薬剤師の履歴書、「性別」欄の書き方は?多様性時代の基本マナー
履歴書を作成する際、ごく当たり前の項目として存在していた「性別」欄。しかし、近年、性の多様性に対する社会的な理解が深まる中で、その在り方が大きく見直されつつあります。薬剤師の転職活動において、この性別欄にはどのように向き合い、記入するのが適切なのでしょうか。この記事では、履歴書の性別欄の伝統的な書き方から、現代の価値観に合わせた新しい対応方法までを詳しく解説します。
履歴書の性別欄、従来からの基本的な書き方
まず、多くの市販の履歴書や、古くから使われているテンプレートには、「男・女」のどちらかを選択する形式で性別欄が設けられています。このようなフォーマットを使用する場合の基本的な書き方は、ご自身の性別に該当する方を、黒いボールペンではっきりと丸で囲む、というものです。薄く囲んだり、チェックマークを付けたりするのではなく、誰が見ても明確に分かるように円で囲みましょう。パソコンで作成する場合は、図形描画機能などを使って、該当する文字の上に円を配置します。
なぜ性別の記入が求められてきたのか
そもそも、なぜ企業は応募者の性別情報を知る必要があったのでしょうか。その背景には、入社後の実務的な手続きに関する理由があります。例えば、健康保険や厚生年金といった社会保険の手続きや、健康診断の項目設定、あるいは産前・産後休業といった福利厚生の適用を把握するために、性別情報が必要とされてきました。しかし、近年では「これらの情報は、応募段階ではなく、採用が決定した後に確認すれば十分である」という考え方が広まってきています。
性別の記入に抵抗がある場合の対応方法
ご自身の性自認のあり方など、様々な理由から、履歴書の性別欄へ画一的に記入することに抵抗を感じる方もいらっしゃるでしょう。そのような場合に考えられる対応方法の一つとして、性別欄を空欄のまま提出したり、「無回答」と書き添えたりする方法があります。しかし、これらの方法は、応募先によっては「記入漏れ」と判断されたり、意図が正確に伝わらなかったりするリスクも伴います。
そこで、最も推奨されるのが、次に紹介する「性別欄のない履歴書」を積極的に活用することです。
「性別欄のない履歴書」という新しい選択肢
社会的な変化を受け、厚生労働省が推奨する履歴書の様式例においても、性別欄は任意記入とされました。この流れに伴い、文具メーカー各社や、インターネット上でテンプレートを提供するサービスにおいても、最初から性別欄が設けられていない、あるいは任意記入欄となっている新しいフォーマットの履歴書が続々と登場しています。
性別欄への記入に違和感を持つ方や、ご自身の能力や経験といった本質的な部分で評価されたいと考える方は、こうした新しい様式の履歴書を選ぶのが最もスマートな対応と言えるでしょう。不要なストレスを感じることなく、ご自身のスキルや経歴のアピールに集中することができます。ご自身の考え方に合ったフォー- マットを選び、自信を持って転職活動に臨みましょう。