面接に落ちたショック…。薬剤師が次の一歩を踏み出すための「立ち直り方」

転職活動において、面接に落ちてしまう経験は、誰にとっても辛いものです。特に、薬剤師としてのキャリアを真剣に考え、多くの時間を割いて準備し、その企業で働きたいという強い思いを持って臨んだ面接であればあるほど、不採用の通知がもたらすショックは計り知れません。

「何がいけなかったのだろう」「自分の努力は無駄だったのか」と、自信を失い、次の一歩を踏み出す気力さえ失ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、転職活動を成功させるためには、そのショックから立ち直り、再び前を向くプロセスが不可欠です。この記事では、面接に落ちてしまった時に、どのように気持ちと向き合い、次へのエネルギーに変えていくか、その「立ち直り方」について解説いたします。

なぜ「立ち直れない」ほど落ち込むのか

面接に落ちた時の落ち込みは、単なる「不合格」という事実以上の重さを持っています。それは、面接がご自身の薬剤師としてのスキルや経験だけでなく、人柄や価値観まで含めた「全人格」を評価される場であるかのように感じられるからです。

不採用という結果が、まるで自分自身を丸ごと否定されたかのように受け取られ、深い自己否定に陥ってしまうこと。それこそが、「立ち直れない」と感じるほどのショックを受ける最大の原因です。

立ち直るための第一歩「感情の受容」

ショックから立ち直るために、まず最初にしていただきたいこと。それは、「落ち込んでいる自分」を無理に否定しないことです。「早く切り替えなければ」「落ち込むのは弱いからだ」とご自身を追い詰める必要は全くありません。

ショックを受け、落ち込むのは、皆様がその面接に真剣だったからこその、ごく自然な反応です。まずは「自分は今、ショックを受けているんだな」「悲しいんだな」と、その感情をありのままに受け止め、認めてあげてください。

少しの間、転職活動から意識的に距離を置き、ゆっくりと休む時間を持つことも、次へ進むためには必要なプロセスです。

視点を変える「失敗」ではなく「ミスマッチ」

心が少し落ち着いたら、次に試していただきたいのは、今回の結果に対する「捉え方」を変えてみることです。

面接での不採用は、皆様の薬剤師としての能力が劣っていたという「失敗」を意味するものでは、決してありません。それは多くの場合、企業側が求める人物像や職場の雰囲気と、皆様の個性やキャリアプランとの間に「ズレ」があった、という「ミスマッチ」の結果に過ぎません。

今回はたまたまご縁がなかっただけであり、皆様の力を必要とし、皆様の個性が輝く職場は、必ず他の場所に存在します。一つの結果に、ご自身の価値が左右されるものではないと理解することが、立ち直りの大きな助けとなります。

「なぜ」を客観視することが、立ち直りを早める

立ち直るプロセスにおいて、最も重要であり、かつ最も難しいのが「なぜ落ちたのか」を分析することです。この「なぜ」がわからないままだと、漠然とした不安だけが残り、次の面接へ進むことが怖くなってしまいます。

しかし、これを一人で行おうとすると、「きっとあの時の回答が悪かったんだ」「あそこでうまく笑えなかったからだ」と、根拠のない主観的な反省に陥りがちです。これは、かえってご自身を責め、立ち直りを遅らせる原因にもなりかねません。

「立ち直り」をサポートする存在

ショックから本当に立ち直るとは、落ち込んだ感情を乗り越えるだけでなく、その経験を「次への具体的な糧」に変えることです。それには、「客観的な不採用の理由」を知ることが不可欠です。

このような時こそ、転職エージェントが皆様の力になります。エージェントは、皆様のパートナーとして、皆様に代わって企業側から「なぜ今回はご縁がなかったのか」という具体的なフィードバックをヒアリングすることが可能です。

「スキルは申し分なかったが、チームのバランスを考慮した結果だった」「ご本人のキャリアプランと、当社が提示できる道筋が異なっていた」

こうした客観的な理由がわかるだけで、「ショック」は「納得」へと変わります。そして、その納得こそが、ご自身の強みを再確認し、次の戦略を立て直すための確かな土台となり、皆様が本当に立ち直るための大きな助けとなるのです。

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人材会社で15年間、転職・中途採用市場における営業職・企画職・調査職の仕事を経験。
社団法人人材サービス産業協議会「転職賃金相場」研究会の元メンバー
好きなアニメは、薬屋のひとりごと。
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