薬剤師の転職マナー、応募書類を留めるクリップの正しい位置
薬剤師の皆様が転職活動を行う際、心を込めて作成した履歴書や職務経歴書。複数枚にわたるこれらの応募書類を一つにまとめる際、その留め方一つにも、あなたの社会人としての常識や、相手への配慮が表れます。特に、クリップで留める位置は、些細な点に思えるかもしれませんが、ビジネスマナーとして定められた正しい位置が存在します。この記事では、採用担当者に好印象を与える、応募書類を留めるクリップの正しい位置について詳しく解説します。
応募書類はクリップで留めるのが基本
まず、複数枚にわたる応募書類は、ホッチキス(ステープラー)ではなく、必ずクリップで一つにまとめて提出するのが基本です。その理由は、受け取った採用担当者の都合を考慮することにあります。採用担当者は、受け取った書類をコピーして複数の面接官に共有したり、スキャンして社内でデータ共有したりすることが頻繁にあります。もし書類がホッチキスで留められていると、一枚ずつ針を外すという手間が発生し、場合によっては書類を破損させてしまうリスクもあります。クリップを使わないという小さな心遣いが、採用担当者の業務をスムーズに進めるための「配慮」となり、あなたの評価に繋がるのです。
クリップの正しい位置は「左上」
応募書類をクリップで留める際の正しい位置は、書類全体の「左上」です。これは、日本のビジネス文書をまとめる際の、最も一般的で基本的なルールとされています。左上で留めることで、書類がばらけるのを防ぎつつ、採用担当者がページの右下を持ち、本をめくるようにスムーズに内容を確認することができます。
クリップは、この左上1箇所に、1つだけ使用します。複数箇所を留めたり、書類の真ん中を留めたりするのは、かえって見栄えが悪くなり、スマートな印象を与えませんので注意しましょう。
クリップの選び方と書類の順番も重要
留める位置と合わせて、使用するクリップの種類にも配慮しましょう。最も望ましいのは、ビジネスシーンで一般的に使われる、装飾のないシルバーのゼムクリップです。キャラクターものやカラフルなもの、デザイン性の高いものは、公的な書類にはふさわしくなく、TPOをわきまえていないという印象を与えかねません。
クリップで留める前に、まず書類を正しい順番で重ねます。郵送の場合は上から「送付状(添え状)」、次に「履歴書」、「職務経歴書」、そして「その他の応募書類」の順です。手渡しの場合は、送付状は不要です。すべての書類の上下の向きをきちんと揃え、左上をクリップで留めたら、その一式を無色透明の新品のクリアファイルに挟んでから、封筒に入れるのが最も丁寧なマナーです。この一連の丁寧な準備が、あなたの真摯な人柄を無言のうちに伝えてくれるでしょう。