薬剤師の履歴書、「健康状態」欄の正しい書き方|持病がある場合の伝え方も解説
履歴書を作成する際、多くの項目の中でも特に記入方法に悩むのが「健康状態」の欄ではないでしょうか。「正直に書くと、選考で不利になってしまうのではないか」「どこまで具体的に伝えれば良いのだろう」と、その扱いは非常にデリケートな問題です。この記事では、薬剤師の転職活動において、採用担当者に安心感を与え、信頼関係を築くための、履歴書の健康状態欄の正しい書き方を状況別に詳しく解説します。
健康状態が良好な場合の書き方
まず、日々の業務や長時間の勤務に全く支障がない、健康な状態である場合は、この欄に「良好」と記載するのが最も一般的です。さらに、ご自身の健康をアピールしたい場合は、「きわめて良好」と書くこともできます。また、「きわめて良好(〇年間、無欠勤です)」というように、自己管理能力の高さを裏付ける具体的な事実を補足するのも、採用担当者に好印象を与える効果的な方法です。健康であっても、この欄を空欄のまま提出するのは避けましょう。「書き忘れたのだろうか」と、採用担当者に余計な懸念を抱かせる可能性があります。
持病や通院歴がある場合の基本方針
採用担当者が応募者の健康状態について知りたいのは、興味本位や詮索のためでは決してありません。その目的はただ一つ、「採用後、薬剤師としての業務を支障なく安定して遂行できるか」という点を確認するためです。したがって、この基本方針を理解していれば、何をどのように書くべきかが見えてきます。重要なのは、事実を正直に、かつ「業務に支障がない」ということを明確に伝えることです。
状況別の具体的な書き方と伝え方
業務に支障がない軽微な持病や既往歴がある場合
例えば、花粉症や軽い腰痛、あるいは定期的な健康診断での経過観察など、通常の薬剤師業務に全く影響がないものについては、健康状態欄は「良好」と記載して問題ありません。業務遂行に影響がないことを、自ら詳細に申告する必要はありません。
業務に支障はないが、一部配慮が必要な場合
症状は安定しているものの、定期的な通院が必要な持病がある場合や、特定の作業(重量物の運搬など)に制限がある場合は、まず「良好」と記載した上で、業務に支障がないことを明記し、必要な配慮を簡潔に伝えます。例えば、「良好(業務に支障はございませんが、2ヶ月に一度、半日の通院が必要です)」や「良好(長時間の立ち仕事なども含め、通常の薬剤師業務に支障はございませんが、重量物の運搬のみ配慮いただけますと幸いです)」といった書き方が考えられます。できないことを強調するのではなく、できることを示した上で、必要な配慮を伝えるのがポイントです。
過去に大きな病歴や休職歴がある場合
過去に大きな病気やケガで療養や休職をしていた場合、採用担当者が最も知りたいのは「現在の状態」です。そのため、「現在は完治しており、業務上の支障は一切ございません」と、現在の就労能力に問題がないことを明確に記載しましょう。面接で質問された際にも、「現在は医師からもフルタイムでの就労許可を得ております」と客観的な事実を伝えることで、採用担当者は安心して選考を進めることができます。
嘘の申告は絶対にしないこと
自身の健康状態について、事実と異なる内容を記載することは「経歴詐称」にあたります。もし、業務に支障がある持病を隠して入社し、その後に業務の継続が困難になった場合、採用時の告知義務違反として、信頼関係が損なわれるだけでなく、最悪の場合は解雇の理由となる可能性もあります。人の健康を預かる薬剤師という職業だからこそ、ご自身の健康状態についても誠実であることが、信頼関係の第一歩です。