薬剤師の転職を左右する、履歴書の「学歴・職歴」欄の正しい書き方
履歴書の中でも、あなたのこれまでの歩みと専門性の高さを最も端的に示すのが「学歴・職歴」の欄です。採用担当者は、この経歴欄からあなたの基礎的な知識レベルや実務能力、そしてキャリアの一貫性などを読み取り、自社で活躍できる人材かどうかを判断します。この記事では、薬剤師の転職活動において、あなたの経歴を正確に、かつ魅力的に伝えるための、学歴・職歴欄の正しい書き方を基本から徹底的に解説します。
経歴を書き始める前の3つの基本ルール
学歴や職歴を書き始める前に、まず押さえておくべき3つの基本的なルールがあります。第一に、「正確性」です。履歴書はあなた自身を証明する公的な書類ですので、学校名や会社名は必ず正式名称で記載し、入学・卒業・入社・退職の年月も間違いのないように正確に記入します。
第二に、「時系列」です。まず学歴を記載し、その後に続けて職歴を古い順から記載するのが一般的です。
第三に、「年号の統一」です。履歴書全体で、日付の表記は「西暦」か「和暦」のどちらかに必ず統一してください。学歴欄は和暦、職歴欄は西暦といった表記の混在は、注意力が不足しているという印象を与えかねません。
「学歴」欄の正しい書き方
学歴は、義務教育の終了時点である「中学校卒業」から書き始めるのが一般的です。「高等学校卒業」からでも問題はありませんが、中学校から記載しておくとより丁寧な印象になります。学校名は「〇〇高校」のような略称ではなく、「〇〇県立〇〇高等学校」のように、必ず正式名称で記載しましょう。
薬剤師の場合、最も重要なのが大学の経歴です。「〇〇大学 薬学部 薬学科(6年制) 卒業」というように、学部・学科名まで正確に書くことが、あなたの専門性の基礎を明確に示す上で不可欠です。
「職歴」欄で経験を効果的にアピールする書き方
職歴欄では、まず会社名や法人名を「株式会社」「医療法人社団」なども含めて正式名称で記載し、「入社」と記します。薬局名や病院名が法人名と異なる場合は、次の行に「〇〇薬局に配属」と補足すると、勤務実態が分かりやすくなります。
さらに、薬剤師としてのスキルを効果的にアピールするために、どのような業務に携わってきたのかを簡潔に書き添えることをお勧めします。「調剤業務、服薬指導、薬歴管理のほか、在宅医療にも従事」や「〇〇科の処方箋を主に応需し、専門的な服薬指導を経験」といった一文があるだけで、採用担当者はあなたの経験値を具体的にイメージできます。
同じ法人内での店舗異動や管理薬剤師への昇進なども、あなたの実績や適応能力を示す重要な経歴です。「同社 〇〇店へ異動」や「管理薬剤師に就任」など、忘れずに記載しましょう。最後に、自己都合での退職の場合は「一身上の都合により退職」、在職中の場合は最後の職歴の行に「現在に至る」と書き、その一行下の右端に「以上」と記して締めくくります。