薬剤師の履歴書、学歴・職歴欄が足りない時の正しい書き方
薬剤師として豊富なキャリアを積んでこられた方が転職活動で履歴書を作成する際、学歴や職歴を記入する欄が足りなくなってしまい、「どうすれば良いのだろうか」「無理やり詰め込むべきか」と、その書き方に悩んでしまうことがあります。しかし、職歴欄が足りなくなるということは、それだけあなたの経験が豊富であることの証です。この記事では、採用担当者に好印象を与え、あなたのキャリアを効果的に伝えるための、履歴書の欄が足りなくなった場合の正しい対処法について詳しく解説します。
無理に詰め込むのは逆効果
まず最も重要なのは、小さな文字で無理やり一行に詰め込んだり、欄外にはみ出して書いたりするのは避けるべき、という点です。採用担当者は日々多くの応募書類に目を通しています。その中で、文字が小さすぎて読みにくい、あるいはレイアウトが崩れて見づらい履歴書は、それだけで「読み手への配慮が足りない」というマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
薬剤師という職業に求められる正確性や丁寧さを示す上でも、書類の見やすさは非常に重要です。欄が足りないからといって、情報の質を落としてしまっては本末転倒です。
対処法1:職務経歴書を効果的に活用する
職歴が多くて書ききれない場合の最もスマートで一般的な対処法は、「職務経歴書」を別途用意し、そちらで詳細を説明する方法です。履歴書の職歴欄には、すべての経歴を簡潔に記載した上で、最後の行に「詳細は職務経歴書をご参照ください。」といった一文を書き添えます。
この方法をとることで、履歴書ではあなたのキャリアの全体像を、職務経歴書では各職場での具体的な業務内容や実績を、それぞれ役割を分担して効果的に伝えることができます。特に中途採用では職務経歴書の提出が必須となることがほとんどですので、この方法が最も合理的と言えるでしょう。
対処法2:学歴欄の記載を調整する
職歴欄のスペースを少しでも多く確保するための工夫として、学歴欄の書き方を調整する方法もあります。履歴書の学歴は、一般的に「中学校卒業」から記載するのが最も丁寧とされていますが、「高等学校卒業」から書き始めてもビジネスマナー違反にはあたりません。学歴の記載を一行減らすことで、職歴を記入するスペースを一行増やすことができます。
対処法3:転職者向けのフォーマットを使用する
市販の履歴書用紙や、インターネット上でダウンロードできるテンプレートには、様々なフォーマットが存在します。その中には、あらかじめ職歴欄が広く設けられている「転職者向け」の様式があります。こうしたフォーマットを選んで使用するのも、非常に有効な方法です。特にパソコンで履歴書を作成する場合は、テンプレートの選択肢も豊富ですので、ご自身の経歴に合わせて最適なものを選ぶと良いでしょう。
職歴の省略は絶対にしないこと
欄が足りないからといって、ご自身の職歴の一部を意図的に省略したり、記載しなかったりする行為は「経歴詐称」にあたり、絶対にしてはいけません。たとえ短期間で辞めてしまった会社であっても、雇用契約を結んで在籍した事実はすべて正確に記載するのが社会人としての義務です。職歴は、入社手続きの際に提出する公的な書類から必ず明らかになります。正直にすべての経歴を記載した上で、分かりやすく伝える工夫をすることが、あなたの信頼性を高めることに繋がります。