは椅子の脚元(利き腕と反対側)に自立させて置くのがマナーです。
【退室の作法】最後の印象を決定づける、退室までの流れ
面接がどれほど上手くいったと感じても、最後の「退室」マナーで気を抜いてはいけません。感謝の気持ちを込めて、最後まで丁寧な作法を心がけましょう。
面接終了の合図と感謝
面接官から「本日はこれで終了です」といった言葉があったら、まずは座ったまま、「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました」と、感謝の気持ちを伝えます。その後、荷物をまとめ、立ち上がります。
退室の「挨拶」
立ち上がったら、入室時と同様に、椅子の横に立ち、面接官の方をしっかりと見て、改めて「本日は、誠にありがとうございました。よろしくお願いいたします」と述べ、深く一礼します。
ドアの前での一礼と最後の退室
ドアの前まで進み、退室する直前に、もう一度、必ず面接官の方に向き直ります。「失礼いたします」と述べ、丁寧に最後の一礼(会釈)をします。
静かにドアを開けて退室したら、部屋の外で面接官に背中を向けたままドアを閉める(=後ろ手)のではなく、必ずドアの方に向き直り、面室官に最後の会釈(えしゃく)をするくらいの気持ちで、静かに、丁寧にドアを閉めます。建物を出るまでが面接である、という意識を持ちましょう。
なぜ「入退室の作法」が薬剤師に求められるのか
薬剤師として求められる「丁寧さ」「正確性」「配慮」といった資質は、調剤業務や患者様対応だけでなく、企業における他部門との円滑なコミュニケーションや、緻密なデータ管理、コンプライアンスの遵守といったあらゆる業務において不可欠なものです。
入退室の一連の作法は、皆様のそうした内面的な資質が「行動」として自然に表れたものと見なされます。だからこそ、面接では、その振る舞いが厳しく評価されるのです。
転職エージェントが「入退室の作法」もサポートします
頭では分かっていても、面接という独特の緊張状態の中で、こうした一連の「作法」をスムーズに行うのは難しいものです。ご自身の「お辞儀」や「所作」が、相手にどう映っているかを客観的に知る機会も、なかなかないことでしょう。
私たち転職エージェントは、皆様の薬剤師としてのキャリアプランに最適な求人をご紹介するだけでなく、面接本番で皆様の魅力が最大限に伝わるよう、総合的なサポートを行っております。
「模擬面接」の場では、皆様の受け答えの内容はもちろんのこと、こうした「入退室の作法」や「お辞儀」のタイミング、カバンの置き場所といった細かな所作まで、客観的な視点で確認し、アドバイスをさせていただくことが可能です。
ご自身のマナーに自信が持てれば、面接本番でも余計な緊張をすることなく、本来の力を存分に発揮することができます。面接に関するどんな些細な不安も、どうぞお気軽に私達にご相談ください。







